リビングと続く隣の部屋が和室になっている間取り、いいですよね。リビングに加えてもう一部屋があるわけですから、それだけで広々と見えるし、ごろりと横になるのに和室は最適。せっかくの素敵な間取りですから、使いやすさとともに、見た目も満足させたい。でも、和室とリビングとのインテリアのバランスはどうしたらいいんだろう? と迷う方もいらっしゃるかもしれません。今回は、そんな悩みを解消する「和室に合うカーテン」の選び方をご紹介します。
和室でも洋室でも、インテリアを考えるうえで大切なのは、部屋全体の雰囲気をどう捉えるかということ。目指したい部屋のテイストが決まっていれば、カーテンはその雰囲気に合うものを選ぶことになります。カジュアルな家具に、クラシックで重厚な雰囲気のカーテンを合わせるのは「何か違うな」って思いますよね。和室の場合は、家具ではなく、柱や畳などを含めた、より広い範囲の空間に合うかどうかが焦点になります。
では、和室にフィットしやすいカーテンは、どんなものでしょうか。具体的なカーテンの種類をご紹介しましょう。
和室に合うカーテンとは
伝統的には、和室の開口部(窓)に使われるのは障子です。でも、手入れのしやすそうなカーテンにしたい、障子だけだと明るすぎるからカーテンを併用したい、という要望もしばしば。そのときは、障子の特徴を含んだカーテンを選ぶのがおすすめです。障子の特徴は、平面でスッキリしていること。また、空間としての和室も、モノは少な目だし、基本的にスッキリしているイメージがありますよね。だから、たっぷりとヒダのあるカーテンよりは、シンプルなもののほうが合わせやすい。洋室のカーテン選びとは異なるのです。以下に挙げるカーテンは、いずれもスッキリとしたスタイルで、和室に導入するのにおすすめです。
・ヒダの少ないフラットカーテン
カーテンには、美しいドレープを作り出すための「ヒダ」があります。カーテンの上部から床に向かって、まっすぐ伸びる陰影は、窓辺に奥行きのある高級感を生み出します。3つ山ヒダは窓の幅に対して2~2.5倍の生地を使うので、とてもゴージャス。しかし、和室に過剰な装飾は不要です。洋室ではカジュアルと受け取られる、ヒダを設けないフラットカーテンほうが、軽やかな印象でスッキリと見えるため和室によく合います。
しかしヒダを設けないとはいえ、ゆるやかに布が波打つ状態にはなりますし、布幅とカーテンレールの幅が全く同じ場合は。カーテンを開けたときにまとまりにくい場合があるのでご注意ください。一般的にフラットカーテンは、カーテンレールに対して、1.0倍~1.7倍程度の余裕を持たせて作ります。布地の柄を生かして1枚の絵画のように見せるなら倍率は少な目、ゆるやかでシンプルなウェーブを描きたいなら大きめの倍率を選びます。
フラットカーテンには、一般的なカーテンレールを使うタイプと、カーテン上部に、ハトメやリング、タブを設けてポールを通すタイプがあります。好みに合わせてオーダーするのがおすすめなので、お近くのホームセンターやインテリアショップでオーダーできないか問い合わせてみましょう。
・完全フラットな面が作れるパネルカーテン
パネルカーテンは、レールからパネル状の布などを吊り下げる、枠のない障子のようなカーテンです。魅力は、何よりもスッキリとした窓回りが作れること。さりげなく空間に馴染むので、洋風のリビングとのバランスも良いでしょう。カーテンを開ける際は、障子のように片側に寄せることになるので、カーテン1枚分、窓の横に寄せられる空間があるとより良いかもしれません。
カーテンの素材は、布以外にも大柄のレースだったり、オーガンジーのような薄手の生地に模様を載せたような素材が使われたりすることもあります。薄手のカーテンは光が差し込んだときに床に模様が描かれるのも素敵で、明るい和室を作りたい場合に向いています。シンプルな文様が続くデザインを選ぶと、和の雰囲気がありながらも、決して古臭くないイメージが作れるのが素敵です。場合によっては、インテリアショップよりもネットで探したほうが良いものが見つかるかもしれません。「パネルカーテン」で検索してみてください。
・雪見障子の良さを取り入れられるプリーツスクリーン
障子戸には、下半分を上にスライドできるようにした「雪見障子」というものがあります。下半分にはガラスが組み込まれており、障子を上げた際に、座敷に座ったままで雪が降る様子を眺められる、という風流な構造です。これをカーテンで実現したのがプリーツスクリーン。布を細かく折りたたんで上げ下げできるようになっており、雪見障子のように、好きな場所で空き具合を止められます。障子のようなくっきりしたグリッドがなく、パネルカーテンほどではないものの、スッキリとした面を作り出せます。琉球畳という、縁(へり)のない畳との組み合わせは非常にモダンな雰囲気になり、近年人気が高まっています。リビングも続き間の和室もプリーツスクリーンにして、より統一感を高める事例も多く見られます。
さらに、シースルー生地と光を通しにくい生地を上下に配置したツインスタイルや、上部からも生地を下げられ、青空が見えるようにできるタイプもありますので、光の入り具合を計算しながら決めると良いですね。
・意外に似合う!ウッドブラインド/バーチカルブラインド
さて、カーテンではないのですが、和室の開口部を彩るアイテムとして選択肢のひとつに加えていただきたいのは、ウッドブラインドやバーチカルブラインドです。
ウッドブラインドは洋室で使うもの、という印象があるかもしれませんが、和室では夏場にすだれを掛けることもあるので、意外にマッチします。ブラインドの羽根(スラット)が薄い木材で作られていて、羽根の角度を変えることで光のコントロールが簡単という利点もあります。柱の色に近いウッドブラインドを選べば統一感が出ますし、濃い色を選べば引き締まった印象になるので、どちらもおすすめ。欠点はスラットにホコリがたまることですが、フワフワしたホコリ取りでときどき汚れを払ってあげると良いでしょう。
バーチカルブラインドは、ブラインドのスラットを垂直に配置したもので、カーテンのように開閉ができ、オフィスでよく使われます。家庭用のバーチカルブラインドには、光が透過しやすい(破れない障子紙のような)素材が使われることが多く、光あふれ広がりのあるインテリアを作りたいときに有効です。スッキリ見せながら、明るさも確保したい、というときにはぜひご検討ください。
和室に合うカーテンのポイントは、面を作れるタイプを選ぶことが肝要です。和室に合う種類が分かったところで、自宅のインテリアに合うスタイルを見極め、素敵な空間を作ってみてくださいね。
(最終更新日:2019.10.05)