秋になり、本格的な冬が近づく気配を感じますよね。寒くなると、どうしても気になるのが、暖房による電気代の高騰…。振込用紙や引き落とし金額を見て「なんでこんなに高いの!?」と驚いた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで、冬が訪れる前に知りたい、「節約に効果的なエアコンの運転方法」について詳しく解説します。暖房費用を抑えるための使用方法やテクニックをご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
電気代アップの原因につながる! エアコンの誤った使い方
1.つけっぱなし
冷房・暖房に限らず、「エアコンはこまめに消さないほうがいい」「つけっぱなしのほうがお得」といった、都市伝説のような噂話を聞いたことがある人も多いはず。しかし、当然のことながら電気代はエアコンを使用した分だけ加算されていきます。いくら起動時に電力が消費されるとはいえ、長時間外出する場合や必要のない時間にはエアコンを消した方がお得なのです。
【何分以内なら消さなくてもいい?】
短時間であっても室温が下がってしまうので、再度暖房をつけたときにムダな電力を消費してしまいます。エアコンのスペック・使用する時間帯・契約している電力会社やプラン・住宅タイプなどによって異なりますが、一般的には5~30分以内(※)の外出であればつけっぱなしでOKのよう。(※出典…ダイキン工業の検証結果)
2.温度設定が高すぎる&風量が調整できてない
暖房使用中に意外と多いのが「つけると暑い、消すと寒い」問題。設定温度や風量を上手にコントロールできていないと、何度もオンオフを繰り返してしまって結果的に必要以上の電力を消費してしまいます。節電効果を高めたい場合は、自動運転もしくは「20~22度」に設定するのがおすすめです。
3.機器のメンテナンス不足
どんなに高性能なエアコンを購入しても、メンテナンスを怠ってしまうと本来の機能を最大限発揮できません。汚れが溜まるとパフォーマンスが落ちてしまうので、何時間つけていても部屋が暖まらないことも…。こまめな掃除やフィルターの交換は必須です!
より安く、より暖かく! 冬の電気代を節約する4つのポイント
ポイント1.温度や風量は「自動設定」がベスト
前述したように、温度や風量設定を上手にコントロールできていないと消費電力が増加してしまいます。電力を最小限に抑えるためには、つけっぱなしにしても心地良い温度と風量に設定しておく必要があるのです。
その日の気温や天候によって左右される室内の状態に対応した温度や風量に調整したいときは、「自動設定」にしておくのがベター。機械側がもっとも快適に過ごせる状態に設定してくれるので、ムダが生じにくいのです。
最近のエアコンは「人感センサー」や「AI(人口知能)」が搭載されたモデルも多く、気温の変化や体感温度を予測しながら自動運転してくれます。困ったときは“エアコン頼み”がおすすめですよ!
【自動運転は「弱」でも「微風」でもない、「超微風」を出せる】
電気代節約のために風量を制限している方も多いのではないでしょうか。もちろん、強風の設定と比較すると弱風のほうが電気代は抑えられます。しかし、さらにわずかな風量を出したい場合は自動運転に設定するのがおすすめ。
自動運転時に部屋が一定温度以上になった場合は、「弱」や「微風」よりも風量の弱い「超微風」での運転が可能な機種も。リモコンのボタンにはない風量を出せるおかげで、弱風設定時よりも節電&節約効果が見込めるのです。
ポイント2.定期的なフィルターや内部の掃除
「シーズンごとに掃除しているから大丈夫」「購入して数年だからあまり汚れていないはず」と思っている方は要注意! 実は、想像以上にエアコンのフィルターは汚れているものなのです。こまめにフィルターや内部の掃除をしていないと、あっという間にカビやほこりが溜まってしまいますよ。
また、エアコンに備わっている「自動クリーン機能」のみで完結してしまうのもNG。現行モデルの多くは表面にあるフィルター汚れのみを除去しているため、外気を取り込む空気口やフィルターの奥までは掃除できていません。自動クリーン機能を使っている場合でも、定期的な掃除は必須です。
【エアコン掃除、1年間に何回するべき?】
使用しているエアコンのスペックや使用頻度によって異なりますが、一般的な使用方法の場合、フィルター掃除は2~3週間に1度のペースで行うのが最適です。また、家庭では取り除けないエアコン内部の掃除やカビの除去などの場合は専門業者によるクリーニングが効果的。1~2年に1度のぺ―スで依頼すると安心ですよ。
ポイント3.室外機に気を配り、運転効率を上げる
エアコンの運転効率を左右するのは、実は本体ではなく「室外機」の設置状況にあります。エアコンは取り込んだ外気を調整して冷気や暖気を室内に届けているため、室外機による空気の吸い込みや排出をスムーズに行う必要があるのです。室外機の周囲に障害物を置いている場合や壁に密着させている場合には、風通しが良くなるように改善しましょう。
また、室外機は雪の影響も受けやすいので要注意! 積雪地域や豪雪地域に住んでいる場合は、雪が室外機に積もってしまわないようネットをかぶせるなどの対策が必要です。
ポイント4.他暖房機器とセットで体感温度を上げる
エアコンをつけているのに肌寒く感じることって多いですよね。十分に暖房機能が働いているにもかかわらず効果を感じられない場合は、体感温度が低いままである可能性があります。他の暖房機器とセットで利用して改善していきましょう。
エアコンと相性のよい暖房器具として挙げられるのが、「加湿器」と「サーキュレーター」。加湿器を使用して部屋全体の湿度を高めながら、サーキュレーターで暖かい空気を部屋全体に循環させましょう。
【湿度が体感温度に影響する理由】
人間は適度な湿度が維持された状態下であれば、汗の蒸発を抑えられます。汗の蒸発には体温を下げる効果があるため、乾燥する季節はできるだけ湿度を保つ必要があるのです。ただし、過度な加湿は部屋に結露やカビを繁殖させる原因にもなってしまいます。湿度は「40~60%」を目安にコントロールしましょう。
寒い季節に欠かせないものだからこそ、節約や節電に注意しながらエアコンを使いたいもの。定期的な掃除や内部クリーニングはやや面倒に感じてしまいますが、機器の性能を最大限発揮させるために必要なので欠かさずに実践してくださいね。
本格的な冬に入る前の準備時期だからこそ、徹底的にメンテナンス! “家計”と“体感温度”にやさしい暖房の使い方で、節電効果を高めていきましょう。
(最終更新日:2021.02.04)