2019年10月から実施される消費増税。軽減税率やキャッシュレス決済による還元施策など、家計に影響する点が細々と存在しているために、一般消費者にとっては行動・判断基準がさまざまとなっています。
マーケティングやリサーチの事業を行う(株)リサーチ・アンド・ディベロプメントによる調査によると、増税直前の考えだけでなく、増税後の行動をどのように考えているかについても男女の差が出ているようです。
増税前駆け込み購入、子育て世代主婦は準備しっかり
10月の消費税増税に備えて何かしら購入した/購入するとした人は60.3%と半数強。男性は53.6%と半数程度ですが、女性の67.0%の方が増税に備えての購入を考えている結果に。
同社によれば前回の増税時のまとめ買いや駆け込み購入ムードと比べると、やや少ない印象とのこと。
軽減税率制度などの増税後の消費落ち込みに対する対策が「慌てて買わなくても大丈夫」という安心感を与えていることに加え、5年前の増税の際に「意外に必要ないものも買ってしまった」などの経験があるからではないかと分析しています。
購入品目としては、20代では「服・靴・バッグなどのファッション関連」「スマホ・タブレット・PCなどのOA機器」など生活必需品以外のものが多く、小さな子供を持つ人が多い30代女性では「トイレタリー用品」「オムツやトイレットペーパーなどの衛生用品」など、生活必需品かつ消耗品が多くなっています。
必ず使うものは買いだめしておき、少しでも家計を助けようというのは主婦の心理として必然と言えるのではないかと、同社は読み解きます。
漠然とした不安のなか賢く「軽減税率」を利用しようとする女性
全体では、「同じようなものなら、なるべく価格の安いものを買うようになる」という回答が最も高く43.7%。 「不要不急の出費を抑えるようになる」「ぜいたく品を買う機会が減る」なども3割を超えています。
日々の暮らしを切り詰めるとの回答が多く、特に女性に節約ムードが表れている状況です。
増税前の対応と同様に、「同じようなものなら、なるべく価格の安いものを買うようになる」「外食を減らして中食(持ち帰り)を増やす」という項目を中心に女性の方が「変える、変わる」との想定をしています。また、「ポイント還元のある店でのキャッシュレス決済を増やす」という回答は、年代が上の層ほど多くなっています。
軽減税率制度やポイント還元策を上手く利用しようとする意識も見られ、こちらも女性の方がその傾向が強く表れています。
同社は今回の増税をきっかけに、クレジットカードなどでポイントを貯めることに馴染みの深い女性、特に50~60代女性にとっては、この機会がキャッシュレス決済を更に増やすのではないかと予想しています。
今回の調査を総合的に見て、R&D社は「女性は比較的、消費税増税後の生活に備えて研究、準備をしている人が多いようですが、男性はやや温度差を感じる」とまとめています。
軽減税率制度もキャッシュレス決済のポイント還元もわかりにくさはあるものの、家計への関与度の違いもあり、慌てて準備をしなくても、自分の生活に大きな影響はなさそうと、なんとなく感じているのはないでしょうか。増税後の情勢を見て、生活を調整していこうと思っている方も多くいらっしゃるのではないかと合わせて推測しています。
【調査概要】
■調査期間:2019年9月6日~8日
■調査対象:全国20~69歳 男女 ネットリサーチモニター
■調査方法: インターネット調査
ニュース参照元:PRTIMES
ニュース情報元:リサーチ・アンド・ディベロプメント