首都圏の住宅地価格が安定、背景に東京五輪に合わせた都市開発?

2020年に開催される東京オリンピックに向け、日本だけでなく海外の投資家からも注目を集めている首都圏の不動産。住宅購入を検討している方にとっても価格の変動は気になるところです。野村不動産アーバンネット株式会社が行った「住宅地価格動向」から、最新の住宅地価格の変化について考えます。

最新の住宅地価格はほぼ横ばい状態で安定。

同調査は、1989年7月より、「野村の仲介+(PLUS)」各店舗の営業エリアにおいて調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定したもの。公的な土地評価指標である「公示価格」や「路線価」よりも調査頻度が高いため、よりタイムリーな価格動向を知ることができます。このたび発表された2019年10月1日時点の調査結果によると、2019年7-9月期の「住宅地価格」の変動率は、首都圏エリア平均では0.1%(前回0.1%)上昇となりました。

出典:ノムコムHP

近年の変動率は0.1%程度の状態が続いており、2008年9月のリーマンショック後のような大きな価格変動は見られず、ほぼ横ばいの状態をキープしています。

次にエリア別の平均変動率を見ていきましょう。東京都下・神奈川の2エリアが前回より上昇、東京都区部・埼玉・千葉の3エリアは前回から横ばいとなりました。

出典:ノムコムHP

価格が安定している理由として考えられるのが、2020年に開催される東京オリンピックです。東京オリンピック開催が決定した2013年9月の後、いったん価格が上昇したことからも、オリンピック開催が価格変動に影響があることが分かります。オリンピック開催を前に、渋谷パルコや東京都現代美術館などのリニューアルや、無印良品銀座や渋谷スクランブルスクエア、町田市のグランベリーパークの新規オープン、高輪ゲートウェイ駅の開業など、インフラの整備が相次いで行われたことで都市機能がさらに充実。上昇した価格が急に下がることなく、安定していると考えられます。

2020年春の開業を予定している高輪ゲートウェイ駅。駅名を公募したことでも話題になった
2019年11月1日に開業する渋谷スクランブルスクエア。屋上には展望施設を備え、渋谷エリアでは最も高い建物になる

まとめ

住宅購入は人生の中で最も大きな買い物ともいわれます。合わせて土地購入のタイミングは重要なポイントとなりそうです。急な価格変動の発生する時期はリスクが高いと考える人も多いはず。2019年10月1日現在、首都圏エリアの住宅地価格はここ数年安定状態をキープしています。住まいの購入を検討中の人にとって、価格の目安を考えやすい時期といえそうです。

【調査概要】
「野村の仲介+(PLUS)」各店舗の営業エリアにおいて、調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定。調査地点は限定されたエリアから抽出したものであり、数値は都県全体の変動率を表すものではない。

ニュース参照元:PRTIMES
ニュース提供元:野村不動産アーバンネット株式会社

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