2019年に入り、食品をはじめとするさまざまな商品の値上げが相次いで発表されています。「ただでさえ消費税の増税を控えているのに、あれもこれも値上げだなんて…」という気持ちになっている人も多いことでしょう。なぜ、値上げが続いているのでしょうか。身近な商品の値上げ情報とともに紹介します。
毎日の生活に直結! 食品メーカー各社が値上げを決断
「カップヌードル」や「チキンラーメン」でおなじみの日清食品株式会社や「赤いきつね」「緑のたぬき」の東洋水産株式会社、「うまかっちゃん」のハウス食品株式会社、「チャルメラ」などを販売する明星食品株式会社、「サッポロ一番」でお馴染みのサンヨー食品株式会社は6月1日出荷分から、即席麺の値上げを発表。永谷園ホールディングスは8月1日から、即席みそ汁やスープなどの商品を5~10%程度値上げするとしています。
そのほかにも、ハーゲンダッツジャパン株式会社は6月1日から、希望小売価格を概ね23円値上げ。株式会社湖池屋はポテトチップスの各商品を6月1日出荷分から(一部商品は7月1日出荷分から)、カルビー株式会社は5月21日から順次、値上げすることが決まっています。
飲料メーカーも、相次いで値上げを発表!
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、1.5~2リットルのペットボトルをはじめとする清涼飲料を、4月1日出荷分から20円値上げ。キリンビバレッジ株式会社やサントリー食品インターナショナル、アサヒ飲料株式会社、大塚食品株式会社は5月1日出荷分から、一部商品を除く大型ペットボトル容器の商品を20円値上げしました。
株式会社伊藤園やポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、6月1日出荷分から同様の値上げを予定しています。各社の報道によると、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は1992年以来、27年ぶり、サントリー食品インターナショナルは21年ぶりの値上げとなるそうです。
安定した生乳を供給するために。乳製品も一斉に価格改定へ
株式会社明治、森永乳業株式会社、雪印メグミルク株式会社の乳業大手3社は、4月1日出荷分から一斉に、牛乳やヨーグルトなど乳製品の値上げを実施。酪農生産者が減少し、生乳生産コストが上昇していることによるもので、明治が1.5~4.7%、森永が3.0~8.3%、雪印が2.2~6.1%の値上げとなります。
株式会社ドトール・日レスホールディングスも、乳製品メーカーの相次ぐ値上げに追随する形で、ドトールグループのドリンクメニュー商品のうち、牛乳を使用する商品の価格を改定。4月11日から、10~20円の値上げに踏み切りました。同様の理由で、タリーズコーヒージャパンも4月19日から、牛乳を使用する商品を中心に、10~20円の値上げを行っています。また、コーヒーチェーンとしてはスターバックス コーヒー ジャパンが、いち早く値上げを実施。2011年以来、8年ぶりの大幅な価格改定となり、商品価格を10円から20円程度引き上げました。
食料品だけじゃない! 新聞購読や映画鑑賞、人気会員制サービスも値上げ!
値上げの決定は、食料や飲料にとどまりません。読売新聞は2019年1月から、朝刊のみの月間購読料を3,093円から3,400円に、朝夕刊セットの月間購読料を4,037円から4,400円に値上げ。駅の売店やコンビニで販売する朝刊は一部130円から150円となりました。ちなみに、同じく月間4,037円の朝日新聞と毎日新聞は2019年4月現在、価格は据え置きとなっています。
TOHOシネマズ株式会社は、6月1日から映画鑑賞料金を改定。一般で1,800円から1,900円へ、その他の券種も1人あたり100円の値上げを予定しています。また、アマゾン・ドット・コムは、Amazon.co.jpの有料サービス「Amazonプライム」の年会費を3,900円から4,900円、月会費を400円から500円に値上げ。5月17日以降のプライム会員更新時に、新料金が適用されます。
あらゆる商品が値上げしている背景に、3つの高騰あり!
なぜ、身近な商品の値上げが止まらないのでしょうか? まず原因として挙げられるのが「原材料費の高騰」です。たとえば即席麺なら、具材など食品部分の材料に加え、パッケージの袋やカップの価格も高騰しているといいます。
次に、「物流費の高騰」。2017年から2018年にかけて、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便といった宅配業者が基本運賃を引き上げたことは、記憶に新しいでしょう。商品の輸送コストが上昇し、商品の値上げに繋がっています。
そして「人件費の高騰」も深刻な問題です。労働人口の減少にともない、慢性的な人手不足の業界が多く、好待遇な労働条件を提示しなければ人が集まりません。必然的に、生産コストが上がってしまうのです。
まとめ
これだけ多くの商品が相次いで値上げとなれば、家計にも少なからずダメージを与えるでしょう。また、今回は価格を改定した商品を紹介しましたが、価格はそのままに内容量を減らして実質的な値上げを行う「シュリンクフレーション」の影響も出てくるはずです。
生活必需品の買い控えは難しいでしょうが「食材をムダなく使いきる」「本当に必要なものしか買わない」「買い物は底値で行う」など工夫できることはあるはず。これを機に、家計のスリム化を意識してみてはいかがでしょうか?