マンションとアパートはどう違う? それぞれの特徴とメリットを知っておこう

普段、何気なく口にする「マンション」という言葉。実は、海外と日本では意味が違うことを知っていましたか。また、一口にマンションと言っても、分譲用と賃貸用に分かれますし、そもそもどういう建物をマンションというのでしょうか。マンションとアパートの違いをはじめ、その言葉の持つ意味を解説していきます。

マンションは実は和製英語だった?

日本では「マンション」という言葉は、集合住宅を意味します。しかし、実はマンションは和製英語で、日本以外では別の意味に捉えられるので要注意です。アメリカやイギリスなどの英語圏では「マンション=大豪邸」の意味となってしまうのです。

さらに、イギリスでは「マンションハウス=市長公邸」を意味します。そのため、アメリカやイギリスに行ったとき、うっかり「家はマンションです」などと言ってしまうと、相手は大富豪だと勘違いしてしまうかもしれません。アメリカやイギリスでマンションに代わる言葉は「アパートメント」です。さらに、賃貸物件の場合はアパートメント・レンタル、分譲物件の場合はコンドミニアムという言葉を使うようにしましょう。

【英語圏(アメリカやイギリス)での「マンション」の使われ方】

  意味、呼び方
マンションの意味 大豪邸
マンションに代わる言葉 アパートメント
(賃貸物件の場合) アパートメント・レンタル
(分譲物件の場合) コンドミニアム

もともとは高級な集合住宅に「マンション」

そもそも、日本で「マンション」という言葉が使われたのは、昭和31年のことです。当時、東京で「四谷コーポラス」という高級な集合住宅が売り出されることになりました。大卒初任給が1万円の時代に3LDKで230万円という価格設定であることから、いかにこの集合住宅が高額であったかがわかると思います。

その際、日本のデベロッパーは、この集合住宅に対して「マンション」という言葉を使い、高級感を持たせようとしました。それ以来、日本では高級な集合住宅に限らず、すべての集合住宅にマンションという言葉が使われるようになったのです。

マンションと他の集合住宅の違い

では、日本におけるマンションとはどのような特徴を持っている集合住宅を指すのでしょうか。次から、マンションの特徴、マンションとアパートの違いを解説していきます。

マンションとアパートの違いは呼び方だけではありません

1.マンションの特徴

マンションには、いくつかの特徴があります。まずは「構造」です。マンションの場合、鉄筋造、鉄骨造、鉄筋鉄骨造のいずれかで建てられていて、3階建て以上となっています。ただし、なかには低層マンションもあるため、必ずしも3階建て以上あるとは限りません。次に、マンションはアパートと比べて、「耐震性・耐久性・防音性に優れている」ことがあげられます。そのため、地震などの揺れに強く、また隣近所の生活音などを遮断してくれます。揺れや騒音などに悩むことなく、快適に暮らすことが可能です。

一方で、建築費がかかるため、マンションを賃貸で借りる場合の家賃はアパートよりも高めに設定されています。

このほか、マンションには設備が充実していることも挙げられます。オートロックや監視カメラなどのセキュリティが万全な物件もあり、一人暮らしの女性でも安心して生活することができるのです。また、なかには管理人が常駐している物件もあります。住民トラブルや室内の設備の故障など、何か困ったことがあれば、すぐに管理人に相談することができるのです。このほかにも、宅配ボックスや24時間利用可能なごみ捨て場を設置している物件もあります。一人暮らしで留守がちな人は、時間に縛られず行動できるため、こうした設備があると便利です。しかし、設備が充実しているマンションほど、家賃は高くなる傾向にあります。

2.アパートの特徴

アパートの特徴としては、構造が軽量鉄骨もしくは木造で、2~3階以下の低層住宅であることが挙げられます。アパートの場合、基本的にはエレベーターは設置されていないのです。ただし、マンションでもエレベーターがない場合もあるため、エレベーターがないからといってアパートだと決めつけることはできません。

また、アパートの構造は木造や軽量鉄骨造であるため、どうしても鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションと比べると、耐震性・耐久性・防音性で劣ります。アパートの場合、隣人の生活音が気になる場合も多いでしょう。しかし、マンションと比べると建築費用が安く抑えられているため、家賃も安くなっています。

アパートのごみ捨て場は24時間使用できないのが一般的です

このほか、アパートにはオートロックや監視カメラ、宅配ボックス、24時間利用可能なごみ捨て場などがない物件がほとんどで、セキュリティや利便性の面でもマンションには劣るケースが多いかもしれません。

また、管理人が常駐していない物件が大半です。何かトラブルがある場合は、不動産会社もしくは大家に直接相談することになります。手間はかかりますが、マンションと比べて、管理費などが低く抑えられるのが魅力です。

分譲マンションと賃貸マンションの違い

一口にマンションと言っても、分譲マンションと賃貸マンションがあります。分譲マンションとは、一棟のマンションを一戸ずつ分けて売っているマンションのことです。一方、賃貸マンションとは、家賃収入を得るために第三者に貸す用に建てられたマンションのことです。一般的に「マンションを買いました」と言う場合、分譲マンションの一戸を手に入れたことを意味します。

分譲マンションと賃貸マンションにはそれぞれ特徴があります。

暮らしをカスタマイズしたいかどうか

まず、分譲マンションの場合、基本的には自分で住むために購入しているため、住んでいる人が持ち主となります。そのため、自分の好みに合わせて、マンションの壁紙などを自由に変えることができます。また、家族のライフスタイルが変わった場合に、使いやすいように扉をなくしたり、部屋数を多くしたりなど、大胆なリフォームすることも可能です。しかし、賃貸マンションの場合は、人から借りている部屋のため、内装もリフォームも大家もくしは不動産会社の許可なく行うことができません。

こだわった買い物か、気軽な住まいか

次に、分譲マンションの場合、住宅ローンを組み長期間の返済をしてくことで、購入するケースが多いでしょう。高額の買い物になるので、一生ものと考える人も多いはずです。そのため、長く住み続けられるように建物や設備のグレードを高いものを選んだり、良い設備にこだわるシーンが増えてきます。また、長年住んでいる人が多くなると、マンションの住民同士の結束も固くなるでしょう。なかには、管理組合はもちろんのこと、趣味のサークルなどがマンション内にある場合もあります。

一方、賃貸マンションの場合、数年で住民が入れ替わることが多いため、隣人の顔も知らないというケースもあるほどです。そのため、不審人物がマンションのエントランスや廊下をうろついていても、全く気づかないといった可能性やリスクも存在します。しかし、賃貸マンションには気軽に引っ越せるというメリットがあります。転勤などが多い人、独身で今後、結婚して家族が増える予定がある人などは、賃貸マンションのほうが便利でしょう。

老後を見据えた資産性

第3に、賃貸マンションの場合は、いくら家賃を支払っても将来自分のものにはなりませんが、分譲マンションの場合は資産になります。なかには、月々の家賃と同じぐらいの金額で住宅ローンが組める分譲マンションもあります。早いうちから、分譲マンションを購入しておくと、老後に備えることができるでしょう。

物件を探す前に言葉の意味を知っておこう

契約の前には基礎知識を仕入れておくと安心です

マンションには「鉄筋造、鉄骨造、鉄筋鉄骨造であること」「3階建て以上であること」などいくつかの条件があります。マンションとアパートのそれぞれの特徴や違いなど、これらの条件や不動産用語の基礎知識を知っておくと、失敗して後悔しない物件選びにもつながるでしょう。ぜひ家さがしの参考にしてみてください。

(最終更新日:2019.10.05)
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