不必要な物を捨て、最低限の物を残す「断捨離」。片付けるときに有効な方法として注目されますが、物を捨てることが苦手な人がむやみに断捨離に挑戦すると、後悔する結果につながることもあります。今回は断捨離できない人を対象に、断捨離の基本と、効果的な方法をご紹介します。
断捨離は片付けとリフレッシュに効果的
断捨離に挑戦する前に、まずは断捨離の目的を明確にしましょう。断捨離をすると、あなたの生活や身の回りにはどんな効果があるのでしょうか?断捨離をすることで起こる変化を、メリットとデメリットに分けてご紹介します。
断捨離すると、日々の小さなストレスから開放される
断捨離は、ただやみくもに全ての物を捨てることではありません。自分に必要な物が何であるかを再確認し、現在の自分に適切かつ最小限の物を残すことが断捨離の目的です。
不必要な物が置きっぱなしの雑然とした部屋では、心地良く過ごせません。また、何がどこにあるのかわからないと、見つけるために時間を無駄にすることもあるでしょう。
物が多い部屋は掃除がしづらく、ホコリがたまったり、水垢やカビが増殖したりするゾーンも増えます。こうした汚れの蓄積が、体調に影響を及ぼすかもしれません。
そういった部屋の環境に関わるあらゆるストレスを解決してくれるのが、断捨離なのです。
断捨離で後悔したという声も?断捨離の失敗例
断捨離の方法を誤ると、後悔することもあります。自分が心から大切にしていた物まで捨ててしまえば、二度と戻らないかもしれません。勢いに任せて全てを捨ててしまうことは避けましょう。
また、自分の物ではなく、身近な人の物まで捨ててしまうケースもあります。同居している人まで巻き込むことは、自分自身の環境を見直すという断捨離の本質からは外れてしまいます。
断捨離の目的は自己分析と生活改善にあり
断捨離することで片付いた空間を手に入れられることは事実ですが、それは結果に過ぎません。断捨離の本当の目的は、そのプロセスで自分の本当に必要な物を確認していくことです。
何が自分に必要なのかを考えることは自己分析につながり、自分に最適なライフスタイルの再構築をもたらします。だからこそ勢いで捨てるのではなく、落ち着いた気持ちで自分の物を一つひとつ観察することが大切なのです。
断捨離の手順書…これさえ守れば失敗知らず!
では、具体的な断捨離の手順をステップに分けてご紹介します。捨てることが苦手な人でも断捨離を成功させられるよう、捨てる行為を細分化しました。この手順に沿って断捨離を行うことで、客観的に物の必要性を判断できるでしょう。
断捨離スタートの前にルール作りを綿密に行う
物を捨て始める前に、捨てる物のルールを考えます。
【ルール例】
・衣服、アクセサリー、靴、食器など:2年以上使っていない
・家電、家具:サイズ・機能が合っていない
・調味料、薬類:半年以上使っていない
・おみやげ、プレゼントなど:もらってから1年以上経過かつ使っていない
・フォトアルバム、思い出の品など:1年以上閲覧していない、データ化できる
これはあくまで一例ですが、ルールに沿って明確に捨てるかどうか判断できるかどうかがポイントです。経過年数など数値化できる基準を元に、感情による迷いが生じないルールを考えてみてください。
自分の部屋にある物を観察し、全ての物がルールに当てはめて判断できるか事前に確認することが、断捨離の成功につながります。「その他」や「例外」を設けてしまうと、それらの物は捨てられないまま残ってしまうでしょう。
全ての物に期限を設定する
ルールに基づいて一つずつ物を捨てる前に、全ての物に対して捨てるまでの期限を設定してください。「今すぐ捨てる」、「来週までに捨てるか決める」、「資源回収日に捨てる」、「来年捨てる」、「捨てない」というような期限カテゴリを決め、ノートにメモします。色分けしたシールを物に直接貼って管理するのも手です。
ゴミの分別方法に合わせて事前にゴミ袋を準備
自治体によってゴミの分別方法は異なりますが、いかなる種類のゴミもすぐに捨てられるよう、全ての種類に応じたゴミ袋を捨てる前に準備しましょう。ここで「捨てる準備ができていないから」と後回しにすると、断捨離できません。粗大ゴミや資源回収ゴミなど特殊な物は、ルールに従い、捨てる直前までの準備を行いましょう。
捨てないための理由を作らず断捨離
ここまでの準備が整っていれば、あとは捨てるのみです。捨てないための理由は何もありません。ノートのメモに従って、物をゴミ袋に分類します。捨てる直前に「捨てないための理由」を探してしまわないよう、できる限り一気に捨てる作業を済ませましょう。
どうしても捨てられないときの断捨離テクニック
断捨離のための手順を前章でご紹介しましたが、それでも捨てられない物はあるはずです。本当に大切な物を無理に捨てる必要はありませんが、私情で捨てられない場合に有効ないくつかのテクニックをご紹介します。
写真で客観的に見る
思い出が詰まっていることで捨てる気持ちが揺らぐ場合は、客観的に物を見るためのテクニックが必要です。該当する物をスマートフォン等で撮影し、写真として見てみましょう。スマートフォンの画面越しに見ると、私情を感じない“ただの物”になります。それでも残しておきたい物なのか、冷静に判断してみるといいですよ。
一時的に家族や友人に預ける
長く身近にあることで情が移った物の場合は、一時的に自分の身から離すと効果的です。家族や信頼できる友人に頼み、一ヶ月程度自分の部屋から出してみましょう。時間と共に自分の身近にある必要性が薄れていくことも。
アプリを利用して捨てる
書類や家電の説明書については、スマートフォンのスキャンアプリを利用してデータ化すれば概ね捨てることができます。また、捨て方に迷って残しているものも、自治体によってゴミ分別専用のアプリを提供している場合があります。
捨てられない理由が明確にある場合は、「データに残す」、「リスト化する」、「捨て方を調べる」等の解決策に応じてアプリを活用してみましょう。
断捨離が習慣化するミニマリスト的生活のすすめ
もしも今回ご紹介した手法で断捨離が成功できたのならば、その断捨離の考え方を日常化させることをおすすめします。蓄積したものを一気に捨てるのではなく、常に身の回りの物を意識することで、「断捨離いらず」の生活を手に入れましょう。
定期的に身の回りの物を確認する
朝起きた直後や休日の午前中などのルールを定め、身の回りの物を確認する習慣を作ってみてください。捨てることを意識するのではなく、確認するのみで構いません。
自分で把握できない物が増えれば増えるほど、不必要な物が多い空間になってしまいます。今の所持物が何であるかをチェックしておけば、不必要な物をこまめに認識することができるのです。
部屋は持て余すくらいがちょうどいい
断捨離をした直後は、すっきりした空間が特別だと感じられるかもしれません。しかし、部屋には移動や収納のための余白が必要ですし、そのスペースが埋まらないままのほうが理想的です。
部屋に空間があるから物を買えると考えるのではなく、何もない空間を維持することを意識すると、断捨離の感覚を保てます。
ひとつ買ったら、ひとつ手放す
必要な物を購入することは悪いことではありません。その時は、ひとつ増えたら何かをひとつ捨ててみてください。
実際、何かが必要になると別の物は不必要になっている可能性が高いです。人が生活するにあたって利用できる物の総量は、そう変わらないものです。何が不必要になったのか的確に判断し、物が流動的に入れ替わっていく空間を意識しましょう。
断捨離が日常化すれば、空間も心もすっきりした生活が実現する
断捨離は本来特別なイベントではなく、日常的に取り入れられる考え方です。初めての断捨離はたくさんの物を捨てる覚悟が必要ですが、今回ご紹介したステップを踏めば成功する可能性が高くなります。
断捨離をして満足するだけでなく、今後の生活そのものを変えていけるよう、最適な物を最小限だけ持つ生活習慣を作ってみてください。そうすれば、空間と同じように心のゆとりも生まれるはずですよ。
(最終更新日:2019.10.05)