宅配便を受け取る手段として多くのマンションで採用されている宅配ボックス。近年は戸建てでも後付けで設置できるようメーカーが専用の宅配ボックスを販売しています。注目が集まっている宅配ボックスですが、設置のメリットは利便性だけではないようです。今回、パナソニック株式会社ライフソリューションズ社が独自に調査した結果ではストレスという「精神的」な負担も軽減していることが判明したのだとか。どのような調査結果だったのかプレスリリースを一部抜粋して紹介します。
在宅時の荷物の受け取りにも宅配ボックス効果
パナソニック株式会社ライフソリューションズ社は、東京都世田谷区在住の子育て世帯を対象にした宅配ボックスの実証実験「子育て家族の受け取りストレスを減らせ!プロジェクト」を2018年12月3日より実施。実証実験では、東京都世田谷区の戸建て住宅に住む子育て世帯50世帯に宅配ボックスを設置し、再配達の削減効果に加え、荷物の受け取りに関するストレスの変化を調査しました。
その結果、不在時に限らず、在宅時の荷物の受け取りにおいても宅配ボックスによってストレスが軽減できることが分かったそうです。
荷物の受け取りにおけるストレスは「軽減された」が100%
「宅配ボックスにより、荷物の受け取りに関するストレスは軽減されたか」という質問では、軽減されたという回答が100%となりました。
さらに、「子供の寝かしつけをしている時に無理に出なくてもよくなった」などの要因から、在宅時の荷物の受け取りについてもストレスが軽減されたという回答が72%になりました。一方で、在宅時の忙しい時でも玄関に出て荷物を受け取った理由は「荷物が大きくて入らなかったから」や「インターホンが鳴ると本能的に出る」といった意見が挙げられました。
非対面での受け取り率が30%、再配達率は34%から14%に減少
事前調査では「荷物を受け取るために土日に外出できないときがある」「在宅でも、家事や育児で玄関に出れない時がある」などの意見が挙がっていたため、今回の調査では宅配ボックスを利用し、運送業者と対面せずに荷物を受け取った割合を調査しました。
その結果、宅配ボックス設置後は在宅・不在時に関わらず、30%の荷物が宅配ボックスによって運送業者と非対面で受け取られました。また、再配達率については、宅配ボックスの設置前が34%であったのに対して、設置後が14%に削減されました。
荷物の受け取り方は「受け取れれば手渡しでなくても良い」が95%
実証実験の結果を踏まえ、荷物の受け取り方法に関する追加調査を実証実験のモニターと、ネット上での不特定の方へのアンケートで実施しました。その結果、実証実験のモニターへのアンケートでは「受け取れれば手渡しでなくても良い」という回答が95%となり、「直接手渡しで受け取りたい」という回答は5%に留まりました。ネット調査と比較すると、子育て世帯がより非対面での荷物の受け取りを望んでいる傾向にあることが分かりました。
共働き・核家族が当たり前の時代だからこそ
プレスリリース内では参加モニターの声も紹介されています。
ベッドルームにいる時や、風呂上がり、料理中に手を止めなくてよくなったためボックスに入れてもらえる安心感は大きいです。
今までは土日の外出が「不在荷物の受け取り」によって制限されてしまい、家族4人での外出をあきらめ、父か母が留守番という事がよくあったが、ボックスを設置してからは、そのストレスから解放され、ネットでの買い物も躊躇なくできるようになりました。家族の時間も増えました。
平日は共働き、親世代とは離れて暮らす核家族が当たり前の現代社会において、宅配がライフスタイルの中で欠かせない手段になっている事を改めて感じます。郵便ポストと同様、一家に一台宅配ボックスという時代が進んでいくのかもしれません。
情報参照:パナソニック株式会社プレスリリース 荷物の受け取りに関するストレスを宅配ボックスが軽減(2019年6月24日)
(最終更新日:2019.10.05)