スマートフォンを使った個人間送金サービスやキャッシュレス決済の普及が進んでいます。スマホを使った決済は不安という方もいらっしゃると思いますが、どんなサービスなのか知っておいて損はありません。サービスの内容や利用方法の他、利用する上での注意点についてもご説明します。
近年話題のスマホを使ったお金のやり取り
フィンテック(「ファイナンス」と「テクノロジー」を組み合わせた造語)という言葉を新聞や雑誌で見かけるようになって久しいですが、これは新しい情報技術と金融サービスを結びつけた革新的な動きのことをいいます。スマートフォン(スマホ)などを使った送金もそのひとつです。
スマホで利用できるお金のやり取りとして、近年注目を浴びているのが「個人間送金サービス」と「キャッシュレス決済」があります。それぞれどんなものなのか見ていきましょう。
個人間送金サービス
従来の個人間送金は銀行口座に直接振り込みを行っていました。「窓口」「ATM」「ネットバンキング」などソフト面の違いはあっても、銀行口座を経由するハード面は共通でした。
しかし、新たにスマホのアプリを使って個人間で送金できるサービスが浸透しつつあります。その特徴は、相手の銀行口座の情報を知らなくとも送金できる点です。送金できる金額はあまり大きくありませんが、仲間同士で簡単にお金のやり取りすることができます。
割り勘や幹事の集金に活用
個人間送金はどんなシーンで使えるのでしょうか。
たとえば、友だち同士で食事をして割り勘にするとき、現金がなかったり、小銭がなかったりして割り勘代をツケにしたことはありませんか? スマホを利用した個人間送金なら、そんなときも安心です。スマホアプリを利用し、建て替えてもらった金額をその場で送金することができるからです。
割り勘以外にも、忘年会や歓迎会など多数の人が参加する会で、幹事あてに個人間送金すれば、会費回収の手間が大幅に削減できます。
一番のメリットは手軽さ
個人間送金の代表格として多くの人が利用しているメッセージアプリLINEの「LINE Pay」についてご紹介しましょう。
利用の手順は次の通りです。
(1)「LINE Pay」に口座番号やクレジットカードを登録
(2)本人確認(本人確認をしなくてもLINE Payは利用可能)
(3)相手側の口座情報なしに、LINEでつながっている友だちに送金
送金だけでなく、自分が建て替えたときは割り勘の請求をすることも可能です。普段からLINEでやり取りをしている友だち間で、スムーズにお金のやり取りができるのです。
キャッシュレス決済
現金不要で支払いをするのがキャッシュレス決済です。クレジットカードやプリペイドカードなど、キャッシュレス決済の定義は広いのですが、ここでは従来のカードタイプではなく、スマホアプリを使った決済を取り上げます。LINE PayをはじめPayPay、楽天Payなど○○Payと呼ばれるものがアプリ決済の主なサービスです。
一般的なスマホ決済は支払い時、支払時ユーザーが自分のスマホ画面にQRコード(もしくはバーコード)を表示させ、店側がそれを読み取ることで決済が行われます。逆に店側がQRコードを提示して、客がそれを読み込むことで決済が行われる方法もあります。
アプリに口座やクレジットカード情報を登録する、アプリ上で事前に電子マネーをチャージするといった方法により、スマホ決済が行われます。
ここでご説明した、個人間のお金のやり取りをスマホでできる「個人間送金」と、スマホで即時決済できる「キャッシュレス決済」は、どちらもスマホを利用したものですが、内容に若干の違いがあります。中には同じアプリで双方の機能を有している場合もあるので、混同しないようにしましょう。
キャッシュレス決済を利用するには?
2018年11月には、スマホ決済の「PayPay」が利用者に100億円を還元するキャンペーンを行ったことが話題になったのをご存知でしょうか。100億円キャンペーンは、わずか10日間で還元金額が上限に達して終了したことも大きなニュースになりました。もともと日本はキャッシュレス後進国とされていましたが、キャッシュレス化の波が来ていることがうかがえます。
消費者の意識に合わせ、キャッシュレス決済サービスの新規参入も相次いでいます。もしもキャッシュレス決済を始めるなら、どのようにすうればいいのでしょうか? ここでは4社のサービスについて始め方を見ていきます。
各社のキャンペーンや割引も大きなポイント
個人間送金やキャッシュレス決済は基本的に無料で利用できるのも大きなポイントです。さらに、キャッシュレス決済を選択することで、ポイントがつくなど、現金払いにはない特典を受けられることもあります。
先ほどと同じ4社の例をご紹介しておきましょう。
キャンペーンや割引は、他にも期間限定で複数実施されています。
普及促進の効果もあり、今後も活発に行われると考えられます。利用するサービスを選ぶ際には、常に最新情報で比較し、メリットをうまく活用していきたいです。
キャッシュレス決済を利用する際の注意点は?
スマホを利用した決済で、支払いのタイミングはサービスによって異なります。
事前にチャージしておく「前払い」、銀行口座やデビットカードで即時決済する「即時払い」、そしてクレジットカードで決済する「後払い」などがあります。
支払いタイミングを勘違いして、残高不足に陥るようなことは避けたいものです。「いつ」「どのように」決済されるのかしっかり把握しておきましょう。
また、すべての店舗でキャッシュレス決済ができるわけではありません。特にスマホ決済はキャッシュレス決済の中でも、まだ始まったばかりといってもいいものです。利用するお店がスマホ決済に対応しているかどうか、会計前に確認しておきましょう。
キャッシュレス決済の怖さも知っておこう
スマホを利用したキャッシュレス決済は、利便性の高さや特典の多さでメリットが多い一方、セキュリティ面の不安があります。
本人のパスワード管理はもちろん、スマホが盗難にあった場合、また紛失した場合の対応も重要です。
利用者本人が、サービス運営会社に連絡すれば利用停止できますが、スマホを紛失した状態では利用停止の連絡も後手に回る可能性があります。不正利用された場合に補償してくれる制度があるかどうかなどもチェックしておくといいでしょう。
まとめ
スマホを利用した個人間送金やキャッシュレス決済は、サービスの創成期といえます。まだ導入に二の足を踏んでいる人も多いかと思いますが、今後ますます普及が見込まれます。興味がある人は早い段階で利用し、自分に合った使い方・サービスを見極めてみてはいかがでしょうか。
(最終更新日:2019.10.05)