例えば窓辺に花一輪や緑があるだけでその空間がぱっと華やぎ、癒しの空間となります。「フラワーアレンジは苦手」「常に高価なお花は買えない」そんな心配は無用です。スーパーや産地直売所で購入できる手ごろな花や、庭に咲く草花でも少しのアイデアと工夫で素敵なアレンジが完成します。手軽に挑戦できる花あしらいで、彩りのある暮らしをはじめてみませんか。今回は苗の販売からガーデニング、家庭菜園などの提案、寄せ植えや苔玉作り教室の講師まで多方面で活躍中の「フラワーガーデン花崎」の花崎かおりさんに、100円ショップなどで揃う材料を使ったアイデアを教えてもらいました。
100円ショップや空き瓶など身近なものを花器に
高価な花器がなくても、ジャム等の空き瓶などが立派に役立ちます。100円ショップ等で購入できる瓶や小さなグラス、食器などを使ってもOKです。ただし小さい子どもがいる場合は、転倒防止のために高さのあるものは避けた方が無難でしょう。1個だけでも良いのですが、何個かまとめて飾るとさらにこなれた印象になります。また初心者にもおすすめなのが、瓶の色や素材のテイストを揃える「グルーピング」というテクニック。これだけで一気にまとまりのある雰囲気を演出することができます。家にあるお皿やトレイなどに乗せることでさらに統一感を出せます。
頂き物の元気がなくなってきた花束は、きれいな花だけを残して小さな瓶に飾るとまたしばらくの間は楽しめます。高さのある瓶には長いグリーンを、低い瓶には大ぶりな花を入れるとバランスよく仕上がります。ただし1つの瓶に入れるのは1本だけにすること。小さな入れ物に何種類も入れるとまとまりのない印象になってしまうので気を付けましょう。
かごなど身近な雑貨も取り入れるアイデア
花を飾る器はガラスや陶器ばかりとは限りません。籠などの雑貨も使ってみると意外と面白い発見があるものです。例えば、素朴な雰囲気のある籐の籠と庭にあるグリーンや花をアレンジすると爽やかです。玄関や窓辺に飾るとニュアンスのある空間に。籠を使う場合には小さめのグラス等を中に入れて生けていきます。オアシスを利用しても良いのですが、グラスの方が水替えもしやすく初心者向きです。グラスの縁の高さが籠より低くなりすぎないように調整すると見た目が奇麗です。庭にある野草や木の枝などの素朴な素材を選ぶとナチュラルに出来上がります。ポイントは空間を生かして活けること。あまり作り込みすぎず、自然な動きを楽しんでください。
少しでも長持ちさせるためのお手入れは?
花器に入れる水は器の7~8割。葉が多い場合は多めに、ガーベラなど茎に水分が多いものは水に浸かった部分から茎が傷みやすいので少量にします。夏場は強い日差しは避け、涼しい場所に飾るようにしましょう。室内でもエアコンの風が直接当たらないようにすることも大切です。水替えは毎日行い、茎のぬめりを毎日洗うことで臭いの原因になるバクテリアの繁殖を防ぎます。この時に傷んでいる花や葉も取り除きます。さらに、茎の切り口を水の中で3~4センチ切り落とす「切り戻し」を毎日行うことで吸水力がアップし長持ちします。花器はできれば毎日洗剤で洗いましょう。器にバクテリアが残っていると水がにごり、ぬめりが出ます。中性洗剤を使用して洗えば殺菌効果も期待できます。
エアープランツなら室内でもOK
水やりをあまり必要としないエアープランツは室内向きです。ジャムなどの空き瓶に専用の土を入れてエアープランツをアレンジします。水やりは1週間に1回程度、霧吹きでOKです。夏ならビー玉などを入れると涼し気な演出ができます。瓶以外にも外国製のトマト缶やビスケットの缶などでも応用できます。いろいろな容器を探してみるのも楽しそうですね。
まとめ
生活の一部に花や緑があることで、毎日の暮らしに潤いが生まれます。庭に咲いた花や野草などの可憐な美しさを再発見し、花束やアレンジメントなどで頂いた花も最後まで楽しむこともできます。身近にある器とアイデアで花のある暮らしを楽しんでください。
<取材協力>
花崎かおり(はなさきかおり)
フラワーガーデン花崎にてガーデンデザインの提案をはじめ、ワンランク上の寄せ植え、多肉植物の寄せ植教室、クラフト教室などを店舗及びカルチャースクール等で開催。ヒーリングガーデン、苔テラリウムなどの講師も務めている。
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