【クルマのサブスクリプション】ついにトヨタのKINTO(キント)が本格スタート

「クルマは買うもの。そのお考え、お古いかと」

というテレビCMのキャッチコピーが印象的です。

クルマとの新しい関係を提案するサブスクリプションサービス「KINTO」が本格スタート。

メーカーであるトヨタ自動車が提供することで、大きな注目を浴びています。

人気のプリウスも選べる。頭金なしの毎月定額で乗ることができるのが「クルマのサブスクリプション」です

KINTOとは

「KINTO ONE」と「KINTO SELECT」の2つのプランが用意されています。

KINTO ONEは、月々定額でトヨタの新車に3年間乗れるというプランです。

月額料金には、新車を購入するときにかかる登録諸費用や税金(毎年の自動車税も含む)、定期メンテナンス代、任意保険料など、駐車場代、ガソリン代、高速料金を除く自動車を所有するコストがすべて含まれています。

頭金なしの定額というのが特徴です。

車種はプリウス、アクア、カローラスポーツ、RAV4、ハリアー、クラウン、ランドクルーザープラド、アルファード、ヴェルファイアの中から選ぶことができます。
グレードや色も選べます。

月額料金(すべて税込)は、
プリウス:50,710円~
アクア:43,450円〜
RAV4:63,800円〜
ハリアー:61,600円〜
クラウン:95,700円〜
アルファード:86,900円~
などとなっています。

KINTO SELECTは、契約している3年間の間に、レクサス6車種の中から6ケ月ごとに好きな車種に乗り換えることができるプランです。

車種は、RX450h、ES300h、RC300h、NX300h、IS300h、UX250hで、月額は198,000円(税込)の定額です。

こちらももちろん、登録諸費用、税金、任意保険料などが含まれています。

アフターサービスは、レクサスの正規販売店が実施します。

※車種、料金は2019年10月時点のものです。

どのようなサービスを目指していくのか?

株式会社KINTO営業部主査の藁谷直樹(わらやなおき)氏

――「クルマのサブスクリプション」というサービスですが、なぜメーカーであるトヨタが手掛けることになったのでしょうか?

「時代が変わってもクルマに愛着を持ってもらいたい、というのが私たちの願いなんです。KINTOは「クルマを保有する第三の選択肢」を目指しています。「購入」と「シェアリング(レンタカー)」の間のカタチということですね。シェアリングだと使いたいときにだけ使うことで、コスト面でのメリットがある場合もあります。
しかし、クルマ自体に愛着を持ってもらうことは難しいと思います。

一方で、購入するにはそれなりの負担がかかります。

所有することでかかってくるコストは、クルマを持つまでわからない場合も多く、二の足を踏んでしまうお客さまも多いのです。

そこで、毎月定額でクルマを自分のものにできるという「サブスクリプション」を、第三の選択肢として提案しようとなったのです。

ケータイやスマートフォンの所有の仕方に近いかもしれませんね。

スマホは新機種を購入すると、2年契約などで分割された本体代金と通信料を毎月の使用料として支払っていきます。

頭金なしで、様々なオプション料金も一括して、ユーザーとしては毎月の月額料金を支払う感覚ですよね。毎月の料金がだいたいわかっているので、安心して家計を管理していけます。KINTOのサブスクリプションも、そのようなクルマの保有のカタチを提案していこうと考えています」

走りにも安定した乗り心地にもこだわったカローラスポーツ。KINTOではグレードやカラーも選べる

――KINTOはどのような層の人にオススメですか?

・シニアの方
シニアの方にこそ、安全機能が充実している最新車種にお乗りいただきたいと思います。ただ、あと何年乗るかもわからないのに新車を購入するのは…とためらわれている方は、3年間だけの契約で、万が一免許返納された場合には解約金なしで解約可能なKINTOをご検討いただくのが良いかもしれません。

・はじめてクルマを持つ方
特に若年の方は自動車保険の等級が低いので保険料が高くなる傾向にありますが、KINTOなら任意保険料も月額料金にコミコミなので、保険料を気にせず新車から乗り始めやすいと思います。

・子育て世代の方
お子さんの成長に合わせて、クルマに求められることも変わってきます。
その都度、新しいクルマを購入するのはなかなか大変です。
そんな場合にも、3年という契約期間のKINTOは最適だと思います。
お子さまが小さなときほど、クルマがあることのありがたみを感じられると思います。

その他、転勤が多い職種の方など、生活環境が変わる可能性のある場合などにもメリットを感じてもらえると思います。

憧れのクラウン。3年ごとに新しいクルマに乗り換えることで、最新の走りと安全性を手にすることができます

――KINTO ONEでは、なぜ3年という契約期間にしているのでしょうか? また、選べる車種が、メーカーが提供するサービスとしては少ないように思えますが…。

「3年経つと、お乗りいただいていたクルマは返却していただきますが、それには、できるだけ最新のものにお乗りいただきたいという意図も込められています。
特に安全機能面は日々技術が進歩しているので、最新のクルマに乗っていただくことが大切だと考えています。
同じクルマに続けて乗りたい場合は、改めて契約していただくことになります。より多くのクルマに乗っていただき、豊かなカーライフを送っていただければと思っています。
この3年という期間は、短いとおっしゃる方もいれば長いと感じる方もいるようです。
こうした声にお応えできるよう、商品拡大に努力してまいります。
現在お選びいただけるのは9車種にとどまっていますが、順次拡大していきます。
具体的には、2019年以内にも車種が追加される予定です。

――返却時には、修理代などが請求されることはないのですか?

「使用されたクルマは原状まで回復させて、ご返却いただきますが、その際の状態により、修理・クリーニングが必要だったり、事故修理歴などで車両価値が低下していたりする場合は、追加費用をご請求させていただくケースがございます」

――任意保険料も月額料金に含まれているということですが、等級は引き継がれるのでしょうか?

「KINTOが加入している保険となるため、お客さまの等級は引き継がれることはありません。
お客さまの等級はそのまま一時中断という形(保険会社への申請が必要です)で、KINTO契約中に保険を利用しても(車輌保険料として5万円の自己負担あり)等級が下がるようなこともありません。ちなみに、等級の低い方も高い方も同じ条件で、月額料金に差が出ることはありません」

――3年の契約期間中に中途解約はできますか?

「KINTOは中途解約することも可能です。ただし、所定の追加精算金が発生します。免許を返納したり、海外赴任のために解約したりといった場合には、解約金は発生しません。この点からも、生活環境が変わる可能性のある方には、KINTOを活用してもらうメリットがあると考えています」

アグレッシブとエレガンスを融合させたラグジュアリーSUVのRX450h。KINTO SELECTでは3年で6車種に乗ることができます

――KINTO SELECTについては、また違ったコンセプトですね。

「そうですね。KINTO SELECTは6ケ月ごとに新たなレクサスのクルマに乗り換えられる点が、KINTO ONEとは違います。短期間のうちにいろいろなタイプのレクサスに乗れるという、プレミアムな価値を感じていただけるユーザー向けになっています」

――KINTOは、今後どのようなサービスを目指していこうとお考えですか?

「まだスタートしたばかりなので、ユーザーの皆さまのご意見をたくさん聞いていきたいと思っています。たとえば、これまでのクルマの購入の仕方とは違い、Web上で利用契約することが可能になっています。販売店に何度も出向くことなく、お客さまのお好きな場所、お好きな時間帯でご契約いただけます。それでいて、定期メンテナンスや修理などは正規販売店が行ってくれるので安心です。このように、KINTOによって、クルマを保有することにまつわるわずらわしさや不安を、できるだけ低減していきたいと考えています。そして、お客さまには、純粋にクルマを楽しんでいただきたいと思います。

まとめ

新しいサービスなので、「クルマのサブスクリプション」といってもまだまだなじみがありませんが、スマホの保有の仕方と同じと考えるととてもわかりやすいと思います。本体の代金も毎月の利用料もコミコミで、毎月定額を支払うということに私たちはある程度慣れているので、同様にクルマを保有できるとなると便利だといえるのではないでしょうか。「購入」と「シェアリング」の間を埋めるようなクルマの保有の仕方を提案しているので、私たちユーザーにとっては、選択肢が増え、歓迎すべきことだといえるでしょう。
また、今後のサービスは、ユーザーの声を聞きながら拡大、改善を行っていくということで、その展開にも注目していきたいところです。

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