衣類や小物の収納に便利なクローゼット。ウォークインクローゼットや部屋に造り付けのタイプ、市販のワードローブまでさまざまなバリエーションがあります。そしてクローゼットがあるのにも関わらず衣類が散らかる、片づけられない、というお悩みもよく耳にします。そこで今回は整理収納の第一人者である収納カウンセラーの飯田久恵さんに師事し、自らも情報紙等に連載を持つ岸上奈美先生にクローゼット収納の極意について教えていただきます。
選びやすく取り出しやすいクローゼット収納術
衣類は散らかりやすい物のワースト1でもあり、だからこそ収納しやすくて取り出しやすいシンプルな収納法が必要となります。もしクローゼットがあるものの衣類が散らかる、使いづらいと感じているなら収納の方法を見直してみましょう。
1.ワンアクション収納を徹底
衣類の収納は一目で見渡せ、コーディネートがしやすいことが大切です。そのためにもクローゼットの中の洋服は、写真のようにハンガーパイプにつるす、畳んで棚に置くなど、扉を開ければすぐに見えるワンアクションで取り出せる工夫が必要です。
2.“クローゼットの中に引き出し”は面倒
引き出し収納をクローゼットの中に備えると収納力が増え、小分けもできそうですが、実はこれが意外な落とし穴になっていることも。引き出し収納をクローゼットに入れると、「クローゼットの扉を開ける」「引き出しを引く」という2アクションになってしまいます。入れるなら扉のないオープン棚にして、畳んだ衣類やバッグを収めるのがおすすめです。
3.扉の裏スペースに注意
クローゼットの折戸は意外と幅があるため、扉を折り畳んだ後ろ側のスペースに収納してあるものは出し入れしづらいことも。ここには礼服など使用頻度の低い服をハンガーにかけてつるし、下のスペースには、使用頻度の低いバッグなどを収納しましょう。
4.ぎゅうぎゅう詰めになるのを避けるには
上質なハンガーをハンガーパイプに掛かる最大限の数だけ用意します。クリーニング店のハンガーを使うといつの間にか数が増えしまい、気か付くと衣類がぎゅうぎゅう詰めになって取り出すのに一苦労ということにも。用意したハンガーが足りなくなったら服が増えてきたサイン。あまり着ていない服がないかチェックし、不要なものは処分する習慣をつけましょう。
5.奥のスペースは衣類以外を収納
深い奥行きがあるクローゼットの場合、奥のスペースにもハンガーパイプをつけて有効活用しようと思いがちですが、これも注意が必要。取り出しにくい場所に収納した衣類は結局使う頻度も少なくなり、存在そのものを忘れてしまうことも。奥のスペースには季節の家電など衣類以外のものを収納するようにしましょう。
散らかりがちな男性の衣類
男性におすすめのクローゼット収納のポイントは身支度が一か所で完結するようにすること。これなら朝の慌ただしい時間も室内を歩き回らず素早く着替えることができます。帰宅後にスーツのポケットに入っているスマホや名刺、財布や鍵などをひとまとめに入れておける“指定席”としてカゴやトレーなどをクローゼットの中に用意しておくのも一案です。
また、自立しないビジネスバッグやパソコン用バッグは、U型の自立型ブックスタンドを活用することで、バッグが倒れることなく収納できます。
収納しやすく取り出しやすいクローゼットを心がけて
出し入れしやすく、一目でどんな洋服があるのか見渡せると毎日のコーディネートにかかる時間もぐっと短くなります。また持っている洋服が常に把握できていれば「同じような洋服を買ってしまった」という失敗も防ぐことができるほか、洋服を購入する際も「あのジャケットに合いそう」とコーディネートも浮かびやすくなります。クローゼットの収納方法を見直してスッキリしたお部屋とワードローブのスマート化を目指しましょう。
<取材協力> 岸上奈美 (きしがみなみ)
収納カウンセラー1級 整理収納の第一人者といわれる収納カウンセラー飯田久恵氏から直接、リバウンドがない「飯田久恵式収納理論」を学び2012年に中四国初の「収納カウンセラー」として資格を取得。
『収納カウンセリング』では、見た目が一時的にキレイになるようなその場限りの収納術ではなく、収納でお悩みの方一人ひとりのライフスタイルや収納の悩み、住まいの状況や持ち物など収納に関する要素を総合的に考えそれぞれに合った収納コンサルティングを行う。個人・法人向け収納コンサルティング、収納セミナー、生活情報誌・法人HPブログにて連載中。
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