消費税増税が目前に迫っている今「オンラインショッピングなら、まだ8%の消費税で購入できるはず」と考えている人が多いのではないでしょうか。実は、9月30日中に購入ボタンをクリックしても、必ずしも増税前の価格で購入できるとは限らないのです。消費税率8%で購入できるのか、10%になってしまうのか、見極めのポイントをご紹介します。
オンラインショッピングの課税は出荷日ベースが基本!
消費税を計上するタイミングは原則として、「商品を引き渡した瞬間」です。店頭であれば、会計と商品の引き渡しはほぼ同時であることが一般的ですが、オンラインショッピングの場合は注文・カード決済・発送・受け取りという段階を経て、商品が手元に届きます。この場合、商品を引き渡した瞬間を判断することが難しいため、「出荷日」を基準として消費税を適用します。9月30日の夜に滑り込みでオンラインショッピングを利用し、注文・決済を済ませても、即日に発送することができず、10%の消費税が適用されることになります。
ちなみに、出荷日をベースとするため、9月中に発送した代金引換の荷物を消費税増税後に受け取った場合、代引き手数料の消費税は8%となります。
9月30日は駆け込み需要による混乱が予想されるため、9月30日から10月1日にかけての期間、オンラインショップを一時停止とするサイトも出ています。お目当てのショップがある場合は、8%の消費税でいつまで買い物ができるのか、確認しておくことが大切です。
2014年に消費税率が5%から8%に引き上げとなった際は、アクセスが集中してサーバーが重くなったり、商品の配送が遅れたりするオンラインショップが相次ぎました。8%の消費税で買い物をしたければ、日にちに余裕をもって利用することをおすすめします。
大手オンラインショッピングサイトの対応は?
前述の通り、オンラインショッピング利用時の税率は原則、出荷日がベースとなって決まります。しかし、サイトごとに対応が異なるため、買い物前にチェックすることが大切です。主なオンラインショッピングサイトの対応を、下記にまとめました。
増税直前に購入し、発送が10月1日以降となる場合、本来は新税率が適用されますが、ショップにより、10月1日以降の発送となってもショップ側が差額の税金を負担し、注文時の価格で請求するケースや、増税後も据え置きとするケースもあります。加えて、増税を機に送料を全面的に見直すケースもありますので注意が必要です。
また、9月中に購入手続きを完了しても、発送日が2019年10月1日以降になる場合は増税分を後から請求されるケースがありますので「急いで買ったのに10%の消費税を請求されてしまった」ということのないよう、各社のホームページをしっかりと確認しましょう。
軽減税率制度の対象となる「飲食料品」の送料はどうなる?
今回の消費税増税にともない、多くの商品が10%の消費税率で課税されますが、「酒類や外食サービスを除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」に関しては軽減税率制度の対象となり、8%の消費税が継続されます。オンラインショッピングで飲食料品を購入する場合も8%が適用されますが、送料にかかる消費税は何%になるのでしょうか?
実は、飲食料品を送るためであっても、送料は軽減税率の対象外となり、10%の税率が適用されます。ただし、「送料込み」と謳われている飲食料品の場合は、送料も含めた価格が軽減税率の対象です。また、飲食料品を配送する際に有料のラッピングを頼んだ場合なども、ラッピング料金は標準税率の適用となります。
まとめ
消費税増税を目前として「今月中に買い物をしなければ!」と意気込んでいる人は少なくないでしょう。しかし、出荷日が10月となる場合は原則として、10%の消費税が適用されます。
また、「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」の対象店舗であれば、増税後に購入をした方がお得な可能性もあり、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなど大手オンラインショッピングサイトも参加を表明しています。いつ購入すべきなのか見極めるには、いつも以上にサイト内の注意書きを読み込むしかありません。面倒でもチェックを怠らず、オンラインショッピングを活用して下さい!
(最終更新日:2019.10.09)