2018年の人口推計、地域別にみると”沖縄”だけ特徴的のなぜ

4月12日に総務省が発表した2018年(平成30年)10月1日現在の人口推計では、「日本の人口は8年連続の減少」と少子高齢化がより進んでいる事が数字として、浮き彫りになっています。地域別に見てみると実際はどうなのか。就職や転勤、そして結婚などライフイベントによって地域をまたいで引っ越される方も多いと思います。今回は日本の住生活にも少なからず影響する、人口の動向について都道府県別に数字をみてみます。

都民が10人に1人以上、一極集中つづく

2018年10月1日現在の都道府県別の人口は、東京都が1,382万2,000人と最も多く、全国に占める割合でみると10.9%という結果に。

次いで神奈川県(917万7千人)、大阪府(881万3千人)、愛知県(753万7千人)、埼玉県(733万人)となっており、人口順位は全ての都道府県で前年と同順位となりました。

人口増減率は東京都など7都県で増加

人口増減率を都道府県別にみると、増加は7都県となっており、東京都が0.72%と最も高く、次いで沖縄県が0.31%、埼玉県が0.28%、神奈川県が0.20%などとなっています。
一方、減少は40道府県となっており、秋田県(-1.47%)、青森県(-1.22%)など6県で、人口減少率が1%を超えています。

人口増加率は、前年に比べ、沖縄県及び神奈川県で拡大、埼玉県は変わらず、東京都、愛知県、千葉県及び福岡県で縮小しています。

一方、人口減少率が前年に比べ拡大したのは31道府県で、うち和歌山県(対前年差0.12ポイント)が最も拡大しています。減少率が縮小したのは岐阜県(同0.09ポイント)など8県となっています。

総務省発表の人口推計より。2018年(平成30年)10月1日現在

さらに人口増減の要因をみると、人口が増加した7都県のうち、沖縄県は「自然増加・社会増加」、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県及び福岡県は「自然減少・社会増加」となっています。

ここでいう自然増減とは“死亡数と出生数の差による増加・現象のこと”。一方、社会増減とは“他地域からの転入、あるいは他地域への転出によって生じる増減のこと”です。

一方、人口が減少した 40道府県は全て「自然減少」となっており、うち大阪府、滋賀県など8府県が「社会増加」、他の 32 道県が「社会減少」となっています。前年と比較すると、島根県は「社会減少から社会増加」に転じ、静岡県は「社会増加から社会減少」に転じています。

なぜ沖縄県のみ「自然増加」しているのか?

自然増減を都道府県別にみると、沖縄県のみ増加、他の46都道府県は減少。人口が増加した東京など7都県はすべて「社会増減」で増えていますが、『沖縄県』だけは「自然増減」で増えています。

総務省発表の人口推計より。2018年(平成30年)10月1日現在 ※クリックして拡大

つまり亡くなった人よりも生まれた人が上回っているという、日本の中で唯一の県。しかも推計を開始してから40年近く自然増が続いているそうです。

人口が増えている県自体が少ないなかで、自然増で人口が増えている沖縄は特別な存在と言えます。

実際、沖縄県の人口千人当たりの出生率は11.3(2017年)となっていて、全国平均よりも3.7ポイント高くなっています。

なぜこれだけ沖縄の人口増が全国に例を見ない状態なのか。

厚生労働白書(2005年)では、

・他の都道府県と比較して、親族や地域のコミュニティの結び付きが強く、相互扶助の精神(沖縄の言葉で「ゆいまーる」)が今でも残っている
・男系の子孫を重んじるため、男児を産むまで出産を制限しないため、結果的に産む人数が多くなる

という2つの説を挙げています。

40年近く人口の自然増が続いている沖縄県

上記のような独特の社会・風習だけでなく、「沖縄県人口増加計画」と銘打って、将来直面する人口減への対策を県自体が主導していることも影響しているかもしれません。

首都圏以外で活気ある福岡

埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県のいわゆる首都圏以外で、人口が増加したのが「愛知県」と「福岡県」です。

特に福岡県は近年、再開発などで街としての魅力が急騰中。とくに「福岡市」は人口が流入する社会増だけではなく、出生による自然増でも増えています。若い年齢層が定着しており、活気のある街であることが考えられます。

福岡市屈指の住みやすい街「藤崎」生活利便性が高く、子育て環境も充実した魅力満載のファミリータウン

たとえば福岡市屈指の文教地区・藤崎は「西の副都心」として大人気のエリアです。都心へのアクセスが良好であることに加え、バス路線も充実。大型商業施設の利用もでき、不便のない生活を送ることができます。

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まとめ

少子高齢化という全体の流れがありながら、人口動向では地域の差も出ています。それぞれの自治体の様々な施策にも影響してくるため、住まい探しをする際には人口構成という観点でチェックすることもひとつポイントとなりそうです。

(最終更新日:2019.10.05)
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