夏や冬に電気消費の多くを占めているのがエアコンです。このエアコンと併用することで省エネ効果が期待できる便利な家電があるのをご存じでしょうか。優れた実用性を持つ空調家電「シーリングファン」と「サーキュレーター」を実際に使って比較してみました。
愛用者が増加中! シーリングファンとは
シーリングファンとは、1880年代にアメリカのメンフィスで発明された天井につける送風機で、カフェやレストランに設置されているのを見たことがあると思います。室内の空気を循環させる役割があり、なんと言っても見た目がおしゃれでインテリアとして人気が高く現在、日本の住宅でも浸透しつつあるのです。かく言う筆者も愛用者の一人です。
シーリングファンは空気の性質である上に溜まりやすい暖気と、下に溜まりやすい冷気を循環させることで室内の温度を均等に保ってくれるほか、冷暖房の効率を上げてくれます。また稼働音も小さく、床に置く家電とは異なり設置に場所を取らないため、部屋全体がスッキリした印象になるのもいいですね。
もともとはインテリア重視で導入を決めたシーリングファン。設置してから1年近く経ちましたが、効果は高いと実感しています。設置以前の夏の暑い日は、エアコンの冷房の温度設定は25℃でしたが、設置後は28℃で、とても快適に過ごせます。ファンからの風を受ける事で実際の設定温度より体感温度が低く感じられるという相乗効果も得られました。
冬場のエアコン使用時も通常より早く室内が適温になりましたし、温度が均一になり、足元は寒いけれど、頭が暖かさでボーっとするというような不快感が解消されました。基本的にメンテナンス・フリーですが、羽の上部に埃(ほこり)がたまりやすく、定期的に掃除をする必要があります。その際は天井に設置してあるため、若干手間がかかるのが難点です。また天井が低すぎると空気を効率良く循環させることができず、本来の性能が発揮されません。
日本の住宅事情に合った一体型ファンライト
シーリングファンというと一般的に古いイメージがありますが、スマートフォンとネットワーク連携でき操作できるものなども登場してきており進化しています。私が使用しているのは、照明も一体化させた1台2役のシーリングファンライトです。欧米に比べ、天井が低く間取りも狭い日本の住宅事情には合わせやすいのです。
現在、日本住居の天井の高さは210センチ以上と法律で決められており、洋室の場合は240センチ前後が平均となっています。私の家の場合天井の高さは245センチですが、家を設計する時点で、シーリングファンライトを付ける事を想定しており、設計師の方に相談して設置する部分の周りだけ天井を5.5センチ程高くしてもらいました。5.5センチ程度ですが、これだけでも上からの圧迫感がだいぶ違うと実感しています。今後、設置の予定がある方は参考にしてみてください。
VEGA CORPORATION
『LOWYAシーリングファンライト(4灯・プライウッド)』
価格16,990円(税込)
小型でもパワフル、置く場所を選ばないサーキュレーター
部屋の空気を循環させるアイテムでは、サーキュレーターも人気が高いです。シーリングファンに比べ、大掛かりな工事も必要なく気軽に導入できますし、使いたい部屋に気軽に持ち運びできるのも魅力的です。壁掛けタイプや小型タイプのほか、静音や首振り機能のあるものなど、スタイルはさまざま。住環境や好みによって選択できる点は、大きな利点です。今回は中でも人気の高いアイリスオーヤマのサーキュレーターアイを実際に使用してみましたが、これが驚愕でした。
アイリスオーヤマ株式会社
『サーキュレーターアイ DC-JET(KCF-SDC151T)』
価格17,800円(税抜)
使用して真っ先に感じたことは、コンパクトな本体に対し、風力がとてもパワフルな事です。今回、20畳の洋室で使用してみましたが効果をかなり実感。暖房のみの場合、室内が適温になるまで40分かかっていたのが、サーキュレーターを併用することで、半分の20分で部屋の隅々まで快適な室温になりましたし、冷房でも同様の効果が得られます。
特に真夏の暑い日は、背面から吸い込み正面に吐き出すというサーキュレーターの構造から、エアコンを背にするように床に設置すると、下に溜まった冷気が満遍なく行き渡り効率よく部屋全体が涼しくなります。
また、稼働音も通常の風量ならば、ほとんど気にならず家族が集まるリビングに置くのもよいですし、「静音モード」を使えば35 dB以下(落葉の音と同レベル)のため寝室に置くのもオススメです。
部屋干しに、サーキュレーターが大活躍!
雨の日が多い梅雨や、花粉やPM2.5、黄砂の対策として、部屋干しする機会が一年を通して増えてきています。部屋干しした洗濯物は生乾きになり、嫌な臭いが残りがち。このモデルは「衣類乾燥モード」を搭載しており、洗濯物の中央部では風を弱く、端に向かうにつれて強くすることで、風によるハンガーのズレや乾燥ムラを防止し、多くの洗濯物でも満遍なく乾燥できます。
また、左右首振り角度が3段階に調節でき、洗濯物の幅に合わせて調節が可能です。シーリングファンも部屋干し乾燥に効果はありますが、エアコンとの併用が必要なので、単体で効果が得られるサーキュレーターの方が、省エネ効果があると感じました。
部屋の雰囲気を変えるインテリア性の高い“シーリングファン”、シチュエーションを選ばず汎用性の高い“サーキュレーター”といった印象を受けました。しかし、どちらも今の生活をより良いものにしてくれる家電であることは間違いありません。自分の住まいにあった選択をして快適な温度で暮らせる生活を手に入れてみてはいかがでしょうか。
(最終更新日:2021.03.29)