せっかく片付けたのにすぐ散らかってしまうというお悩みを持つ方、特に子育て世代は育児の時間も必要なため、掃除や片付けが大きな負担になっている場合も多いでしょう。しかし正しい収納方法を知ることで家事にかかる時間や手間が軽減され、片づけやすく、スッキリ住まうことが可能になります。整理収納のプロとして情報紙などに連載を持つ岸上奈美さんに、彼女の師である整理収納の第一人者で、収納カウンセラーの飯田久恵さん考案の「収納指数(R)」に基づいた片付けの法則について教えていただきました。
※「収納指数(R)」は、収納カウンセラー飯田久恵さんが主宰するゆとり工房の商標登録
“収納指数(R)”を知ると、収納の正解が見える
飯田久恵さん考案の“収納指数(R)”とはモノの出し入れに必要な“歩数”と“アクション数”(動作数)を足した数値のこと。これにより片付けを「面倒」と感じるか「ラク」と感じるかを表すことができます。
「収納指数(R)=歩数+アクション数」
例えば、イラストのようにリビングで掃除機を使う場合、2階にある物入れに掃除機を収納している場合、2階まで上がり、扉を開け、物入れの中に入っている物を取り除いてから掃除機を出すので、「歩数40 アクション数14」収納指数54になります。
1階の物入れにある場合は、物入れまでの歩数と扉の開閉で「歩数8 アクション数2」収納指数10になり、置き場所で収納指数(R)に大きな差が出ているのがわかります。
リビングに掃除機を収納するスペースがあれば、さらに収納指数(R)が少なくなるので、気軽にサッとお掃除ができます。
子どもが小さなうちはリビングに子供のモノの指定席を
子どもが小さなうちはリビングで過ごすことが多いものです。リビングの一角におもちゃや本、衣類をまとめて収納できる棚があると収納指数(R)が少なくなりとても便利です。子どもが少し大きくなると、勉強道具も収納できます。
収納指数(R)を低くすることで、子どもも「片付けてみようかな」という気持ちにもなりますし、自分で片づけるという習慣も身に付きます。
散らかりがちなリビングにモノを散乱させない工夫
帰宅した家族のコートやジャケット、バッグなどがリビングに置きっぱなしのままだと散らかるばかりか、後から片付けなくてはならず大変面倒です。「脱ぎっぱなし」になることを避けるために、家に帰るとすぐに目につく場所にハンガーラックを置き、リビングに入る動線上でコートやジャケットなどを収納できるようにします。
リビングにスペースがなければ玄関ホールなどでもOK。玄関付近の壁やドアにフックを取り付けるだけでも省スペースで収納できるでしょう。これから家を建てる場合は、設計の段階からコートや上着用の収納スペースを設けておくと重宝します。
取り込んだ洗濯物の山は分別で解消
洗濯物を取り込み、とりあえずリビングのソファに。その場ですぐに畳む時間がなく、山積みになった洗濯物を横目に慌ただしく夕食作りをするという方も多いはず。そんな方におすすめの収納方法を紹介します。
まず家族の人数分のカゴを用意し、洗濯物を取り込む時に家族それぞれのカゴに分けていきます。
カゴは使わないときにコンパクトに収納でき、重ねられるタイプのものを選びましょう。写真のような大きめのカゴにすると衣類にシワが付きにくいです。食事が終わったら、それぞれのかごから一旦出し、畳んでかごに戻します。家族で畳むのもオススメです。各部屋に運ぶときは、カゴを重ねておけば何度も行き来せずにすみます。
いっしょに取り組むことで、子どもがある程度の年齢になったら、自分で部屋に持っていき畳んで片付けられるようになるでしょう。
自分のモノは自分で片付けられる習慣が身につくことでワンオペ家事も軽減できるでしょう。
取材協力/岸上奈美 (きしがみなみ)さん
収納カウンセラー 1級。整理収納の第一人者・収納カウンセラー・飯田久恵さんから直接、リバウンドがない「飯田久恵式収納理論」を学び2012年に中四国初の「収納カウンセラー」として資格を取得。「収納カウンセリング」では、見た目が一時的にキレイになるようなその場限りの収納術ではなく、収納でお悩みの方一人一人のライフスタイルや収納の悩み、住まいの状況や持ち物など収納に関する要素を総合的に考え、一人ひとりに合った収納コンサルティングを行う。個人・法人向け収納コンサルティング、収納セミナー、生活情報誌・法人HPブログで連載中。
S-Life(エスライフ) www.s-lifestyle.net
(最終更新日:2019.10.23)