鉄道の高架下を賃貸住宅にも。首都圏で遊休空間活用が相次ぐ

JR神田駅~御茶ノ水間の、旧万世橋駅の遺構を整備した「mAAch マーチ エキュート 神田万世橋」や、JR秋葉原駅~御徒町駅間の高架下に「ものづくり」をテーマとしたショップが並ぶ「2k540 AKI-OKA ARTISAN」、地下鉄中目黒駅~祐天寺駅間の高架下を利用したハイセンスな商店街「中目黒高架下」、武蔵境駅・東小金井駅・国立駅の高架下にできた「ののみちサカイ西」「ののみちヒガコ」「ののみちクニタチ西」など、鉄道の遊休空間を活用した施設が相次いで誕生しています。これから開業が予定されている、気になる施設の数々をご紹介します。

JR有楽町駅~新橋駅間の高架下に2020年、「日比谷 OKUROJI」が誕生

まずは、2020年夏に開業予定の、「日比谷 OKUROJI」。赤レンガ高架橋のアーチを活かした外観デザインが印象的な商業施設です。JR東日本が手がけ、「食物販・雑貨・ファッションゾーン」「飲食ゾーン」「大人のナイトタイムを楽しめるゾーン」、合わせて約50店舗が入ります。また、有楽町駅寄りのエリアはJR東海が手がける「日比谷グルメゾン」となり、約6店舗が入る予定です。JR東海の用地とJR東日本の用地を合わせた一体の空間として回遊性をもたせることで、街と人・人と人とを繋ぎ、賑わい溢れる場所を目指すとしています。

小田急線東北沢駅~世田谷代田駅間の鉄道跡地を「下北線路街」として整備

小田急線の東北沢駅〜世田谷代田駅の地下化にともない、全長約1.7kmの線路跡地を「下北線路街」として開発。既にテラスハウス「リージア代田テラス」や「世田谷代田キャンパス」、そして2019年9月24日には、下北線路街の開発コンセプトを体現する空間として、下北沢交番横の屋外スペース「下北線路街 空き地」がオープン。こちらは約1年半の期間限定で、イベントスペースやレンタルキッチン、キッチンカースペースなどが設けられ、いち早く盛り上がりを見せています。
2019年11月には、下北沢駅と直結の2階建て商業施設「シモキタエキウエ」、2020年4月には認可保育園や住居併設の飲食店や物販店をはじめとした商店街「BONUS TRACK」のオープンを予定している他、温泉旅館や学生寮、商業施設の建設が予定されています。

商業施設だけじゃない! 東小金井駅~武蔵小金井駅の高架下が賃貸住宅に

鉄道の遊休空間の活用方法は、商業施設にとどまりません。JR東小金井駅~武蔵小金井駅駅間の高架下に2020 年春、全 109 室の学生向けシェアハウス「Chuo Line House KOGANEI 」が開業する予定で、既に入居者募集がスタートしています。家具・家電を備えた居室の他、食堂・カフェテリアやホール、多目的スタジオも備えた空間となり、居住する学生だけでなく、近隣大学生や大学関係者、地域住民など多様なバックグラウンドを持つ人々が集い、コミュニケーションを育む場となることが期待されています。

まとめ

都市部を中心に、高架下など鉄道の遊休空間を有効に活用する事例が増加しています。その多くが利便性の高いエリアにあり、集客力の高い商業施設として街に賑わいをもたらし、注目を集めてきました。さらに最近は、宿泊施設や学生寮、シェアハウスなど居住スペースとしての需要も期待されています。鉄道の遊休空間を活用することによりどのような街が創出されるのか、今後も注目です!

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