「株を運用して資産形成を行いたい」「魅力的な株主優待を受けたい」と考える株初心者は多いでしょう。でも株式投資ってなんだか難しそうと思う方もいるかもしれません。今回は、これから株式投資を始めたいと思っている初心者の方に向けて、「株式投資」の基礎知識を解説します。
優待目的の株式投資を始める前に知りたいこと
株式に投資をする魅力のひとつに株主優待をあげる人もいらっしゃいます。株主優待を実施している会社の株主は、会社の商品、優待券や商品券など、その会社ならではの優待を受けることができます。また株主優待を実施する会社も年々増えている傾向にあります。(下記図参照)
ただ、言うまでもなく株式に投資した元本は保証されません。そこで、株主優待デビューに向けての基本知識をお話したいと思います。
株主優待を受けるには、まずその会社の株式を購入して株主になることです。株主になるまでの大まかな流れは次の通りです。
(1)株主になる会社を決める
株式を購入すると得られる優待の魅力のある会社を見つけます。株主優待の内容だけでなく、その会社の業績なども調べて株式を購入することが必要です。
(2)証券会社に口座開設
証券会社に口座がない方は口座開設をします。
(3)口座に資金を振り込む
銀行口座に入金するのと同じです。銀行から証券会社の口座にお金を振り込みます。証券会社や振り込む銀行によっては振込手数料が無料のところもあります
(4)購入する株式の注文を出す
証券会社にどの株式(銘柄)を何株(株数)買うのか注文を出します。ネットで注文することもできます。
注文方法は2種類あり、株価がいくらでもいいから買う(成り行き注文)方法と自分で買う価格を決める(指値注文)方法があります。
(5)取引成立する(約定)
注文した取引成立することを約定(やくじょう)といいます。そしてその会社の株主になり、株主優待の権利を得ることになります。
なお、証券会社ごとに株式の売買手数料や口座管理料が必要な会社もあればその金額も違います。同じ銘柄を購入するにしても、口座を開設する前に各証券会社を比較検討することも必要です。
株式投資初心者に知っておいてほしいこと
優待目的に限らず、株式初心者の方が株式投資をするにあたって知っておいていただきたい大切なことがあります。
まず、「家計収支に影響のない余裕資金の範囲内で運用すること」が基本です。具体的な金額は各ご家庭の家計状況によって違います。
株式に投資をすることは、元本の保証されていない金融商品に投資をするということです。投資金額を決める際には、仮にその金額が大きく減ることになってしまった場合、家計収支にどのような影響が出るのかシミュレーションをしておきましょう。
株式を購入することはその会社が事業を行うための資金を提供する会社経営に携わるオーナーの1人となることを意味します。会社の業績によっては株価が下がり、投資したお金が目減りしてしまうこともあります。
どの会社の株を買うか、銘柄を選ぶには、優待内容で選ぶ、金額で選ぶ、応援したい企業の株を選ぶなど、いくつかの視点がありますが、株を買うかどうかを決める前に、その会社の経営状況や財務内容、将来性などをよく見て、投資するかどうかを慎重に判断してください。
また運用するに当たっては、株価の上下の変動にどこまで耐えることができるか、よく言われるところのご自身のリスク許容度を決めておくことも必要です。
気になる株を見つけたら、いつ、どれだけ買えばいい?
株主優待を受けるためには、単にその会社の株主になるだけではなく、
(1)企業が定めている株主優待を受けるために必要な株数を保有すること
(2)「割当基準日(権利確定日)」までに株主になっていること
が必要です。
したがって、株価は動きがありますが、具体的に受けたい優待にはおおよそどれくらいの金額が必要なのか、その企業のサイトや証券会社のサイトで確認するほか、株主優待を紹介するサイトも多くありますので確認してください。
割当基準日までに株主になっておくという点ですが、通常、割当基準日から起算して、4営業日前までに株式を購入すれば、株主優待を受けることができます。(下記図参照)
この期日も企業や証券会社のサイトなどで確認することができます。そして、会社によって異なりますが、この条件が満たされれば3カ月後くらいに優待の商品などが株主に届きます。
なお、一般的に割当基準日に近づくとその会社の株価は上昇し、割当基準日以降は下落する傾向にあります。
株式投資で得られるのは株主優待だけじゃない!
株式投資をすれば株主優待だけではなく、配当金や売却時の差益を得ることもできます。
むしろこちらのほうが株式投資の魅力であるとも言えるでしょう。収益には税金がかかりますが、少額投資については期間限定で優遇措置を受けられる制度もあるので気になる方は調べてみてください。
また、最近では株主優待のある銘柄の中に、長期保有することで株主優待の内容がグレードアップするものがあることも知っておくとよいでしょう。
まとめ
株式は長期間保有したほうが良いといわれます。株価が上下しても最終的に収益をあげればよいという考え方です。しかし、経済が右肩上がりだった時代はよかったのですが、現在は長期的に見ても企業が業績を上げることができるかどうか不透明です。
株主優待を目的に株を購入したとしても、会社の業績が悪くなれば、優待の内容が変更されることもありますし、最悪の場合は廃止されることもあります。
ですから、株主優待を楽しみたいのであれば、投資先の会社の先行きが不透明になってきたと感じたら、その時点で割り切って、他の魅力ある株主優待の銘柄に投資先を変えるのもひとつの手でしょう。あくまでも、家計に影響を与えることのない余剰資金の範囲内で楽しむことを忘れないでください。
(最終更新日:2019.10.05)