マンションの購入を検討する際に、数多くの部屋の中からどの部屋を選べばよいのか迷う人は多いと思います。
住み心地については、階数によってどのように異なるのか疑問に思ったことがある人もいるのではないでしょうか。上層階は眺望が良く安全性も高いと考える人や、低層階のほうがいざというとき避難しやすいと思う人もいるでしょう。
そこで今回は、4階部分の住み心地について、さまざまな角度から解説していきます。
階層別の住み心地は?
マンションの住み心地について、まずは全体を1階および低層階、中層階、上層階の3つに分けて考えてみましょう。同じ4階でも10階建てマンションでは中層階になり、高層マンションでは低層階になりますが、ここでは10階程度のマンションを想定し、4階から6階までを中層階とします。
1階および低層階
まず1階と低層階は、基本的にエレベーターを使用しなくても出入りができるため、外出や緊急時の避難がしやすいというメリットがあります。最下階や、階下に店舗などがある部屋は、階下への音を気にしなくてよいのも利点で、子どものいる家庭には魅力的に映るでしょう。1階に専用庭や専用駐車スペースがある場合は人気が高くなることもあります。
1階と低層階のデメリットは、やはり眺望や日照が劣る点です。また1階では防犯の面で不安があったり、虫の侵入もほかの階より多くなりがちだったりします。外の音が聞こえやすく、通行人の目も気になるという点もデメリットとしてあげられます。
中層階
中層階は眺望や日当たりがまずまず良好で、上層階に比べると避難時に移動しやすく、また防犯面でも低層階より優れています。ある程度高い位置にあるので、外の音や通行人の視線などがあまり気にならないでしょう。中層階は住まい心地という点では、バランスのよい階であるということがいえます。
上層階
上層階は風通しが良く、眺望や日当たりも良好です。外の目や音を気にすることがなく、最上階であれば上階の生活音も気になりません。害虫の侵入も低層階に比べると少なくなります。防犯面も基本的には優れています。ただし屋上などから侵入されると、外部から見えにくいため、かえって空き巣などのターゲットになりやすいというリスクもあります。
また、エレベーターでの移動が多くなるため、緊急時の素早い避難は難しくなります。緊急時でなくとも、たとえば朝の時間帯などもエレベーターが混雑するため、通勤・通学に時間がかかるでしょう。災害時にはエレベーターが停止する可能性もあり、移動が困難になる恐れがあります。
以上が低層階、中層階、上層階の大まかなメリットとデメリットになります。それでは、次に4階の部屋の特徴に注目していきましょう。
【特徴その1】4階からの眺望は?
素晴らしい眺望は、生活をより豊かにしてくれます。
マンションでは、1階あたりの高さはおよそ3メートルなので、4階部分の高さは約12メートルとなります。マンションは一般的に眺望を考慮して設計されていることが多いので、周辺に高い建物がない地域なら眺望が期待できるほか、外からの視線も気にならないでしょう。日当たりが良好なケースも多く、バルコニーで洗濯物を干す場合も周りの目をそれほど気にせずにすみます。
【特徴その2】4階の騒音は?
騒音はご近所トラブルの原因でもっとも多く、生活に大きな影響を与えるものです。ただし、騒音の問題は基本的に住まい方によるところが大きく、階数による差はほとんどないので、4階だからといってデメリットがあるわけではありません。これにはほかの階数でも同じことがいえます。
ただし、通行人の声など外からの騒音に関しては、下の階よりも軽減される可能性が高いでしょう。
【特徴その3】4階は害虫の心配がない?
住環境を悪くする原因のひとつに害虫の侵入があります。
害虫が自力で飛べる高さは一般的に2階程度までといわれていますので、低層階に比べると4階は害虫の侵入が少ないと言えます。
しかし害虫の侵入経路は窓以外にもあるので、4階の部屋でも虫の侵入の可能性がゼロになるわけではありません。たとえば、排水管やエレベーターから害虫が上がってくることは珍しくありません。マンションの階下に飲食店が入っていたり、バルコニーなどで植物を育てていたりすると、より建物内に害虫が侵入する可能性が上がります。
虫が発生しやすい条件は必ずしも階数だけではなく、環境によることが多いと覚えておきましょう。
【特徴その4】4階は排気ガスが心配?
交通量の多い道路の近くにあるマンションでは自動車などの排気ガスが気になります。
排気ガスの影響を強く受ける場合は、ベランダに洗濯物を干すことがためらわれるでしょう。また、排気ガスの臭いはストレスになるだけでなく、健康問題の引き金になることもあるので、決して無視できない問題です。
マンションの4階程度の高さでは排気ガスの影響を受けるといえます。
排気ガスや騒音はマンション全体に影響を及ぼすため、気になる人は階数よりも、道路の交通量や、マンションが影響を及ぼす道路からどのくらい離れているかをチェックすることをお勧めします。
また、幹線道路に近い場合には排気ガスのほか、騒音の影響も受けてしまうので注意しましょう。
【特徴その5】4階は風水的に問題ない?
住まい探しにあたって風水を気にする人は少なくありません。
風水の考え方によると、基本的に地上から地のエネルギーが直接上に上がっていくため、高層階になるにしたがってエネルギーが薄くなっていきます。言い換えると、1階は土地のエネルギーを強く受けるため、その土地の良し悪しによって吉凶が出やすくなります。
一方、タワーマンションの上層階などはエネルギーが不安定になるものの、土地のエネルギーの影響を受けにくいのです。風水の一般論では、3階~6階が気のバランスが取れた高さだとしているため、4階は風水的に見て悪くない階数といえます。マンションの4階の住戸を購入した場合にも、インテリアに風水を取り入れてみるのもよいでしょう。
風水におけるインテリアでは、方向に合わせて色を選んだり水や植物を置いたりします。玄関では、西向きが白と金、北向きが白と青、南東向きが緑と青と白がよいとされています。
【特徴その6】4階の価格は高い?
通常マンションの分譲価格を決める際には、マンションごとに販売総額を設定し、それを割り振って各住戸の価格を決めます。まず基準となる住戸の販売価格を決め、その住戸より条件がよい住戸は販売価格を高くし、条件が劣る住戸は販売価格を安く設定します。
条件とは、専有面積やプラン、向き、角部屋か中部屋か、設備など、そして階数です。一般的には上階のほうが眺望や日当たりもよいため、専有面積や間取りが同じ住戸が上下にある場合は、階が高くなるほど価格も高く設定します。
1階より2階、2階より3階、3階より4階が高くなります。ただし1階に専用庭や専用駐車場が設定されている場合などは、1階の価格を2階より高く設定することも珍しくありません。
4階だからと気にしすぎも良くない!
今回はマンションの4階を取り上げてみました。もちろん4階の住戸にも、メリットもあればデメリットもあります。自分たちが住まいのどこに重点を置くかが大切で、その結果、4階が最適の階になることもあるでしょう。まずは家族でよく話し合い、自分たちはどのような住まいを求めているかというイメージを確認することが大切です。マンションの購入は多くの人にとって一生に一度の大きな買い物です。後悔がないように、さまざまな角度からマンションについて考えていきましょう。
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