マンションは湿気が多いって本当? 簡単にできる5つの対策

マンションは構造上、湿気がこもりやすい傾向にありますが、湿気がこもる原因を知ることできちんとした対策ができます。また、物件によっても湿気のこもりやすさは違うので、選び方のポイントを押さえておきましょう。マンション購入をする前に、湿気に対する正しい知識を身に付けて、どのような対策をしたらいいのか覚えておきましょう。

マンション室内に湿気がこもる理由

戸建ての場合には四方好きな場所に窓を作ることが可能ですが、マンションの場合には隣の部屋と接しているため、窓を作れる部分が限られてしまいます。空気の出入り口が玄関とベランダのみという物件も多く、角部屋であってもたくさんの窓を設置することはできません。マンションは窓が少ないことで空気の流れが悪くなってしまい、気密性が高くなる傾向にあります。

また、マンションの建築構造によっても湿気のこもりやすさに違いが出ます。木造建築の場合、木が湿気を吸収することで湿度を調整してくれるので、調湿性の高い構造だといえます。

一方、マンションに多いコンクリート構造は調湿性が低いため、夏場などは特に湿度が高いと感じるでしょう。コンクリートそのものにも水分が含まれており、5~10年かけて湿気が放出されるといわれています。そのため、築年数の浅い建物ほど湿気が出やすい傾向にあるので注意しましょう。

湿気が原因でカビが発生しやすい場所

湿気が多くなることで懸念されるのは、カビが発生しやすくなることです。特に注意が必要な場所がいくつかあるので、当てはまるところがある場合にはきちんとした湿気対策をおこないましょう。

マンションの中でも特に湿気がこもりやすい位置にある部屋といわれているのが、1階部分にある部屋と北側の部屋です。1階部分にある部屋は地面からの湿気の影響を受けやすく、また防犯上の観点から窓も開けにくく換気しづらいといったことが原因です。北側の部屋は日当たりが悪くなるため、湿気がこもりやすくなります。

部屋の中で湿気のこもりやすい場所として挙げられるのは、水回り部分、収納部分、窓周辺です。水回り中でもキッチンや風呂場といった場所は、水蒸気が発生しやすいため湿気がこもりがちです。クローゼットや押し入れなどの収納部分は密閉された空間なので、換気をこまめにしないとカビが発生しやすくなります。窓周辺も結露などでカビやすいので気をつけましょう。

湿気が少ないマンションの選び方

湿気がこもりにくいマンションを選ぶときに、ポイントとなるのが立地です。近くに川などの水辺がないか周辺環境をチェックしましょう。川などが近くにある環境は子育て中の家庭にも人気がありますが、川の水が日光などの熱で蒸発すると、かなり湿度が上がります。

また、周辺に高い建物があると日当たりや風通しが悪くなり、やはり湿度が上がりがちです。実際に部屋の中を見学するときも、窓の位置などを確認して日当たりや風通しの良さをチェックしましょう。なお、マンションの壁に断熱材が適切に使われているかどうかという点も、室内の湿度に大きく関係します。

湿気対策の方法1.換気扇を回す

キッチン、洗面所や浴室、トイレなどは湿気がこもりやすいので、マンションに設置されている換気扇を意識的に回すようにし、空気の循環を促しましょう。特に入浴後の浴室は水蒸気で溢れているので、使用後はすぐに換気扇を回し、すぐに切らずにしばらくつけておくと良いです。

入浴後には冷たいシャワーを浴室内にかけ、クールダウンさせてから換気扇を回すとさらに効果的です。キッチンでは臭いが気になるときだけに換気扇を回すのではなく、お湯を沸かすときにもたくさんの水蒸気が発生するので、忘れずに換気扇を作動させましょう。

湿気対策の方法2.住戸内に温度差をつくらない

冬に暖房を使用するときなどは、使わない部屋を閉め切っておいたほうが、部屋が早く暖まるのではないかと考える人も多いでしょう。しかし、湿気対策としてはあまり適切ではありません。通気性が悪くなるとたまった湿気の逃げ場もなくなってしまうので、普段使わない部屋でも閉め切ったままにせず、定期的に換気して湿った空気を逃がしてあげましょう

部屋だけでなく、クローゼットや押し入れ、パントリーなど閉め切ってしまいがちな場所も要注意です。

湿気対策の方法3.除湿機のある家電を使う

除湿機能を搭載した家電が増えてきています。エアコンの除湿機能や除湿機、除湿機能付きの空気清浄機などを活用すると、湿度が高くなるのを抑えられます。サーキュレーターも併せて使うことで空気の循環がよくなり、除湿効果を高めることができるでしょう。雨の多い梅雨の時期や、マンションの部屋が1階にある場合など、窓を開けての換気が難しいときに向いている方法です。

また、除湿機なら好きな場所に移動して置くことができるので、自宅の状況に合った使い方ができます。洗濯物を部屋干しするときなど、一時的に除湿をおこないたい場合にも便利です。除湿機を使用する場合には、排水タンクにたまった水をこまめに捨てたり、フィルターを定期的に掃除したりすることで、カビの発生防止につながります。

湿気対策の方法4.新聞紙を使う

吸湿性の高い新聞紙は、湿気対策で活躍してくれるアイテムです。湿度が高いところに敷いておくだけで、湿気を吸い取る役割を果たすので室内に使えるほか、カバンや靴など湿気に弱い革製品を守るのにも使えます。紙なので自由に形を変えることができ、狭い場所や隙間などにも入れられるといった使い勝手の良さもメリットです。

ただし、湿気を吸い取った新聞紙をそのままにしてしまうと、カビが発生する原因となってしまいます。湿気対策に新聞紙を用いる場合には、定期的に交換するようにしましょう。湿気を吸い取った新聞紙でも、天日干しすることで何度も使うことができます。自宅で余ってしまいがちな新聞紙を利用してできる湿気対策なので、手軽で経済的です。

湿気対策の方法5.家具の配置を変える

家具によって空気の通り道がふさがれてしまうと、空気の循環が悪くなるため湿気がこもりやすくなります。玄関から各窓までスムーズに空気が流れるように、背の高い家具は端に寄せるなどの工夫をしましょう

また、マンションの角部屋は両隣挟まれた部屋に比べ、外気温との温度差が生まれやすく、壁に結露によるカビなどが発生しやすい傾向にあります。家具を壁から少し離して設置することで空気の通り道を作ることができるので、家具を配置する際には数cm程度壁から離して置きましょう。

観葉植物や水槽など、湿気が発生しやすいようなものを部屋に置く場合にも注意が必要です。こうしたものをインテリアとして選ぶときには、できるだけ小さいものにして数を少なくするようにしましょう。

お手軽に湿気対策で快適な暮らしを!

マンションを購入する際には、間取りや内装のデザイン、立地などに気を取られてしまいがちですが、長く住むことになるマンションには快適さも重要なポイントとなります。そのために、湿気対策は欠かせません。マンションは湿気がこもりやすいといわれていますが、正しい対策をすればカビの発生などのトラブルも防ぐことができます。今回紹介した湿気対策をぜひ参考にして、マンション購入後の快適な暮らしを手に入れましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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