「楽しみながら生活を豊かに」をコンセプトのウェブマガジン『REISM STYLE』から、海外に暮らすレポーターによる、現地の家事情やインテリアトレンド・日々のくらしをご紹介いたします。
イギリス人も憧れる「北欧」
日本では北欧家具やデザインが人気ですよね。イギリスでも北欧家具&デザインは人気で身近な存在です。というより、何よりIKEA(イギリスでは「アイケア」と発音します)がイギリスの一般人の生活に本当になじんでいるのです。
IKEAがイギリスに進出したのは1987年だそうですが、現在ロンドン周辺部だけでも7店舗もあります。引っ越しの度にIKEAに通い、そして家具を買い足そうと思ったらまずIKEAに行ってみる。そんな「IKEA詣で」を続けているの人は多いはずです。
IKEA以外にも北欧スタイルのカフェやレストラン、そして家具や雑貨をロンドンでよく見かけます。北欧を語るとき、皆「ちょっと憧れ」のまなざしを漂わせるのはイギリスも日本もほぼ同じです。
ロザーハイツには船着き場があります。昔、北欧諸国からの輸入品がこの場所で荷揚げされていたそうです。フィンランドとノルウェーの教会が同じストリートにあり、ここを拠点にロンドンにおける北欧コミュニティーが形成されました。教会がある同じストリートで、毎年3月と11月にスカンジナビアン・マーケット(蚤の市)が開催されています。
ストールは北欧の生活雑貨と美味しい食べ物が中心です。北欧は寒い国々だけに家の中を暖かく、楽しく過ごすためのインテリア雑貨もいろいろありました。
こちらはビンテージのキッチン雑貨の店。キャサリンホルムのロータス柄のケトルやマリメッコのガラス食器を中心に販売していました。
ランチ時だったこともあり、食べ物系の屋台には長蛇の列が!
この日の私の戦利品は、↓こちらの雑貨屋さんの…
↓こちらのケーキ型(?)にごちゃっと盛られていた中から探し出した…
ムーミン一家の皆様!です。
実はよく見ると、ムーミン本人がいないのです。半端なフィギュアたちなので安く販売されていたのだと思います。まとめて何個も買ったので、少しおまけしてくれました。こういうちょっとしたやりとりが、マーケットの楽しみです。
マーケットと同じ通りにあるフィンランド教会では「フィンランド・フェスティバル」と称してこちらでも屋内マーケットが開催されていたので入ってみました。
お菓子やパン、調味料や瓶詰、粉類等、フィンランドの食品が量もタップリ、かなりの種類が並んでいました。フィンランド語が飛び交い、懐かしそうにお菓子を物色する人が多かったのが印象的です。子供の頃に食べたものは、どこに行っても懐かしいんですね。
パッケージも味わい深いものが多くて、見ているだけで楽しくなりました。
同じ欧州諸国でも、イタリアやスペインなどのラテン系国出身者、そしてポーランドなどの東欧出身者の人たちにはよく出会いますが、ロンドンに住む北欧人は絶対数が少ないのでしょうか、北欧系のお店以外ではあまり北欧人に会うことがありません。でも今回、特にこの教会の屋内マーケットの様子から、ロンドンで生きる北欧人たちの生活を少し垣間見ることができました。
大好きな北欧インテリア店「スカンジウム」
北欧家具やインテリア雑貨はロンドンにたくさんあるデパートやインテリアショップ等、さまざまなショップで販売されています。「スカンジウム」は、北欧製のものをメインに集めており、北欧デザイン好きにはたまらないお店です。
1階部分は食器やキャンドルスタンド、ムーミン・グッズ等の雑貨や小物、地下1階は椅子、照明器具、クッション、ガーデン用家具等を中心にレイアウトされています。
北欧系のお店に来ると、よく「インテリアに黄色っていいな」と思うことがあります。日照時間が少ない時期もあるだけに、インテリアに明るさ、暖かさを求めているのでしょうか。白木や白の家具に黄色はよく映えます。今回もクッションコーナーの黄色が目に留まりました。
ガラスやセラミックのコーナーは、「いつか我が家にいらっしゃい~」という思いを込めてひと巡り。
店内のちょっとしたコーナーのアレンジを見るのもこのお店を訪れる楽しみです。「真似したい」「こんなコーナーがあったらいいな」と思う工夫を必ず発見できます。
そして実はワタクシの最大の楽しみは子供部屋コーナー。可愛いおもちゃや小物を発見できることが多いからです。
そして今回はこんなものを見つけてしまいました! エコ建築のドールハウス、その名も「グリーンドールハウス」!
ワタクシ、子供のころからドールハウスやらミニチュア系に目がないのです。大人になってかな~り久しいのですが、いまだにこの手のモノから目が離せません。
お値段は219.99ポンド。現在の円高レートでも3万3,000円ぐらいします。お子様のおもちゃとしては高額すぎますね。通常はアンティークのドールハウスに心奪われていますが、北欧風エコハウスなんて斬新! いいな~と思って調べると、実はタイ製でした(笑)。まったく北欧ではないですが、テイストを合わせてうまく取り揃えているのも見事です。
余談ですが、こちらはいつも見ているオランダの木工家具のブランドのインスタ。子供用キッチンセットにウットリしている変な大人(←私)です。いつか広い家を住み替えることができたら、ドールハウスやらミニチュアやらのコーナーを作りたいなあとぼんやり夢見ております。
…と大の大人が子供部屋で妄想しながらはしゃいでいるわけなのですが、本物のお子様たちがまったく興味なさげで(↓)、ちょっと笑ってしまいました。
いろいろヒントをもらい、大満足してお店を後にしました。
【今回紹介したお店】
Skandium(スカンジウム)
https://www.skandium.com/
宮田華子
ロンドン在住ライター。メディア製作会社に勤務後、2011年からフリーランスのライターに。デザイン、アート、建築、クラフト等を得意とし、文化&社会問題について日本の媒体に執筆。編集ユニット「matka」として、ウェブマガジンも運営している。2015年にロンドンで小さなフラット(マンション)を購入。日本とは異なる一筋縄でいかない「イギリス・家事情」に翻弄される日々を送っている。
ウェブ:http://matka-cr.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/hanako_london_matka/
※「北欧の国」と言われている国のすべてがEU加盟国ではありません。北欧理事会に加盟している5か国3地域の内、EU加盟国はスウェーデン、デンマーク、フィンランド。ノルウェーとアイスランドは加盟していません。
(この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleからの転載です)
(最終更新日:2019.10.05)