【つくば市に住む】茨城県つくば市~つくばエクスプレス開通以降、現在も発展中の研究学園都市

2005年のつくばエクスプレス開通で、都心へのアクセス環境が飛躍的に向上した、茨城県つくば市。人口は増加の一途を辿り、平成27年の国勢調査人口等基本集計結果(確定値)によると、つくば市の人口は約22.7万人。県庁所在地である水戸市に次いで茨城県で2番目に人口が多い都市となりました。たくさんの人が集まる魅力は、どんなところにあるのでしょうか?

お子様の誕生を機に、生まれ育ったつくば市に戻ってマイホームを建てたKさんにお話を伺いながら、「将来性」「交通の利便性」「教育・文化環境」「住環境」「コストパフォーマンス」5つの基準で、町の特徴を見ていきましょう。

つくば市ってどんな街?

茨城県南西部に位置し、豊かな自然と日本有数のサイエンスシティが同居する街

東京から50キロほどの距離にあるつくば市。北部には、名峰筑波山があり、水稲栽培が盛んに行われていることでも知られています。雄大な自然が広がり昔ながらの集落がある一方で、筑波大学をはじめとする教育機関や、「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」に代表される行政の研究機関が集まる「研究学園都市」の一面も。つくばエクスプレスの開業以降、沿線の街づくりも進んでいるため、多くの人が移住しているエリアです。

[街の声]

休日、家族で筑波山へ出かけるのが楽しみ。筑波山神社の近くに老舗温泉宿『筑波山江戸屋』があり、200円で風情のある足湯を楽しめます。古民家を改築した蕎麦屋『筑膳』で蕎麦と地元野菜の天ぷらをいただくのがお決まりのコースです。自然と触れ合えるスポットが多いだけでなく、つくばエキスポセンターで科学・技術を遊びながら体感できる展示を体験したり、『筑波宇宙センター』でロケット打ち上げ音響を体験したり、子ども連れで学びながら遊べるスポットも揃っています。(つくば在住・Kさん)

筑波山
筑波山山頂より
JAXA 筑波宇宙センター

【将来性】成長著しいつくばエクスプレス沿線。県有地が続々と住宅地へ

つくばエクスプレス沿線の中でも、飛躍的な成長を遂げたつくば市。つくば駅周辺には大型ショッピング施設が続々と誕生し、隣の研究学園駅前にはつくば市役所新庁舎が開庁。市内の各駅前は無電柱化区域に設定され、電線類が地中化された美しい街並みが広がっています。また、2017年には圏央道茨城県区間の全線開通を果たし、自動車のアクセスが飛躍的に向上。合わせて、つくば市が企業の物流拠点となることも期待されています。

街づくりが急速に進む中、県有地の販売も着々と進められ、企業の誘致や宅地分譲が行われています。5年後、10年後、さらなる発展が期待できるエリアです。

つくば市役所

【交通の利便性】つくばエクスプレスで秋葉原駅まで、通勤快速なら49分でアクセス

つくばエクスプレスの開通により、都内近郊の街へ気軽にアクセスできるようになり、利便性が向上。同線はJR常磐線・山手線・京浜東北線・総武線・武蔵野線や、東京メトロ千代田線・日比谷線・銀座線、都営大江戸線、東武野田線・伊勢崎線、関東鉄道常総線と、12もの路線と繋がっているため、首都圏の各所へ気軽に足を運べます。通勤にも、休日のお出かけにも重宝するでしょう。

とは言え、つくば市の魅力を余すところなく堪能するなら、自動車があった方が便利です。道路も駐車場も都内と比べてとても広く運転がしやすいため、今まで公共の交通機関しか利用してこなかった方も、運転デビューを視野に入れることをお薦めします。

[街の声]

都心までつくばエクスプレス1本でアクセスできるので、通勤しやすいです。また、子どもを乗せてドライブをすることが多いのですが、道路が広くて運転しやすいところも気に入っています。駐車場代も、都内とは比較にならないほど安くて有難いですね。(つくば在住・Kさん)

つくば駅前
つくばエクスプレス

【教育・文化環境】全国に先駆けて小中一貫教育をスタート。学力はトップクラス?

つくば市は「教育日本一」をスローガンに掲げ、2012年度に小中一貫教育制度を導入。環境、キャリア、歴史・文化、健康・安全、科学技術、国際理解、福祉、豊かな心について学ぶ独自のカリキュラム「つくばスタイル科」を設け、次世代型スキルを身につける試みも行われています。ICT(情報通信技術)を取り入れた教育にも積極的で、電子黒板やタブレットなどを導入して学習が行われています。

小学校に進学すれば先進的な教育環境がととのっていますが、保育園の入園には苦労するかもしれません。2017年4月1日時点のつくば市の待機児童数は131人。2018年は116人で、若干増加傾向です。新たに開園を予定している認定こども園もあり、今後は待機児童数の減少が期待されているものの、入園希望の方は早めの行動を心掛けましょう。

[街の声]

つくば市にある竹園高校は、県内でも有数の進学校。進学のために小学校入学時から学区内で暮らす人や、中古マンションを購入して通学期間だけ住む人も多いようです。また、国際バカロレアプライマリーイヤープログラムに認定されたインターナショナルスクールもあり、都内と比べて比較的学費が安いため人気。いずれも東京都内から進学目的で引っ越してくる家族もいるほど高評価です。(つくば在住・Kさん)

【住環境】大型商業施設もスーパーも充実。幹線道路沿いの店舗が人気!?

2004年、408号線沿いにショッピングモール『LALAガーデンつくば』が、2008年には研究学園駅近くに『イーアスつくば』。2013年にはつくば牛久インターチェンジのそばに『イオンモールつくば』がオープンしました。また、つくば駅近くには、フードコートが便利な『ヨークベニマルつくば竹園店』や『西友つくば竹園店』、『カスミフードスクエア学園店』といったスーパーがあり、日常の買い物には困らないでしょう。

一方、郊外に続々と店舗が出来た影響で、2017年に『西武筑波店』が、2018年に『イオンつくば駅前店』が閉店。これらが入るつくば駅前の大型商業施設『つくばクレオスクエア』の空洞化が進んでいるため、マイカーのない方は、今後の動向に注意が必要かもしれません。

[街の声]

都内のスーパーと比べて全体的に広く、品揃えが豊富。物価も安く、これだけでも「引っ越して良かった」と感じています。ビールや味噌などストックできる食材などは『コストコつくば倉庫店』で購入。友人が遊びに来る時に、お惣菜も準備するために行くこともあります。日常的な買い物は、つくばに本社がある『カスミ』を愛用。品揃えが豊富で、納豆だけでも30種類以上ありますよ! 妻はホームセンター『ジョイフル本田』へよく出かけています。洗剤やミネラルウォーター、庭の手入れに使うスコップや土、花などが一度に手に入り便利です。(つくば在住・Kさん)

イーアスつくば

大規模な公園が多く、遊具も豊富。体を動かしてのびのびと遊べる

つくば市で人気の公園と言えば、『洞峰公園』。洞峰沼の周囲には遊歩道が整備され、芝生広場やフィールドアスレチック、テニスコートや野球場、体育館、プールといった各種スポーツ施設も充実しており、休日は多くの地元民で賑わいます。オランダ・アムステルダムの駅舎を模したレンガ造りの建物が目を引く『さくら交通公園』には、蒸気機関車D-51や元祖高速バスのドリーム号が展示されています。自転車やゴーカートをレンタルして遊ぶこともできる人気スポットです。『科学万博記念公園』は桜の名所、秋は銀杏並木が美しい公園として有名。その他、つくばの街並みを一望できる『松見公園』など、自然を感じられるスポットには事欠かないでしょう。

[街の声]

『洞峰公園』は様々な施設があり、1日いても楽しめるスポットですが、駐車場が有料なところが残念なポイント。普段はつくばみらい市の公園へ行くことが多いです。中でもお気に入りは、つくばみらい市にある『福岡堰さくら公園』。小貝川沿いにあり、桜が満開になるととても綺麗です。ローラー滑り台など遊具もありますよ。(つくば在住・Kさん)

洞峰公園
福岡堰さくら公園の桜並木
万博記念公園

いざという時の総合病院から地元で評判のクリニックまで、充実の医療機関

重症患者のもとへ駆けつける「ドクターカー」を茨城県内で初めて導入した『筑波メディカルセンター病院』やそのすぐ近くにあり包括的連携協定を締結している『筑波大学附属病院』、人間ドックの利用者が多い『つくばトータルヘルスプラザ』や30近くの診療科を網羅する『筑波総合クリニック』を運営する『筑波記念病院』など、多数の総合病院があるため、いざという時にも安心です。みどりの駅前には医療ビル『みどりのメディカルモール』があり、気軽に診察できそうです。子育て世代が多く暮らすエリアのため、子ども向けのクリニックも充実しています。

[街の声]

小児科の掛かりつけは、万博記念公園駅近くの『つくばキッズクリニック』。ソファやクッションがテントウムシの形だったり、壁一面に本が飾られていたり、壁かけモニターにDVDが流れていたりと、子どもが飽きずに過ごせる工夫がいっぱいです。おもちゃが置いてある個室が9つあり、先生が個室に巡回する形式もユニークで気に入っています。朝のネット予約は競争が激しく、少し遅れると30人待ちになってしまうこともあるほど人気です。(つくば在住・Kさん)

「パンの街つくば」として注目を浴びるベーカリーなど、立ち寄りたい店がいっぱい

つくば市は研究都市とあって外国人居住者が多く、そうした方々に喜ばれる飲食店が数多くあります。そうした背景から美味しいパンの店が増えたと言われており、今では「パンの街つくば」との呼び名も。ドイツパンの専門店や愛犬を連れてテラスでイートインができる店、天然酵母パンの店、パンが食べ放題のランチが人気の店など、バラエティ豊富です。

その他にも、筑波山麓特産「福来(ふくれ)みかん」を使用した「福来らーめん」、つくねと黒野菜、バラ肉が入った筑波山名物「つくばうどん」や水戸市発祥の「スタミナラーメン」など、ご当地グルメが食べられるお店も。チェーン店だけでなく、つくばでしか食べられない味とたくさん出会えそうです。

[街の声]

いたるところにパン屋を紹介するチラシがあり、雑誌でも「パンの街つくば」として特集が組まれているため、よくパンを食べるようになりました。また、「つくばラーメンフェスタ」が開かれるなど、ラーメン激戦区としても知られています。我が家は全員、パンもラーメンも好きなので、美味しい店がたくさんあって嬉しいですね。(つくば在住・Kさん)

【コストパフォーマンス】コスパ重視なら万博記念公園・みどりのエリアがお得!?

茨城県内にある、つくばエクスプレス沿線の土地価格を比較すると、つくば駅の土地価格は、13万1,908円/平米(坪単価43万6,061円/坪)。5年前の12万6,105円/平米(坪単価41万6,876円/坪)と比べてもやや上昇しています。

研究学園の土地価格は、12万466円/平米(坪単価39万8,236円/坪)。5年前と比較すれば8万5,333円/平米(坪単価28万2,093円/坪)と約141%上昇ですが、実はその前の2013年の土地価格は、2万4,950円/平米(坪単価8万2,479円/坪)。約483%UPと価格が高騰しています。

万博記念公園の土地価格は、2万8,200円/平米(坪単価9万3,223円/坪)。5年前は3万600円/平米(坪単価10万1157円/坪)でやや下落傾向、つくばや研究公園と比べて6分の1程度で、お買い得感があります。

みどりのの土地価格は、3万4,120円/平米(坪単価11万2,793円/坪)。5年前の1万6,850円/平米(坪単価5万5,702円)と比べると約2倍まで上昇していますが、沿線内ではリーズナブルです。

※参照サイト:「土地価格相場が分かる土地代データ」2019年9月時点参照。価格データは2019年[令和元年]のもの

[街の声]

中心地のつくば駅周辺は土地価格が高額。前述した竹園高校の学区内は特に人気で、都内と変わらないほどです。隣の研究学園駅周辺も整備が進み、学者など富裕層の方々が暮らしています。なかなか手が出ませんね。万博記念公園、みどりの駅周辺は、最近整備され始めたエリアのためまだ安価で、お得感があります。(つくば在住・Kさん)

買い物環境も子育て環境もととのい、ゆったりと暮らせる。通勤にも便利な街

最後に、つくば市でマイホームを建てたKさんに街の魅力を聞いてみました。

[街の声]

つくばエクスプレス沿線で土地を探していた当初は、つくば市と隣のつくばみらい市、どちらで暮らすか迷っていました。つくばみらい市のここ数年の発展には目を見張るものがありますが、商業施設がみらい平駅前に集中していますので、電車ユーザー向けの街かもしれません。私は休日、自動車で出かけることが多いので、『イオンモールつくば』などのショッピングモールへ気軽に行けるつくば市が便利に感じています。
他にも、子どもをのびのびと育てることができる環境も気に入っていますし、つくば駅や守谷駅は始発駅のため、これらの駅から乗車すれば座って通勤できることも魅力です。これからもつくば市での暮らしを満喫していきたいです。

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※掲載の画像素材はPIXTAより

(最終更新日:2019.10.05)
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