快適に暮らせるマイホームにすべく、リフォームを検討している人は多いでしょう。最新の設備を導入したり、使い勝手を高めたり、リフォームによって住み心地を高めている人がたくさんいる一方で、リフォーム工事に関するトラブルもあるのも事実です。
どのようなトラブルが発生しているのか、トラブルを回避する方法は? オンラインリフォームサービス「リノコ」を運営するセカイエ株式会社 リノコ事業部の大東さんに聞きました。
リフォームでよく起きるトラブルとは?
リノコのコールセンターには、日々さまざまな相談が寄せられています。リノコで契約していない人が「この契約、本当に大丈夫?」と、セカンドオピニオン的にアドバイスを求めるケースも多いようです。
一口に「リフォームトラブル」といっても、その内容はさまざまです。リノコのコールセンターに過去に寄せられたトラブルやご相談の内容と解決方法を紹介します。
費用に関するトラブル
誰だって、リフォーム費用はできるだけ安く抑えたいところ。しかし、価格だけでリフォーム会社を決めることは控えましょう。「安いから施工品質が悪い」「高いから施工品質が良い」とは一概に言えませんが、しっかりと吟味することが重要なポイントです。
大東さん:
きちんとしたリフォーム会社を見つけるために、相見積もりを取ることをおすすめします。例えば、通常は単価1,000円程度の壁紙の見積もりに関して、1社だけ1,500円で見積もりを出していたら気になるはずです。複数社の見積もりを比較検討し、金額に突出した違いがないかチェックしましょう。ただし、リフォーム会社により得手不得手があり、会社によって安く仕入れることができる設備や建材のメーカーも異なります。安いからといって必ずしも裏があるわけではありません。しっかりとリフォーム会社の人に確認することが大切です。
また、契約していた金額よりも費用がかかり、追加請求をされたというケースもよくあるトラブルです。
大東さん:
リフォーム会社側が、追加工事の必要性に気付いていながら、あえて説明をせずに契約をしてしまうことがあるようです。そのようなことを事前に防ぐには、見積もり時に想定される追加工事やどの程度の追加費用がかかる可能性があるのか、見積もりの段階で事前確認することが大切です。施工事例が豊富なリフォーム会社を選べば、トラブルのリスクを軽減できるでしょう。ちなみに、リノコには全国のリフォーム会社が登録していますが、加盟時には審査を行っています。そのようにプロのお墨付きがあるリフォーム会社を選ぶのも一つの手です。
契約に関するトラブル
リフォームの際、契約書を結ばないケースや、内容があやふやなまま契約をしてしまい、後になってトラブルに発展するケースも多いようです。リノコには、そうした契約に関する問い合わせが寄せられることもあるそうです。
大東さん:
見積書や契約書の内容が、よく読むとずさんなケースが目立ちます。工事内容と料金を細かく明記してくれるリフォーム会社なら一定の信頼がおけますが、詳細を明らかにすることなく契約しようとするリフォーム会社は要注意です。細かな内容を事前に確認しましょう。
またリフォームの契約書は一般の人にはなじみがない記述が含まれている場合もあります。契約締結後では対処が難しいことも多いので、可能であれば見積もりの段階から、リフォーム経験がある方や有識者にアドバイスを求めることをおすすめします。リノコのコールセンターでは、リフォーム・コンサルタントが無料で相談に応じています。当社のようなサービスを積極的に活用してトラブルを事前に回避していただきたいですね。
施工中~施工後のトラブル
リフォーム会社と契約を交わした後で生じるトラブルも少なくありません。
大東さん:
「リフォーム工事の予定日が先延ばしになってしまった」「当初決めた工期を過ぎても工事が終わらない」といった相談が寄せられることがあります。工事に必要な建材や設備が届かないなど事情があるケースも多いため、ある程度は許容せざるを得ないでしょう。ただし、そうしたリスクに関する事前の説明が不十分なケースが多いことは事実です。工期のリスクについても事前にしっかりと説明してくれるリフォーム会社を選ぶことを心掛けましょう。
リフォームを終えた段階で「こんなはずではなかった!」と後悔するケースもあります。
大東さん:
お客さまより「思っていた仕上がりと違った」というご相談も寄せられることがあります。例えば壁紙の貼り替えを依頼した場合、通常はカタログの中からお客さまの好みの壁紙を選んでいただきますが、リフォーム会社が選ぶケースもあるようです。
キッチンなどの設備に関しても同様で、ショールームなどで実物を見ることなく、リフォーム会社がおすすめする設備に決めてしまう人が少なくないようですが、いざ引き渡しを受けてから「壁紙が安っぽく感じる」「キッチンに欲しかった機能が備わっていない」といったことに気づいても、後悔先に立たずです。このようなトラブルは、壁紙なら契約時に品番を確認する、キッチンなどの住宅設備であれば必要な機能などを細かく指定したり、ショールームに行ってみて実物を確認してみたりといったことで、ある程度防ぐことができます。
リフォーム会社に依頼する前に、トラブルの予防策は?
こうした数々のトラブルを回避するために、私たちはどんなことに気を付ければよいのでしょうか?
大東さん:
少しでもリフォーム代を抑えたい気持ちは分かりますが、金額を重視しすぎてほかのことがおろそかになっていませんか? 後でもめることがないよう契約書を交わしたか、リフォーム内容や契約条件に問題がないかといったことを契約前にしっかりと確認することが大切です。また、前述の通り、複数社に見積もりを取ってしっかりと比較しましょう。ただし、各社で同じ項目でも名称が異なり、余計に混乱してしまう可能性もあります。全国各地のリフォーム会社が登録するリノコでは、見積書のフォーマットを統一しているため、どなたでも簡単に比較検討が可能です。
契約書に問題がないか、プロに確認してもらう方法も有効です。
大東さん:
リフォームは人生で何度も経験することではありませんから、ほとんどの方が初心者です。契約書の内容などを精査するのが難しいと感じたら、知見のある人にアドバイスを求めましょう。マンションの場合は、同じマンション内などでリフォームをしたことがある人を探し、アドバイスを求めてもよいでしょう。リフォームに詳しい人が身近にいない場合は、相談窓口を設けているリフォーム会社や、電話での問い合わせにしっかりと対応してくれるリフォーム会社を選ぶと安心です。
それでもトラブルが起きてしまったら、解決方法はあるの?
リフォームに関するトラブルは、未然に食い止めることが大前提です。しかし、どんなに気を付けていてもトラブルに見舞われてしまう可能性はありますし、すでにトラブルに巻き込まれてしまったという人もいるでしょう。そんなときには、どのように対応すればよいのでしょうか?
大東さん:
契約前であれば、トラブルを未然に防ぐことができます。当社のコールセンターにも「見積もりをチェックしてほしい」というご相談が入りますが、見積もり書をよく読むと、同じ内容の工事が文言を変えて複数箇所に明記されていたり、一人で容易にできる作業に何人もの人員を割いていたり、おかしい点が見つかることも。何か少しでも引っかかることがあれば、プロに相談し、その結果に応じて契約をストップすることをおすすめします。
契約してしまった後にご相談いただいた場合は、契約内容を精査し、記載されている工事が行われているかという視点でアドバイスをすることしかできません。工事完了後も同様で、有償で対応しかできませんので、契約は慎重に行なったほうがよいでしょう。
写真提供|取材協力:リノコ
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