【なぜ?】クレジットカードに有効期限が設定されている本当の理由

大きな買い物をするときや、インターネットショッピング時に活躍するクレジットカード。近年のキャッシュレス推進により、使用頻度が高くなった方も多いのではないでしょうか。

クレジットカードには必ず有効期限が設定されており、オンライン決済時には入力を求められます。本記事では、クレジットカードの有効期限について詳しく解説。有効期限が設定されている理由から、期限が近づいたときの注意点までご紹介します。

クレジットカードの有効期限

クレジットカードの有効期限とは?

クレジットカードの有効期限は、カードが利用できる期限のこと。登録している引き落とし用の口座にお金が入っている場合でも、有効期限が切れたカードでは決済できません。クレジットカードの有効期限は、発行元・カード種別・名義人の情報によって異なり、期限がくると再審査をして新しいクレジットカードカードの発行可否が決められます。

有効期限の確認方法

クレジットカードの有効期限は、「00/00」といったように4桁の数字でカードの表面に記載されています。記載方法は国際規格で決められており、左側の数字が年、右側の数字が月です。年は、元号ではなく西暦表示なので注意しましょう。

(例)
・04/21→2021年4月まで有効
・10/23→2023年10月まで有効

有効期限が設けられている理由

「有効期限がない方が、ずっと同じカードを利用できて便利なのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。実は、有効期限はクレジットカードを安全に利用するために必要な要素なのです。

定期的な再発行によるカードの老朽化回避

クレジットカードの多くは凹凸加工がしやすく、水にも強い硬素塩化ビニールという素材から作られています。硬素塩化ビニールはプラスチックの一種であるため、長期間の利用による老朽化は避けられません。有効期限を定めているのには、ICチップ破損や磁気不良などのカード老朽化による決済トラブルを防ぐ理由があるのです。

不正使用を防止するため

インターネットショッピングの場合、クレジットカード本体がなくても決済を実行できます。入力するだけで決済できる便利なシステムですが、どうしてもセキュリティ面に不安も……。カード番号とあわせて有効期限やセキュリティ番号を入力することで、万が一カード番号を知られてしまった場合の不正使用防止に繋がります。有効期限はカードの安全性を高める重要な情報なのです。

再審査のため

クレジットカードの有効期限は、カード名義人の信用力を改めて審査する際にも役立ちます。クレジットカードは法律で規定された流れに沿って、定期的にカードの再審査を行っています。再審査はカード発行元のリスク管理のためだけではありません。更新によってカードのグレードが上がったり、取引可能金額が増加したりと名義人がより快適にクレジットカードを利用するためにも必要なことなのです。

有効期限が近づいた場合の対応

カードの有効期限が近付いた際、「有効期限が切れると使えないの?」「更新方法が分からない」と慌ててしまうことも。続いて、有効期限が近付いた場合の対応を3ステップでご紹介します。

ステップ1.カードの更新手続き規定を確認

クレジットカードの有効期限が近付いたとき、最初に確認するのは所有するカードの更新手続き規定。「更新手続き不要の自動更新」「更新手続き・書面送付が必要」のどちらのパターンであるかを確認しましょう。多くのクレジットカードは自動更新なので、名義人が手続きすることはあまりありません。有効期限が切れる前に再審査と新しいカードが郵送されるようになっています。

ステップ2.自動更新でない場合は自ら申し込み・手続き

所有するカードが自動更新でない場合は、カード発行元の規定に沿って手続きを行いましょう。手続きの際は、年収・住宅ローン有無・預貯金状況・借入状況など最新のデータを記入してくださいね。

ステップ3.カード発行後はサインを忘れずに

無事更新手続きが終了して新しいカードが届いたら、裏面にある署名欄にサインするのをお忘れなく! サインのないカードでは決済できないので注意してください。古いカードは、自分で処分してかまいません。

Q.クレジットカードの正しい処分方法は?

A.「有効期限が切れたカードだから、そのまま捨てても大丈夫!」と思っている方は要注意。クレジットカードには重要な情報がたくさん保存されているため、有効期限の切れたカードを不正に利用される可能性も十分考えられます。新しいカードが届いた際は、以下のポイントに注意したうえで古いカードを廃棄してくださいね。

クレジットカードを細かく切断する

クレジットカードを細かく切断して、個人情報の特定を防ぎましょう。名前・カード番号・有効期限・セキュリティコード・有効期限・サイン欄・磁気ストライプ・ICチップなどにしっかりハサミを入れて、第三者が修復できない状態まで切り刻むと安心です。

切断したカードはバラバラに捨てる

切り刻んだカードを繋げて修復されないように、複数回に分けて処分してください。クレジットカードの廃棄方法は住んでいる地域によって異なるため、自治体発行のゴミ分別ポスターなどで確認しましょう。

新しいカードが届かない理由

有効期限が過ぎたのに新しいカードが届かない場合、いくつか原因が挙げられます。カード発行元に問い合わせる前に、思い当たる原因がないかを考えてみましょう。

再審査を通過しなかった

度重なる支払い遅延や他社カード会社などからの借入など、カード名義人の信用情報に問題が生じた場合は更新されないことも。「credit(クレジット)=信用」という意味があるように、信用情報の照会はカード発行に大きな影響を及ぼします。また、信用情報は複数のカード会社が共有できるもの。例えば、「Aカードはきちんと支払っているが、Bカードの支払いは滞納している」というケースでは、Bカードのみでなく、Aカードの審査も通過できない可能性があるのです。

転居などにより郵送ができなかった

郵便局で「転送手続き」を行うと、転居をしても一定期間は新しい住所に郵便物を転送してもらえます。しかし、クレジットカードは転送不要の簡易書留での送付が一般的。登録住所に名義人が住んでいない場合、新しいカードは発行元に返送されてしまいます。返送によるカード未着を防ぐためにも、転居の際は都度住所変更の手続きを行いましょう。

カード会社都合による発行停止

期間限定で発行されたクレジットカードなどに多いのが、取り扱い終了による発行停止。この場合は、クレジットカード会社から「該当カードの取り扱い終了のお知らせ」や「類似カード送付の案内」が事前にアナウンスされます。

カードの利用、決済がない

年会費無料のクレジットカードの場合、カード利用が一切ないユーザーは更新されないケースもしばしば。「使用頻度は少ないけど、クレジットカードを1枚しか作っていない」「海外旅行時など、数年に1度は使用する」などの場合は、解約にならないようカード利用の機会を作ることをおすすめします。

有効期限が過ぎた場合の注意事項

定期的に決済を行う携帯電話料金や公共料金の支払いの場合、カード発行元と加盟店との間で自動的に新しいカードに情報を更新してもらえます。しかし、インターネットショッピングサイトでの登録などは自動更新の対象外。自分自身で新しいカード情報を登録しなければなりません。

有効期限が過ぎた場合は、決済トラブルを避けるためにも更新時に自動引き落としやインターネットショッピングのクレジットカード登録を見直しましょう。

まとめ

数年に1度のペースで訪れる、クレジットカードの有効期限。カード情報の再登録など、ユーザーにとってはほんの少し面倒に感じる部分もあるかもしれません。しかし、クレジットカードの有効期限は、カード発行元のリスク管理やユーザーの利便性向上のために必要なもの。安心して利用するためにも有効期限をしっかりと把握して、必要な手続きを行いましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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