いまさら聞けない仮想通貨の基礎知識。実際に手に入れる方法は?

かつて世間を賑わせた仮想通貨。キーワードは耳にするものの、理解するタイミングを逸したまま、実はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は仮想通貨の基本的な概念から実際に手に入れる方法まで、初心者なら知っておきたい基礎知識を調べてみました。

仮想通貨と法定通貨の違い

法定通貨とは各国が定めた通貨のことで、中央銀行により発行・管理されています。私たちがふだんの買い物で使用している紙幣や硬貨は、まさに法定通貨であり、日本なら円、アメリカならドル、ヨーロッパではユーロが使われています。

価値は国によって保証され、景気に合わせて発行量を調整することが可能でき、利用範囲は限定的です。外貨への両替はできるものの、円のままではほぼ日本国内でのみに使用が限られます。

一方の仮想通貨はデータとして存在しており、実体はありません。2017年4月に施行された「資金決済に関する法律(資金決済法)」によれば、仮想通貨を下記のように定義しています。

“1.「物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」”

“2.「不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」”

仮想通貨は特定の国による管理や保証はなく、発行量も決められています。仮想通貨の中でもよく知られているビットコインならば、その上限は2,100万BTC。2140年ごろに達するとみられ、現時点ですでに7~8割が発行済みとされています。

仮想通貨の大きなメリットとしては、送金を素早く安価に行えること。データ上のやり取りのため手数料は現金と比べるとかなり安く、海外への送金に適しています。便利な一方で、取引所の破綻やハッキング等により財産が失われるリスクも。また、価値が安定していないため、購入時よりも大暴落してしまうことが考えられます。

仮想通貨を手に入れる方法

仮想通貨は現在、2,000種類以上もあるといわれています。世界初の仮想通貨とされるビットコインはもちろん、それ以外の仮想通貨(アルトコイン)にも注目が集まっています。

代表的な仮想通貨

・ビットコイン
・イーサリアム
・リップル
・ビットコインキャッシュ
・ライトコイン
・ネム

これらの仮想通貨は取引所を通じて売買するのが一般的。口座を開設してから入金し、そのお金で仮想通貨を購入するというわけです。取引所によって扱う仮想通貨が異なるので、目的に合わせて選ぶことも忘れないようにしましょう。

口座開設には本人確認書類が必要です。入金は銀行振り込みやコンビニ払いなど選択することができますが、その方法によって手数料が異なるので注意しましょう。

専用のATMを使うことにより、仮想通貨を売却して現金化することも可能ですが、日本にはまだ数が少なく、取引所で換金することになるでしょう。ただし、手数料は必要なので注意が必要です。

仮想通貨を売買できるATMも登場しています

仮想通貨の課題

仮想通貨は送金や物品の購入に使えるものですが、現時点では法定硬貨の代わりとしては使いにくいものとなっています。

通貨には価値の交換、価値の尺度、価値の蓄積という「三大機能」があります。あるモノを得るための対価として通貨を使うのが「交換」です。これについていえば、特定の店や場所では機能するものの、まだ一般的とはいえません。

「尺度」とは、モノの価値を示すものさしとしての機能。たとえば、ある車を1,000万円で購入すれば、その車の価値が客観的にあらわされます。しかし、仮想通貨は価値が変動するため、尺度として用いるには不向きです。

仮に、1BTC=50万円のときに20BTCで車を買ったとしましょう。日本円で1,000万円の価値があるとみなされますが、次の日に1BTC=10万円まで暴落したらどうでしょうか。20BTC=200万円となり、1/5以下の価値としてみられてしまいます。

最後に「蓄積」ですが、法定通貨なら1,000万円を持っている人は、10年後も同額を所持していることになります。仮想通貨は価格変動の激しい現時点ではこの機能も弱いとされていますが、国際通貨として一般化すればカバーできるようになるかもしれません。

仮想通貨はいわゆる「お金」としての役割よりも、投資商品としてとらえている専門家も少なくありません。日本ではまだ一般的ではなく、税金や保証制度などの法整備も変わる可能性があるとのことです。

また、「よくわからないけど儲かる」というイメージからか、詐欺に利用されることもしばしば。仮想通貨を入手したいと思った場合は、つねに最新の情報を仕入れ、金融庁の認可を受けた業者と取引するようにしましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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