風薫る五月、ジャケットやブルゾンを脱いで、シャツやブラウスで過ごす機会が増えてきます。おしゃれに関心のあるあなたなら、いつもシワのないパリッとしたのを着たいですよね。そんな時に活躍するアイロンについて道具の違いを見てみましょう。今回ご紹介するのは、最新のコードレススチームアイロン、パナソニック『NI-WL704』と、最近話題の衣類スチーマー、パナソニック『NI-FS750』です。
歴史のある家電、アイロン
今や当たり前のように家庭にある道具、アイロン。さて、いつごろから世の中にあったのでしょうか。紀元前の古代中国では、「火熨斗(ひのし)」という、銅製の片手鍋のような入れ物に炭火を入れて布を伸ばす道具が存在していたといわれています。さすが4000年の歴史を持つ中国。日本では、平安時代にこの「火熨斗」が使われていたようで、その後江戸時代に入ると炭火で熱して使う焼きゴテが登場しています。明治時代中ごろには、ふたを開けて中に炭火を入れて使う炭火アイロンがイギリスから輸入されています。
アイロンとは英語でiron(鉄)と表記し、重さと熱で布地のシワを伸ばす道具というものだったのです。
国産初の電気アイロンは大正時代に発売されますが、温度調節をする機能がなく、指先を濡らしてアイロンの底に触れて温度を判断するもので、衣服に“当て布”をのせて布地が焦げないようにしていました。スチーム機能もなく、当時は霧吹きで布地に水分を撒いてアイロンがけをしたもので、手間がかかっていました。
今回検証に選んだコードレススチームアイロン『NI-WL704』は、本体重量が約1.1Kg。ライバル、衣類スチーマーの約1.5倍の重さがありますが、しっかりアイロンがけするにはこの重量がとても重要になります。本体の重さと熱を利用してプレスすることで、アイロン台を使ってパリッと仕上げることができるのです。
昔のアイロンの底面は船底型でしたが、最新式はレモンを縦に切った断面のように両端が尖った楕円形で、後ろ向きにかけてもシワになりにくく、前後左右どの方向にも動かせます。
アイロンとしてのスチーム用タンクは約160mlと大容量で、たっぷりのスチームを長時間噴射できるので、大量のアイロンがけにも対応できます。スタンドにアイロンを乗せている間に通電して本体に熱を蓄えるコードレスになっていて、電源コードが邪魔にならず取り扱えるのでとても便利です。
軽量で扱いやすい衣類スチーマー
一方、小型軽量で、アイロン台を使わず手軽にシワのばしができる衣類スチーマー『NI-FS750』は、今、人気上昇中です。衣服をハンガーにかけたまま、スチーマー本体を衣服に近づけてスチームを当てるだけでシワを取れるスグレモノです。しかも電源をONして約24秒で使用できるので、忙しい朝などにも素早く対応できます。本体重量は約740gで女性でもラクに扱え、電源コードが2.5mあるので、立って操作しても余裕です。
また、パワフルなスチームを当てることで、衣服に付いたタバコ臭や汗臭、加齢臭など、気になるニオイの脱臭や、ダニや花粉などの除菌もできます。
前日の飲み会や焼き肉のニオイも朝起きて簡単に取れるし、上着やコートなど洗濯しにくい衣類も毎日気持ちよく着られます。さらに、型崩れしやすいニットやふんわり仕上げたいフリルのブラウス、洗いにくい帽子やクッションなど、これまでアイロンがかけづらかった、または、かけられなかったものも、おしゃれに仕上げることができます。
それぞれの特徴は時間の使い方に表れる
アイロンは、アイロン台を使ってしっかりアイロンがけをしたい時に威力を発揮するので、洗濯した大量のワイシャツやブラウスをまとめてアイロンがけしたい時や、プリーツスカートやスラックスにきっちり折り目を付けたい時に最適です。家族の人数が多い家庭や、休日にまとめて洗濯してアイロンがけをする人にはお勧めです。
また、衣類スチーマーは、アイロン台を使わずハンガーに衣服をかけたまま、スチームを当てるだけで、短時間に、簡単にシワのばしができる。これはアイロンがけを手早く済ませたい人やアイロンがけが苦手な人に重宝されます。忙しい働く女性や単身赴任の男性、学生など単身者に人気です。
ライフスタイルに合わせて自分に使いやすいものを選べますが、目的に合わせて2台を使い分ければさらにおしゃれが充実するでしょう。お出かけ前など急いでいるときは衣類スチーマーでサッと手入れ、休日など時間があるときは量が多くてもアイロンでしっかり仕上げられます。また、仕事用のシャツやスラックスはアイロンでピシッと仕上げ、お出かけ用のドレスはスチーマーでふんわり整えるといった使い方ができます。
(最終更新日:2019.10.05)