仕事と向き合う姿勢やモチベーションを高めるために養いたい「ビジネスマインド」。普段の業務の枠を超えて、視野を広げることでさらに新しい変化をもたらすはずです。
本記事では、株式投資を通じて学べることやビジネスマインドを高める投資のコツを紹介します。新しい視点から“仕事×自分”を意識したいビジネスパーソンのみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。
株での学びは豊富! 得られるメリットは金銭面だけじゃない
「株式投資=配当金が目的」「値動きに一喜一憂して大変そう」とイメージしている人も多いのではないでしょうか。確かに株を保有している以上、投資先の経営状況や株価の値動きを注意深くチェックし、“金銭的なプラス”を生み出す必要があります。
しかし、株式投資で得られるものは金銭面だけではありません。投資をする中で学んだことは、知見として自分自身に新しい変化を与えてくれるのです。では、株式投資で得られる学びには一体どのようなものがあるのでしょうか。
経営や財務の基礎知識
誰しも「倒産寸前の“あぶない”企業」への投資は避けたいもの…。安全性の高い投資先を選定するためにも企業の財務諸表を確認することは、株式投資に欠かせない作業です。文字だけ見ると難しく感じてしまいますが、簡単にいえば、財務諸表は人間ドックならぬ“会社ドック”のようなもの。その会社の健全性を数値として表しています。財務諸表は「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つに分かれています。それぞれの確認すべきポイントをチェックしてみましょう。
貸借対照表
バランスシートとも呼ばれる貸借対照表には、企業の資産と負債内容が記載されています。チェックすべきなのは、純資産が総資産のうち、いくらであるかを示した自己資本比率。「借入金が多すぎて自己資本比率が極端に低い」「借り入れした分が事業・収益の拡大に活用されていない」というケースは注意しましょう。
損益計算書
損益計算書には、総売上高から費用・損失・税金などが引かれた当期純利益が記載されています。「原価〇〇円のものに、△円の価値を付加して、□□円で販売したこと」がわかる売上高総利益をチェックすることで、企業の販売効率や経営効率が確認できます。
キャッシュフロー計算書
前述した貸借対照表や損益計算書では考察できない「一定期間内における現金や預金の流れ」が記されているのがキャッシュフロー計算書です。営業キャッシュフローや財務キャッシュフローを確認することで、企業の資金繰りの状態がイメージしやすくなります。
このほかにも、企業が効率的にお金を使用しているかどうかが分かる「総資本回転率」や、株主からのお金を効率的に使用したかを確認する「ROE(=自己資本利益率)」など、財務諸表をしっかり分析するためにはさまざまなチェックポイントがあります。財務諸表を通して会社の経営状況を判断する中で、経営や財務の基礎知識も身に付いていくのです。
財務諸表を確認する方法は?
最近ではインターネット上に公開している企業も多いですが、公開されていない場合にはご自身で情報開示請求(ディスクロージャー)を行いましょう。企業には投資家の判断のために経営状況に関する提供が義務付けられているので、開示請求をすると財務諸表を公開してもらえますよ。
日本・世界経済の動向をチェックする
1929年に起こった「ウォール街大暴落」を知っている人も多いはず。ウォール街大暴落はアメリカ合衆国のみならず世界全体に影響を与えた株価暴落のことで、のちに起こった世界大恐慌の引き金になったとの説もあります。
このように「国内外の経済動向」は株価が値動きする要因であり、各国の金利水準や為替の変動は経済全体にも大きな影響を及ぼします。株式投資は普段はあまり意識することのない世界経済の動向を探るきっかけにもなるのです。
各国の政治情勢を知る
あまり関係のないことのように思われがちですが、各国の政治情勢も株価変動の要因の一つ。不安定な政権下や現政権が弱体化している場合などは株価が下落、反対に周囲の政治への期待値が高い状態には株価が上昇する場合もあります。
株価変動が起こる要因になる政治情勢の例
・政権交代のための選挙が行われる(もしくは行われる可能性が高い)
・重要な国家予算案や法律案の選定
・汚職などによる支持率の低下
自分には関係のないことに思える各国の政治情勢も、株式投資を通して見ると一変。「この法案が可決されたら株価はどうなる?」「次の政権交代が近いから、株価にも影響があるかも」など、自らの視点にフォーカスして情勢を鑑みることができるのです。
株式投資のデメリット
前述したように株式投資からは学べることがたくさんあり、社会人として成長するために養いたい知見を吸収できるきっかけになります。しかし、当然ながら株式投資はメリットばかりではありません。「初期費用がかかること」や「リスク商品であるため、損失が出る可能性がある」など、さまざまなデメリットが考えられます。
株式投資における“リスク”とは?
株式投資は、運用期間中に元本割れの可能性がある「リスク商品」です。では、リスクはなぜ生じるのでしょうか。リスク発生要因となる“3つのリスク”について解説します。
・株価変動リスク
証券取引所で実施される株売買の中で、株価が変動するリスク
・信用リスク
投資先企業の経営状況悪化により、債務不履行等の不安要素が生じるリスク
・流動性リスク
株式売買が極端に減少することで取引が成立せず、結果的に希望するタイミングでの売買ができないリスク
投資を始める際は、デメリットがあることを十分理解した上で準備を進めましょう。ご自身の生活に影響が出る金額の投資や、必要知識を勉強しないままの“いきなり投資”は行わないでくださいね。
株を通してビジネスマインドを養う
これまで紹介したように、株式投資は投資先企業の財務状況のみでなく世界経済や政治情勢にまで目を向けられるもの。現在の状況をもとに最適な判断をする能力も身に付くので、ビジネスパーソンとして必要不可欠である「考察→戦略を練る→成果を出す」「優先順位を決めて、効率的に動く」という流れも繰り返し学べます。
株式投資をするときは、自分を成長させるためにも新しい視点を意識することが重要。仕事と向き合う心やビジネスマインドを養う好機を逃さないよう、“有意義な投資”を心掛けましょう。
(最終更新日:2019.10.05)