近畿圏の新築マンション発売戸数の減少は、価格高騰が大きく影響しているかもしれません。
不動産経済研究所が8月19日(月)に発表した、2019年7月度の近畿圏のマンション市場動向調査によると、近畿圏の新築マンション発売戸数は1,788戸。1年前と比べ18.1%増えています。
注目の地域開発に加え「割安感」が好調を後押しか
公認会計士で住宅事情に詳しい千日太郎さんによると、
「大阪の外国人旅行客の増加率は世界でもトップクラスとなっており、大阪駅北ヤードの開発にIRや万博誘致などの経済効果が見込まれ、従来住宅地として認知されていなかったエリアが注目されるようになっている。こうした地域要因に対し、金融面では長期金利が下がっていることから、価格が上がっても購入層にとってまだ『割安感』が感じられていることが要因と思われる」
と、価格面でも契約率でも好調となっている要因を分析しています。
大阪で大幅な伸びを記録
地域別でみると、神戸市部、兵庫県下以外の地域で軒並み増加しています。詳しい地域別では、特に大阪市部は970戸で前年同月比58.5%増。大阪府下は404戸で同59.7%増と大幅に伸びています。
このほか、神戸市部は34戸で同80.5%減。兵庫県下は204戸で同41.9%減、京都市部は74戸で同13.8%増。奈良県は12戸で同100%増、滋賀県は90戸で同69.8増%、京都府下、和歌山県での発売はありませんでした。
新規発売戸数に対する契約戸数は1,485戸で、月間契約率は83.1%。前月の73.3%に比べて9.8ポイントアップ、前年同月の74.0%に比べて9.1ポイントアップとなっています。
1戸当り平均価格は4,713万円、1平方メートル当りの単価は76.0万円。2019年6月は3,364万円、65.3万円だったので、前月比総額では1,349万円(40.1%)のアップ、1平方メートルあたりの単価は10.7万円(16.4%)アップしています。
即日完売は185戸(全体の10.3%)で、フラット35登録物件戸数は1,363戸(同76.2%)でした。
(最終更新日:2019.10.05)