毎日キッチンで調理をする時に、食器やカトラリーなどが取り出しにくかったり、使いたいときに見当たらなかったりするとストレスを感じますよね。取り出そうとしてうっかりお気に入りの食器を割ってしまうなどの経験がある人もいるのではないでしょうか。そこで今回は片付けレッスンやセミナー講師としても活躍中の整理収納アドバイザーの大谷洋子さんにストレスフリーなキッチン収納について教えてもらいました。
使いにくさの最大の原因はモノの多さ
お皿やグラスなどの食器は、季節や盛り付ける料理によって食器を変えたり、好みのものを見つけて購入したりするうちに、気が付くとどんどん増えてしまうアイテム。また引き出物やプレゼント、お土産などでもらう機会も多く、「使わないけれど捨てられない」と悩みながらそのままになっているケースもあるのではないでしょうか。
食器棚が使いにくいと感じている人は、使っていないモノを詰め込みすぎていることが多いもの。収納スペースにギッシリと詰め込まれているため“取り出しにくく、収納しにくい”状態に陥ります。使っていないものまで収納している食器棚は、空間に余裕がなく、手前の取り出しやすい食器ばかりを使うことになるため、たくさん食器を持っているにも関わらず“毎日同じお皿ばかり使っている”原因ともなります。
使いやすいキッチンの第一歩は食器棚1段の整理から
キッチン全体を一日で整理するのは労力も時間もかかります。そこでまず食器棚1段からスタートする方法がおすすめです。手始めに、一番よく使う食器を納めている棚からすべての食器を出します。そして、以下のように分類してみましょう。
1、使っているもの
2、使っていないけど捨てられないもの
3、使っていないもの
3の使っていないものの中で不要なものはすぐに手放します。使っていないけどいつか使うかもしれない、すぐには捨てられないものは一時保存箱を用意し、その中に納めます。2もひとまず一時保存箱に。こうするとどうでしょう? 量がグッと少なくなっているはずです。
お皿の収納は基本的に重ねて収納しますが、多くても5枚程度までに。それ以上重ねると下のお皿が必要な場合、持ち上げにくく、割れる原因にもなります。重ねたお皿の上部には拳2つ分くらいの空間が空いていることが理想です。
お椀など深さのある食器は2~3個ずつ重ね、スーパーの商品棚のように縦に並べると手前から簡単に取り出すことができてスムーズです。
来客用のティーカップなどは、もしもの事態を想定し、手放すのを迷うケースもあると思います。しかし「来客の頻度」「人数」を今一度考えてみると、来客は年に数回、1度に1~2名という家も少なくありません。これなら2客あれば十分事足りるでしょう。
グラスも〇〇用、××用など用途ごとに揃えがちですが、意外に使っていないものがあるようです。そこで注目したいのがいつも使うグラスです。なぜそのグラスばかりを使うのか考えると「大きさがちょうどいい」「温冷問わず使える」「手入れが簡単」「丈夫」「デザインが好き」などさまざまな理由が浮かびます。それこそがあなたがモノを選ぶ基準なのです。使わないモノはその基準に当てはまっていないと考えられます。次にカップなども同じように分けて手放します。
カトラリーも同じですが、お皿やカップ、グラスなどと違いかさばらないため、すべて出してみると思った以上に数がある場合もめずらしくありません。手放すなら家族の数+1~2本を目安にしましょう。
「贈り物」は気持ちをいただく
結婚式の引き出物や新居祝い、出産祝いなどでもらったものの、趣味が合わず使っていない、捨てられないモノはないでしょうか。ここで注目してもらいたいのが“もらったモノと気持ちをくっつけないこと”です。気持ちだけありがたくもらい、使わないモノは手放すというルールを決めておけば趣味に合わないモノを無理して使ったり、場所をとられてストレスを感じたりするということもありません。
調理器具は使い勝手に注目
キッチンの収納スペースが少ないと悩む人の中には、同じような調理器具をいくつも所有している人もいます。フライパンは大・小1つずつあれば十分です。もしテフロン加工が剥げているものなどがあれば、この機会に手放してはいかがでしょう。場所を取る鍋も大きさや使い勝手を考え、使っていないものがあれば潔く手放すとスッキリ。また数回使っただけで放置している便利グッズなどは手放しても今後もまず困ることはないでしょう。
普段使いのアイテムは取り出しやすい位置に
使いやすい収納にするには「使用頻度」と「使用場所を考える」ことが大切です。家族みんながよく使うグラスやカップは、取り出しやすい位置に収納しましょう。またマグカップ、湯呑などいつも使うものだけトレイなどにまとめておくというアイデアもあります。
まとめ
キッチンは毎日使う場所だからこそ必要なモノをすぐ取り出せる機能性が必要です。綺麗に整頓してストレスなく使えるキッチンなら家事の負担も軽減します。時には思い切った断捨離も必要。年に一度の見直しをすることで「余分なモノ」が増えるのを防ぐことができます。使いやすいキッチンは料理の腕も上がりそうですね。
<取材協力>
大谷洋子さん/整理収納アドバイザー1級
育児中のストレスが部屋を片付ける事によって解消されたことから、部屋の様子と心の状態が繋がっているのではないかと興味を持つ。狭くて古い社宅でスッキリ暮らしていると周囲に評判になったことをきっかけに、2012年整理収納アドバイザー1級を取得。現在、お片付けサポートや心のお片付けレッスン、手帳サークル、カルチャーセンター講師と精力的に活躍。「今どんな状況であってもライフスタイルに変化があろうとも物事を“分ける力”をつけることで部屋が片付き、心も片付きます。それによって自信がつき、自分らしく生きる輝く女性を増やしたい」との思いで活動中。