時短につながるビルトイン食洗機。種類・選び方・相場・設置方法は?

日々の家事は、できるだけラクに済ませたいもの。そこで、食洗機を導入する家庭も少なくないでしょう。食洗機は高温での洗浄が可能になり、手洗いに比べて節水の効果もあります。初期投資に手間や費用はかかりますが、一度導入してしまえばメリットも多いもの。

食洗機にはキッチンの一部にはめ込むタイプの「ビルトイン型」と、「卓上型(据え置き型)」があります。ビルトイン型の方が費用はかかるものの、キッチンが広々として見えて大容量なので一度に多くの食器を洗える利点があります。

ここではビルトイン型の食洗機の新規導入や買い替えを検討している方向けに、ビルトイン食洗機についてご紹介します。

ビルトイン食洗機の種類

ビルトイン食洗機は、大きく種類が分けられています。それぞれの特徴は以下の通り。

スライドオープンタイプ

引き出しの中にカゴが取り付けられている形状になっています。現在ではこのタイプの商品が主流です。

【特徴】・食器の出し入れがしやすい。

フロントオープンタイプ

扉が手前に倒れて開き、中のカゴを引き出す形状のものです。

【特徴】・容量が比較的大きい。

トップオープンタイプ

ふたを開けて、上から食器を入れる形状のもの。一昔前は主流でしたが、現在ではトップオープンタイプの製品は新しく発売されていません。

購入前にチェックすべきポイントとは?

食洗機を購入する場合は、各タイプの特徴をふまえた上で、ご家庭に合ったものを選びましょう。また、ビルトイン食洗機を購入する前にチェックしておきたいポイントがいくつかあります。

食洗機を設置する場所は?

ビルトイン食洗機は、シンク下などキッチンの一部に取り付け工事を行って設置します。そこで、設置予定の場所にスペースを確保できるのかあらかじめチェックしましょう。

一度に洗う食器の量はどれくらい?

カゴの容量によって、一度にどれくらいの食器を洗えるのかが決まります。各家庭によって使用する食器の数は異なりますので、確実にチェックしておきたいポイントです。二人暮らしでは、大きすぎる食洗機は必要ありませんし、家族揃って食事することが多ければ、ある程度の容量はほしいところ。食洗機のカタログには「33点・約4人分」といったように、一度に洗える食器の点数と人数の目安が記載されています。参考にしながら、気になる食洗機を絞り込んでいきましょう。

節約・節水効果は?

食洗機には節約・節水効果があります。どれくらいの効果があるのかは製品によって異なります。これもカタログなどに記載されているので、食洗機選びの際には重要な要素となります。

その他の機能にも注目する

食洗機によっても機能は異なります。例えば、下記のような機能があるものも。

  • ・水流にパワーがあり、汚れを徹底的に洗い落としてくれる
  • ・省エネ機能が優れている
  • ・プラズマクラスター搭載で、庫内の空気を清潔に保ってくれる

ビルトイン食洗機は決して安い買い物ではありません。購入するなら、満足度が高い一品を選びたいところ。そのため、各製品の特徴は重要なファクターになります。

設置工事の時間の目安は?

ビルトイン食洗機を設置する場合、専門業者に依頼すれば早くて2時間程度で工事が完了します。

ご自身で食洗器を設置することも可能です。ただし、排水管との接続といった専門的な作業が発生し、漏水などの恐れも。集合住宅にお住まいなら「漏水で階下の世帯を水浸しにしてしまった」…なんて最悪のケースに発展する可能性があるので十分な注意が必要です。

設置工事はおおまかに以下のような手順となります。

1.取り付け部のスペースを確保

設置予定の部分にはまっているキャビネット(蝶番を含む)などを取り外して、食洗機が入る分のスペースを確保します。キャビネットを外しても食洗機が入るスペースがない場合は、横や奥の板をくり抜く・取り外す作業が必要となります。

2.台座を設置する

食洗機を載せるための台座・脚ユニットを取り付けます。

3.給水・排水管の準備

食洗機に給湯管・排水管を接続する必要があるため、キッチン側の給排水管を分岐させます(分岐水栓設置)。分岐させた給排水管を延長させ、食洗機に届くようにしておきます。

4.電源の確保

食洗機を設置予定の周辺にコンセントがない場合、コンセントの設置工事を行います。

5.本体の設置

ビルトイン食洗機本体を(2)の台座の上に設置します。

6、給排水管と電源に接続

本体とキッチン側の給排水管、および電源と接続をして完成です。

本体や工事、総額などの相場は?

本体

ビルトイン食洗機本体の相場は概ね5~10万円前後となっています。中には、3万円台で購入できるお手ごろな製品も。国内の食洗機はパナソニックとリンナイの2社の製品が主流となっていますが、海外メーカーの高級食洗機だと40万円近くするものも珍しくありません。

ちなみに卓上型の食洗機の場合、本体価格は2~10万円程度となります。本体価格においては、実は卓上型とビルトイン型ではそこまで大きな差がありません。ただし、卓上型の方が設置も簡単なため、工事の費用分を安く抑えることができます。

工事費用

設置を業者に依頼する場合、工事費用がかかってきます。設置費用は3万円台から、としている業者が多いようです。

しかし、注意したいのは記載されている金額が「標準工事」や「基本工事」のみである可能性が高いということです。給排水管の分岐工事や、電源確保の工事などが発生した場合は「追加工事」や「オプション工事」として料金が追加されます。そのため、業者に見積もりを依頼して、最終的にいくらかかるのか、事前にしっかり把握するようにしておきましょう。

なお、すでにビルトイン食洗機を使っていて、新しい製品と取り替える場合は古い食洗機を廃棄しなくてはなりません。業者によってはこの廃棄を安く請け負ってくれるところがあるようです。

総額パックについて

業者によっては、総額パックとして「商品と工事費込みで○○円」と販売されていることがあります。この場合、本体価格が定価から割引されることが多く、商品の購入と工事の依頼をまとめて行えることで手間が省けるという点から、選択肢として一考の価値があります。

総額パックの相場は、本体価格によって大きく左右されますが、概ね6~20万円といったところのようです。

食洗機は時短家事につながるので、忙しい共働き世帯などにもおすすめです。ビルトイン食洗機は設置が大変ですが、一度購入すれば長く使用することができます。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

(最終更新日:2019.10.05)
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