家族構成や間取りにかかわらず、マンションやアパートでの「フローリング」を気にする人は多く、こだわる人も多いようです。住んでいるマンションの床をフローリングに張替える人も増えてきているそう。しかし、一口にフローリングと言ってもたくさんの種類があることを知っていましたか。フローリングの種類とマンションの相性によっては、張替えができないこともあります。自分の望む通りの張替えをするためには、フローリングについて深く学ぶ必要がありそうです。今回は、フローリングの種類や選び方のポイント・注意点などについて詳しく紹介します。
マンションでも人気のフローリング
メリット
マンション購入検討者の間で選ばれ、根強い人気を誇る「フローリング」。もちろん、床材に畳やじゅうたんを利用する家庭もありますが、あくまで部屋の一部に限定されるケースが多くなっているようです。和を演出する畳を好む人もいますが、ダニの繁殖や掃除が大変という理由から敬遠されることもあるようです。
一方フローリングは、ホコリが詰まりにくいため掃除が比較的簡単と言えます。また、水拭きも行えるため、衛生とメンテナンスの両面から需要が高まっています。
また、フローリングの持つ色や木目を自由に変えられるというメリットも、マンション床材への採用が多くなる要因です。
デメリット
そんな、いいことづくめに思えるフローリングにも気になることが。代表的なフローリングのお悩みは、周辺住民への騒音です。畳には、ある程度音を吸収してくれる役割があるため、騒音も少なくて済みますがフローリングはそうはいきません。フローリングの種類によっては、足音などの騒音が響きやすい特徴があるため、フローリング選びは慎重に行う必要があります。
フローリングの種類
フローリングには、「複合フローリング」や「無垢フローリング」があります。
複合フローリングは、耐水性や傷に強く手入れをしやすいのが特徴です。また、合板の表面に薄い天然木を貼り付けているため、さまざま種類の木目を選ぶことができます。
無垢フローリングは、100%の天然木を使用したもので肌触りや匂いが魅力です。また、湿度変化に強い特徴も持ち合わせています。しかし、複合フローリングに比べると、汚れがつきやすい特徴があるため管理の面ではデメリットに感じることもあるかもしれません。
【フローリングの種類と特徴】
種類 | 特徴 |
複合フローリング | 耐水性や傷に強く手入れをしやすい |
無垢フローリング | 100%の天然木を使用したもので肌触りや匂いが魅力 |
フローリング選びのポイント
フローリング選びには、遮音性・価格・実用性がポイントとなってきます。
まず、マンションで重要なポイントとなるのが「遮音性」です。マンションでは、遮音性の高いフローリング材を使用する指定がある場合が多いからです。そもそも、遮音性にはJIS規格で定められたL35~70に振り分けられた等級が存在します。この等級は、L50を標準としており数値が高いほど遮音性が低いと判断される仕組みです。マンションの多くは、近隣の騒音対策として標準よりも高いL40~50を指定している場合があります。つまり、マンションでフローリングをリフォームためには、管理規定を超えるフローリング材を使う必要があるということです。
続いて「価格」は、無垢材が最も高く、シート合板が最安値となります。シート合板はあくまでもシートなので木材ではありませんが、多くのマンションやアパートでは、シート合板が使われています。価格面だけでなく、部屋の雰囲気に合わせ納得できるものを選びましょう。
最後に「実用性」です。メンテナンスの面で清掃のしやすさは重要なポイントですが、フローリング材によって掃除のしやすさが全く異なります。シミや汚れを拭き取りやすいのはシートタイプです。複合材や無垢材は、木を使用しているためシミや汚れが残ってしまうケースもあります。そのため、複合材や無垢材を選ぶ際は、定期的なワックスがけが必要です。
フローリングへの張替えはできる?
マンションの床をフローリングへ張替えたい時は、管理規約に禁止との記載がない場合は可能です。
また、中古マンションを購入した際も同様に、フローリングに張替えることもできます。しかし、フローリングの張替えには、張替え前が畳やじゅうたんかなどによって費用が変わってくるので理解しておきましょう。
畳からの張替えに比べて、カーペットやクッションフロアのほうが比較的安価な特徴があります。
そのため、中古マンションの購入とフローリングの張替えを同時に行う場合は、リフォーム費用も視野に入れて予算を立てましょう。また、古いフローリングを新しいフローリングに張替えることも可能です。フローリングからフローリングの張替えを安価に抑えたい人は、上張りがおすすめです。
張替えを行う前の注意点
マンションでフローリングの張替えをする場合は、管理規約と近隣住民に注意して行う必要があります。
事前に注意しておけばトラブルを未然に防ぐことにつながります。中古マンションの購入時や分譲マンションのリフォームで、フローリングの張替えを検討している場合は、まずマンションの管理規約を確認します。マンションによっては、規約によりフローリングの張替えができない場合や遮断性の指定があるので注意が必要です。
フローリングの張替えを左右する「使用できる素材」や「遮音等級」は、あらかじめ確認しておきましょう。自分では判断が付かない場合は、管理人に相談すると安心です。
続いて、フローリング工事には、作業員の出入りや騒音の被害が少なからず発生します。そのため、必ず近隣住民へフローリングの張替えの旨を伝えるようにしましょう。一声かけるだけで、周りの理解も全く変わってきます。近隣住民への声がけを怠ったことでトラブルに発展したケースもあるので、注意が必要です。
ほかにも、マンションによって床下構造が異なり、種類によって張替えの下地処理方法が違ってきます。主に、直貼り工法と二重床工法があるため事前に確認しておきましょう。構造がよくわからない場合はそのままにせず、建築会社やハウスメーカーに確認してみましょう。
快適に暮らせるような工夫を
フローリングの張替えで失敗したくない人は、フローリングの種類や選定方法を理解しておくと便利です。また、張替え前の状態によって費用が変わってくるので、中古マンションの購入を検討している人は頭に入れておきましょう。マンションのリフォームを検討している人は、今ある床と照らし合わせた費用で計算するのをおすすめします。フローリングの張替えは、たしかに費用は掛かりますが、雰囲気や住みやすさを決める重要なポイントです。フローリングの張替えで家族の雰囲気も明るくなったという家庭も実際にいます。フローリングの張替えを成功させ、マイホーム生活をより快適なものにしたいですね。
(最終更新日:2019.10.05)