火事になると、一瞬にして大事なものをすべて奪っていくため、絶対に起こしたくないものです。そのためには火災原因を知り、普段の生活から火事を起こさない意識を高めておくことが役に立ちます。今回は、主な火災の原因や防火対策を解説します。
火災の主な原因
総務省消防庁が発表した「平成29年(1~12月)における火災の状況」によれば、総出火件数は39,373件、総死者数は1,456人でした。このうち、住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)数は889人です。
出火原因の第1位は「たばこ」(9.4%)となり、「放火」(9.0%)、「こんろ」(7.7%)が続きます。たばこもコンロも火を使うわけですから、適切に扱わなければ火事になることは容易に想像できるのではないでしょうか。そのため、多くの人が注意を払っていることと思います。
しかし、実際の火災は、ほかの要因によっても引き起こされています。その原因を知ることで、さらに防火することが可能なのです。
意外な火災原因を知る
火災を防ぐには、火の取り扱いに注意することが重要です。とくに、「仏壇」がある家庭は要注意。線香が倒れる危険性だけでなく、衣服に着火したりすることも考えられるからです。線香を点けたらそのままにしている家庭は多いですが、完全に消えるまではその場を離れないようにしましょう。
火を使っていないのに、火災が起きることがあります。「アロマオイル」による事故は、その代表例といえるでしょう。アロマポットやキャンドルが倒れることで火事になる恐れがありますが、原因はそれだけではないのです。
アロマオイルが付着したタオルを乾燥機にかけると、高熱を発する可能性があります。洗濯機で洗っても、しみ込んだオイルが感染に落ちていないことがあり、そのまま乾燥機にかけることで火災につながったケースが報告されているのです。アロマオイルに限らず、油を含んだ布製品は乾燥機を使わないこと。自然乾燥を行いましょう。
ゴキブリやネズミが家電製品の内部に侵入し、コードなどをかじることで火災が起きることも。どんなに火の始末をしっかりしても、これでは防火が万全とは言えません。衛生的な環境を保つことを心がけ、害虫類を侵入させないことも大事です。
ペットのいる家庭も要注意
ペットが火災を引き起こす例もあります。
「コードをかじって断線した」「コンロのスイッチを入れてしまった」「仏壇のろうそくから被毛に着火し、暴れまわることで延焼してしまった」など、さまざまなケースが報告されています。ペットが家の中で自由に動き回れるようにしていると、こうしたリスクは避けられません。
火元に近づけないことはもちろんのこと、コードをむき出しにしないなどの工夫が必要です。留守番をさせる場合はケージに入れたり、コード類と接しない場所で過ごさせたりしましょう。
火災が起きれば家という大事な財産を失うだけでなく、命を落としてしまうことだってあります。さらには、他人の財産をも奪ってしまうこともあるわけです。あらゆる可能性を考慮して、火の用心に努めましょう。
(最終更新日:2019.10.09)