暮らしやすい平屋とは? リビング中心+ロフトで効果大!

生活空間がすべて1階にあり、移動も掃除も楽で、老後も安心して暮らせると人気が高まっている「平屋」。しかし、家族が多く部屋数が必要な場合や、広い土地を確保しにくい都市部で建築する場合、間取りをしっかり考えておかないと、暮らしにくい家になってしまいます。暮らしやすい平屋の間取りとはどのようなものでしょうか?

必要な部屋数と間取りの考え方

まずは家族構成から考えてみましょう。夫婦2人が暮らす家であれば、部屋数は必要ありませんが、子育て世代の場合、夫婦の部屋とは別に、子ども部屋を確保しなければなりません。多くの子育て世代が予算的にも手が届きやすく、需要が伸びているのが30坪前後の家になります。この広さであれば4LDKまでは無理なく間取りを組むことができ、3LDKならば広さも十分、5LDKになるとやや窮屈に感じる造りとなる場合が多いです。子どもの人数にもよりますが、少なくとも3LDKは確保したいところ。3室あれば、1室は夫婦が使用しても、残り2室を子ども部屋に充てることができます。子どもが1人の場合も、残り1室を客間や趣味の空間に使うこともできます。

また、平屋は家の中心部に日差しが入りにくいので、採光を確保するため、家の形や部屋の配置を考えていかなければなりません。おすすめは、東西に横長の平屋を建てられる正方形や長方形の土地。南面が広くとれるので、採光も通風も十分得られそうです。しかし、南北に縦長の土地であっても、工夫次第で明るく風通しのよい空間は実現できます。平屋は2階がないので、屋根の形が比較的自由です。勾配屋根にして高い位置に窓を設け、風の通り道を作ったり、日差しの入りにくい北側の部屋にトップライトを設けたりすることができます。また、建物をコの字型にして中庭を設けることで家の中心部に光と風を入れることも可能。これなら、南北に細長い土地でも快適な居住空間を実現できそうです。

リビングを中心にした間取りで、家族が自然と顔を合わせる動線に

写真はイメージです

生活空間がすべて1階にそろう平屋は、家の中で孤立する部屋がなく、家族の気配を身近に感じながら生活できるのが大きな魅力です。さらに、リビングを中心とした間取りにすることで、家族間のコミュニケーションがより活発になります。玄関からホールを通り、その先にすぐリビングを配置。ここを取り囲むように、子ども部屋や寝室、ダイニングキッチン等を配置すると、生活の中で自然と家族が顔を合わせる暮らしになります。これがもし、玄関から廊下を伸ばし、その両サイドに各部屋を配置してしまうと、プライバシーは守られますが、家族と顔を合わせずに子ども部屋や寝室に向かう間取りとなってしまいます。子どもが思春期や反抗期にさしかかり、親や祖父母と距離を置きたくなる時期も当然訪れますが、自然に顔を合わせる間取りにすることで、自然とコミュニケーションを図れるようになるでしょう。

生活音の気になるトイレや浴室など、水回りの配置に注意

リビングを中心とした間取りを採用する場合も、使用時の水音が気になるトイレや浴室などの水回りは、気兼ねなく利用できるよう造りに気を付けたいところ。玄関を挟んでLDKとトイレ・浴室を分離する、LDKとトイレ・浴室の空間が続く場合も、キッチンの奥に配置して出入り口がリビングからなるべく見えないようにするなど、ひと工夫すると来客の際も気持ちよく使用できます。

平屋の暮らしを豊かにする、ロフトの魅力

リビングにロフトを設け、収納スペースにすることで、すっきりと。節税効果というおまけつき

郊外に広々とした平屋を建てる場合を除き、多くの平屋は空間が限られているため、収納や趣味のスペースが確保しにくいというデメリットがあります。そこで近年、注目を集めているのが、ロフトのある平屋です。特に人気なのは、リビングにロフトを設けるプラン。使わない季節の用品や、生活感のあるものを見えない位置に収納することで、すっきりとした居心地のよいリビングになります。また、奥まった空間を生かしてホームシアターとして愉しむこともできますし、読書や手芸など、好きなことに没頭するにもいいですね。さらに、一段高い場所に視線が向くことで、空間に広がりも生まれます。また、狭くなりがちな子ども部屋も、ロフトを収納や就寝スペースに使うことで、限られた空間を有効活用できます。

さらにロフトは、家づくりにおいて様々なメリットがあります。ロフトは建築基準法により「天井高1.4m以下で、直下の階にある床面積の2分の1以下の面積」と定められた「小屋物置等」という位置づけ。そのため、延床面積に含まれません。建物を建築する際、「敷地面積に対し、延床面積が占める割合は●%まで」と、用途用地ごとに容積率が決まっていますが、ロフトならば延床面積に含まれないため、容積率いっぱいに家を建て、なおかつプラスαのスペースが設けられるのです。しかも、延床面積に含まれないため固定資産税の課税対象外。家を広く活用しながら節税もできるのはうれしいですね。

まとめ

家族構成やライフスタイルによって、最適な間取りは様々です。我が家には最低何部屋必要なのか、限られた空間を最大限生かすにはどんな方法があるのかなど、ポイントをしっかり押さえてプランニングすることで、より暮らしやすい平屋が実現できそうですね。平屋ならではのメリットを生かし、居心地のよい理想の我が家をかなえてくださいね。

(最終更新日:2019.10.05)
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