自分の思いやイメージを正確に相手へ伝えるのはとても難しいことです。例えば美容院で髪型を変えるときに、切りすぎたり、想像していたパーマと違う仕上がりになったりした経験はありませんか? 髪は時間が経(た)てば延びますし、気に入らなければパーマやカラーのやり直しもできますが、家づくりで「思っていたのと違う!」なんてことになったら取り返しがつきません。そのような失敗をしないように、イメージを伝えるために有効な方法について、「おうちの相談窓口」店長で、おうちコンシェルジュの越智渉さんに伺いました。
言葉だけじゃ通じない!「雑誌」の切り抜きでイメージをアピール
従来、理想のイメージを伝えるために採られてきた方法の一つが雑誌の活用。住宅情報誌には、おしゃれな住まいの写真がたくさん掲載されています。自分の理想に合うものが見つかれば、切り抜きを見せてイメージを伝えると良いでしょう。
写真を見せれば、言葉だけでは伝わりにくい“色”や“形”などのイメージを共有しやすくなります。特に、床材や壁紙、照明、収納といった“素材”や“インテリア”についての要望を伝える際には有効です。画像を見ながら、どこのどのような部分を取り入れたいのかをアピールすると良いでしょう。一方で、部屋の広さや間取りなどは画像を見ただけでは分かりにくく、実物と自分の想像に差が生まれる可能性もあるので注意が必要です。
画像共有サイト「Pinterest(ピンタレスト)」なら打ち合わせもラクラク!
最近では、パソコンやスマートフォンを使って簡単に大量の画像を検索できるサイトなども存在します。中でも「Pinterest」は、大量の施工例が閲覧できるだけでなく、気になった画像をブックマークすることで簡単に自分のコレクションが作れるため、利用する人が増えています。いちいち画像をダウンロードしてまとめる必要がなく、削除したい場合もブックマークを外すだけで済むので、効率的にデータ管理をすることができます。
また、打ち合わせの際にもスマートフォンで自分のコレクションを見ながら話ができるので、プリントやファイリングといった準備も必要ありません。
「LINE」も大活躍、気になる物件を写メって送信
また、顧客との連絡手段としてLINE(ライン)を活用している住宅会社が増えているのも、スマートフォンが普及した現代ならでは。LINEであれば、時間を気にせず連絡ができるので、参考になる物件を見つけたらすぐに写メを撮って送ることが可能です。また、やりとりした内容が残るので、「言った」「言わない」といった事後のトラブルも防ぐことができます。
住宅会社によっては、建築開始後に進捗状況を送ってくれるサービスもあります。仕事が忙しかったり、遠方に家を建てたりといった理由で頻繁に建築現場を訪れることができない人は、サービスの有無を事前に確認しておくと良いでしょう。
ツールを使う時には「生活のイメージ」も合わせて伝えて!
大量の参考物件を見ていると、気になるものがたくさん出てくるはずです。画像を集めすぎると全体の統一感がなくなり、方向性が分からなくなることもあるでしょう。そのような状態で住宅会社へ建物の部分的なイメージだけを伝えてしまうと、理想とするものと違う仕上がりになりかねません。そのため、建物のイメージを伝える際には「新たな家での生活イメージ」も合わせて伝えることが重要です。
例えば、「景色が良いので休日はデッキでゆっくり過ごせる家にしたい」という人は、広い窓やデッキのある開放的な家が良いでしょうし、「夕食後は家族でゆっくりテレビを見る時間をつくりたい」という場合はソファが置ける広めのリビングが欲しいところです。まずは生活のイメージを住宅会社へ伝えたうえで、自分が集めた画像などを見せることで、自分に合った提案をしてもらいましょう。
まとめ
理想のイメージをしっかりと伝えるためには、生活のイメージをきっちりと決め、雑誌やスマートフォンなどを使って画像を一緒に見せるのが理想的です。最近では、完成後に「イメージと違う」というおうちの相談窓口への相談も増えているようなので、住宅会社に間取りの提案をしてもらう前に、今回紹介した方法でしっかりと意思の疎通を図りましょう。それでも“何か違う”と感じた場合は、他の住宅会社にアプローチすることも一案。トラブルを避けるためにも早めに検討するのがおすすめです。
<取材協力>
店長・おうちコンシェルジュ 越智 渉さん
おうちの相談窓口岡山店
住宅の購入や家づくりに関するさまざまな問題に対して、住宅購入の専門家である“おうちコンシェルジュ”が公正中立な立場で回答。住宅業界の話や、知って得する“お役立ち情報”を無料で提供している。