コーヒーはお好きですか?
何かとウンチクの多いコーヒー。一般に家庭では焙煎された豆を選んで購入し、豆を挽き、湯を注いでコーヒーを淹れます。手動で豆を挽き、湯をポットで注いで抽出する人もいますが、最近は豆を投入すれば全自動でコーヒーができる便利なマシンもあります。
今回は、ドリップでコーヒーを淹れる手動vs全自動のガチンコ対決です。
美味しいコーヒーを味わうための4つのプロセス
コーヒーは、南北回帰線に挟まれた「コーヒーベルト」と呼ばれる熱帯で栽培され、中南米、東西アフリカ、アジア、オセアニアなど60ヶ国以上で生産されます。「コーヒー豆」といいますが、マメ科でなくアカネ科の植物の実の種子のことで、実の中心の2個の半球形の種子の外側にある果肉と皮を取り除き、取り出した生豆がコーヒーのもとになります。
おいしいコーヒーを味わうためには4つのプロセスがあります。
1.豆を選ぶ
生産地や品種ごとの豆の風味や特性、精製方法などを確認し、自分の好みに合った豆を選びます。
2.焙煎する
生豆を煎り、味や香りなどの個性を引き出す重要なプロセス。焙煎が浅いほど酸味が強くフルーティーで、深いほど苦みが強くスモーキーになります。
3.豆を挽く
豆を挽いて粉にすると酸化が早まり香りが飛びやすくなるので、淹れる直前に挽くのがベスト。細かく挽くほど成分が抽出されやすくなります。プロペラ刃を高速回転させるので作業が手軽な電動ミルに対し、手回しミルは力と手間が必要ですが、臼状の刃を低速回転させるので粉の大きさを均等にできます。
4.抽出する
粉に湯を注いでコーヒーの成分を引き出す最後の工程。粉の層に湯を通してフィルターで濾す透過法(ペーパードリップなど)は淹れる人の技量によって味や香りが安定しにくいのに対し、粉を湯に浸す浸漬法(サイホンなど)は条件を揃えれば同じ味を再現しやすいのが特長です。
今回の対決は、私の愛容器から選抜。
手動の機器は筆者が自宅で愛用している、コーヒーミルMSCS-2B(ハリオ)、ドリッパーセットTCD-100(ハリオ)、ドリップポット(ヨシカワ、型式不明)です。対する全自動マシンは、シロカの全自動コーヒーメーカー『カフェばこ』です。
手動でコーヒーを淹れる
手動ミルは臼の間隔を好みに合わせて細かく調整できます。コーヒーミルに人数分+1杯分の豆を入れ、ハンドルを一定の速度で回転して粉の大きさを揃えながら豆を挽きます。ハリオのMSCS-2Bは中央部がくびれて豆を挽く時に手で押さえやすく、ガラス製なので挽いた粉を確認しやすいです。
ペーパーフィルターをドリッパーにセットして粉を入れ、粉の表面の低い位置から95~90℃の熱い湯をゆっくりと少量注ぎ、約30秒蒸らして炭酸ガスを抜きます。続いて「の」の字を描くように湯を注ぎ、粉がドーム状に膨らんだら注ぐのをやめ、粉が沈み始めたら湯や泡が消える前に再び同じ方法で繰り返し湯を注ぎます。口の細いドリップポットは湯の微妙な注ぎ加減を調節しやすいです。人数分を抽出したら膨らんだ粉がしぼむ前にサーバーを外し、香味の低下を防ぎます。ハリオTCD-100のガラスサーバーは抽出量が確認しやすく、口が広いので洗いやすく手入れも簡単です。
シロカの全自動コーヒーメーカー『カフェばこ』でコーヒーを淹れる
シンプルでスタイリッシュなデザインでコンパクトサイズなので、キッチンやオフィスのデスクなどに置いても邪魔になりません。水を入れた給水タンクを本体側面に取り付け、コーヒー豆を上部のミルに投入し、ダイヤルでカップ数を選択してスタートボタンを押せば、あとは自動で豆を挽いてコーヒーを抽出し、30分の保温までやってくれます。ドリップに適した中細挽きに設定された高速回転の電動ミルは、短時間で安定したおいしさの豆を挽きます。ステンレスのメッシュフィルターは、ペーパーが通さない油分のおいしさまで抽出できます。
水洗いできて手入れが簡単な上、ペーパーフィルターが要らないのは経済的です。こだわりの30秒の蒸らし機能を装備し、全自動ながら本格派の味わいが楽しめます。目覚めのコーヒーを作るのに便利なタイマー機能や、給水しやすい着脱タンクなど、ユーザーの要望に対応して使い勝手がさらに改善されたのも見逃せません。
おいしいコーヒーを味わう手動vs全自動の対決、いかがでしたでしょうか?
手動で毎回同じ味を出すことは難しいですが、練習してうまく淹れられた時の満足感は格別でしょう。時間に余裕のある人は、ぜひ挑戦してみてください。全自動コーヒーメーカーは豆を入れれば後は機械におまかせで、手間をかけず本格的なコーヒーが味わえるので、出勤前の忙しい朝などには重宝します。また、慣れていない人でも毎回同じ味が出せて失敗がないのも安心です。
さあ、みなさんはどちらのスタイルでこだわりのコーヒーを楽しみますか?