インターネットショッピングなど、電子取引(EC)市場の拡大がめざましい昨今。経済産業省が2017年2月に発表した報告によると、宅配便の取扱件数は2010年から2015年の5年間で12%も増加し、2015年度の年間取扱件数は37億個を超えています。それに伴い再配達による宅配業者の負担増やCO₂排出量増加が社会問題化しています。そこで注目されているのが戸建住宅用の宅配ボックスです。株式会社LIXILでは、東京都江東区・江戸川区で『IoT宅配ボックスによる再配達削減「CO2削減×ストレスフリー」実証プロジェクト』のモニター調査を実施中。今回はその中間発表をもとに、宅配ボックスのメリットについて考えます。
『IoT宅配ボックスによる再配達削減「CO2削減×ストレスフリー」実証プロジェクト』とは
LIXILは、自社製品であるIoT宅配ボックスを東京都江東区と江戸川区の100世帯に無償提供。2019年2月1日から約1年間モニターとして使用してもらい、再配達の削減に伴うCO₂削減効果や、利用者のストレスの変化などを調査する実証プロジェクトを行っています。
LIXILのIoT宅配ボックスの主な特徴は次の通りです。
・不在時、外出先からスマートフォンの操作で解錠し、複数の荷物が受け取れる。
・スマートフォンを使って集荷依頼が可能。
・投函や取り出しといった宅配ボックスを操作した際や、閉め忘れがあった場合にスマートフォンに通知が来る。
・カメラ機能で集荷をリアルタイムで確認できるので、外出先から荷物の見守りができる。
この宅配ボックスがあれば、宅配便の配達時に不在にしていても確実に荷物を届けてもらうことが可能になりそうです。モニターを対象に7月31日までの使用感を調査したアンケートでも、再配達率が41%から16%に減少したという結果が出ています。これにより、約141時間の宅配事業者の労働時間削減、約301kgのCO₂削減に成功したと考えられています。
約8割がIoT機能の利便性を実感。受け取りに関するストレス改善は9割以上に
IoT機能による便利さを感じることができたか質問したところ、約8割のモニターが、IoT機能について便利だと回答しました。
特に満足度の高かった項目はスマートフォンでの荷受け通知。やはり外出していても荷物が受け取れることにメリットを感じている人が多いようです。また、再配達率をIoT機能の使用頻度別にみてみると、「IoT機能を頻繁に使用」した人の再配達率は10%と、使用頻度の高い人の方が再配達件数の削減に貢献している結果となりました。
宅配の受け取りに関するストレスに関しては、「かなり改善された」「やや改善された」が9割以上となりました。具体的には「再配達を依頼する手間が減った」「必要な時に荷物が受け取れるようになった」が91.8%、「配達時に待機することが減った」が88.8%と、時間を自由に使えるようになったことでストレスが軽減されたと回答した人が多く、プロジェクトの事前アンケートで散見された悩みが改善傾向にあることが分かりました。また、生活における変化については「今までより気軽にネットショッピングを楽しめた」と約7割の人が回答し、ストレスの軽減による前向きな変化も見られました。
まとめ
2020年3月31日までの予定で実施される『IoT宅配ボックスによる再配達削減「CO2削減×ストレスフリー」実証プロジェクト』。利便性やユーザーの満足度が高いのはもちろん、宅配業者の負担減やCO₂削減にも貢献していることが分かりました。プロジェクトの結果は、「LIXIL宅配ボックス スペシャルサイト」(https://www.lixil.co.jp/lineup/gate_fence/s/deliverybox/)にも掲載される予定なので、宅配ボックスを設置する際の参考にしてみてください。
【調査概要】
調査方法:アンケート調査
対象エリア:東京都江東区、江戸川区
調査対象:東京都江東区、江戸川区の戸建て住宅を対象とした約100世帯(アンケート回答:98世帯)
調査実施期間: 2019年5月1日~7月31日 (※プロジェクトは、2020年3月31日まで継続)
主催:株式会社LIXIL(協力:江東区、江戸川区、佐川急便株式会社、日本郵便株式会社)
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社LIXIL