どのようなマンションでも、値下がりするリスクはあります。しかし、マンションの購入後に価値が下がるのは、避けられるものなら避けたいでしょう。この記事では、マンションが値下がりする主な要因と、値下がりしにくいマンションを見極めるためのポイントについて紹介します。大きな買い物ですから、失敗しないように事前準備をしておきましょう。
マンション価格が値下がりする要因1:景気の波
不動産価格は、一般的に景気が良くなれば上がり、悪くなれば下がります。2008年のリーマンショックによって、マンション価格は下落しました。その後、2012年から始まったアベノミクス効果をきっかけとして、中古マンション価格は上昇傾向にあります。不動産全体の価格予測としては、2019年以降に頭打ちし、下落に転じるとする見方も多くあります。
しかし、経済情勢の影響を受けるため、本当に値下がりするのかどうかは確証がありません。リーマンショックのような突然の大きな変化は、誰にも予測することができないからです。政治に関しても、アベノミクスがこのまま続くのか、まったく違う政策が打ち出されるのかによっても、不動産価格に変動が起こります。このような景気の波による価格変動は、個人でコントロールできるものではありません。
マンション価格が値下がりする要因2:築年数
中古マンションの場合は、一般に築年数を重ねるほど価格は下がります。築10年以内のマンションは比較的下落幅が小さいですが、築11年を超えたあたりから下落幅が大きくなる傾向にあります。
ただ、築10年以内であっても内装の状態が良くないなどの理由で売却価格が下がることはありえます。売る予定がなかったとしても、突然何かしらの理由で売らなければならなくなることもありますので、できるだけきれいな状態を保ちながら住んでおくに越したことはありません。築年数を重ねるごとに建物の外装や内装の状態が悪くなり、修理やリフォームの必要性も出てくると、リスクを気にして買い手がつきにくくなります。
また設備や間取りにも流行り廃りがあるため、築年数が古くて設備や間取りが新築当時のままのマンションは時代遅れに感じられ、これも買い手がつきにくくなる原因になります。
マンション価格が値下がりする要因3:周辺環境の変化
マンションがある場所の周辺環境が悪化した場合には、マンションの価格が下がる可能性があります。たとえば隣に大きな建物が建つことによって、日当たりや眺望が悪くなるといったケースがこれに当たります。
ほかにも、近隣に世間的にマイナスイメージの施設が作られることも、価値を下げる原因になるでしょう。治安が悪くなるような施設が建つことも、周辺環境の悪化と言えます。
また、マンションのすぐそばに幹線道路や線路が通ると、騒音や振動、大気汚染が予想されるために住みづらくなります。大きな道路や駅が近いことは利便性の良さにつながりますが、住む場所から少し離れていることが理想だと考えている人は多いでしょう。
値下がりしにくいマンションのポイント1:交通利便性
マンションの価値を左右する重要な要素として、交通利便性の良さがあります。電車通勤の人にとっては、最寄り駅からの距離が近いことは必須条件だといっても過言ではありません。駅から近いほど需要があり、値下がりしにくいマンションだといえます。車を所有していない人が多い都市部では、通勤に限らずどこへ行くにも電車移動が多くなります。駅から近く、なおかつ線路に面しておらず騒音や振動の心配もないマンションであれば、好条件の物件だといえるでしょう。
郊外エリアでは、ショッピングモールなどが近くにあり、買い物やレジャーが近場で済ませられる物件ほど値下がりしにくい傾向にあります。ただし、人気のないショッピングモールだと将来閉店してしまう可能性があります。休日に限らず平日でもある程度にぎわっているショッピングモールかどうか、確認しておきたいところです。
値下がりしにくいマンションのポイント2:治安
好き好んで、治安の悪い場所に住みたいという人はなかなかいません。つまり、治安の良い場所ほどマンション価格は値下がりしにくいのです。街灯がどのくらいあるかどうかや、夜間の人通りをチェックすることも大切です。夜間に騒ぎたてるような人がいるのも困りますが、人通りが少なすぎるのも問題でしょう。
できるなら、平日と休日どちらの曜日もチェックしておきたいところです。時間帯に関しても、子供が帰宅する時間帯や自分が仕事から帰ってくる時間帯など、何度か確認してみるとよいのではないでしょうか。
値下がりしにくいマンションのポイント3:管理体制
マンションの管理体制が良い物件も、値下がりしにくいといえるでしょう。廊下や階段、エレベーターなどの共用部分がきれいなマンションは、管理体制がしっかりとしていると考えられます。建物の外観が汚れていたり、落書きされていたりする場合には、注意が必要です。ゴミ置き場が常にきれいかどうか、何日も前からゴミが置きっぱなしにされているようなことがないかどうか、自転車置き場に雑然と自転車が放置されていないかどうかなどをチェックすると、管理が行き届いているマンションかどうか判断できるでしょう。敷地内の植栽が定期的に手入れされているかどうか、雑草が生えたままになっていないかどうかも参考になります。全体的に清潔感がある印象を受けるマンションは、管理体制がしっかりしている可能性が高いといえるでしょう。
値下がりしにくいマンションのポイント4:マンションブランド
大手デベロッパーが開発したマンションや、大手ゼネコンが建設したマンションは、ブランドや企業の知名度があり、施工の信頼性からファンも多いので、マンション価格の下落リスクを軽減できるでしょう。一方、知名度が高くないデベロッパーの物件は、大手デベロッパーの物件に比べて割安になってしまう可能性が高いです。このような物件は購入するときにはお買い得だと感じても、売却しようとしたときに大きく値崩れしている恐れがあります。大手デベロッパーであれば、購入後の対応もしっかりとしてくれる点でも安心感があります。ブランドの知名度がある分、どうしても購入するときの価格は割高になる傾向がありますが、万が一売らなければならない状況になった場合には、知名度の低いデベロッパーの物件よりも高く売れることが期待できるでしょう。どこにお金をかけておくべきなのか、購入する前に検討する必要があるのではないでしょうか。
値下がりしにくいマンションのポイント5:人口減少リスクが小さい地域
昨今は日本全体で人口減少が懸念されていますが、そのような状況のなかでも人口の減少幅が小さい地域や人口がわずかでも増加している地域は、住みたい場所としての需要があるため、値下がりしにくいと考えられます。具体的には、都道府県庁所在地はそれ以外の地域と比べて人口減少リスクが小さいといえるでしょう。
ただ、都道府県庁所在地であっても、人口減少による値下がりのリスクを完全に回避できるわけではありません。交通利便性や治安、管理体制やブランド力など、これまで紹介してきたほかの要素と併せて考えることによって、より確実なリスク軽減ができるのではないでしょうか。
ポイントを押さえて、マンションを見定めよう!
マンションの購入は、チェックするべきポイントが多く、忙しい人にとっては大変な部分も多くあるでしょう。しかし、このような大きな買い物は人生でそう何度もありませんし、これからの生活を快適にするためは欠かせないことです。購入後に後悔することがないよう、購入前にじっくりと検討しておきたいところです。マンションが値下がりする原因を知り、値下がりしにくいマンションの見極めポイントを重点的にリサーチして、満足いく物件を見つけてください。
(最終更新日:2019.10.05)