大雨、台風、地震…。2018年は、大災害が多発した年でした。こと異常気象による災害は今後も増える可能性が高いとされ、多くの災害グッズが登場しました。その中で実際に売れた、または大きく注目された商品、災害時に本当に役立つものがあるはずです。そんな商品にスポットを当てました。
窓用シャッターは「防災」「防犯」「快適性アップ」に効果あり
YKK AP『かんたんマドリモ シャッター』
酷暑、大雨、水害、突風、地震――。50年に一度の…というフレーズが日常的に聞かれた2018年。今や異常気象による災害は常態化し、私たちの生活の身近な問題となっています。このような状況を背景に様々な防災グッズが登場しましたが、本当に必要なものを見極める目線を持つことが大切です。
近年頻発している大型の台風には、住宅用のシャッターが効果を発揮します。台風の風による飛来物が窓にぶつかって割れるという被害を、シャッターが防いでくれます。窓が割れるとそこから風が吹き込み、屋根を吹き飛ばして被害を大きくさせてしまうこともあります。被害を最小限に抑えるためにも、シャッターの有用性が注目されています。
YKK APの一般家庭用の『かんたんマドリモ シャッター』は、後付けできる窓用シャッターとして人気を博しています。最大の特徴は、今ある窓をそのまま残してかんたんなリフォームで取り付けできることです。
「この商品を開発するきっかけは、私たちが直接お客様と接した経験からでした。中古物件をリフォームする際にシャッターを付けたいとのご要望だったのですが、横引きの雨戸があってシャッターを付けられなかったのです。弊社内で確認してみると、シャッターの装着には様々な制約があり、後付けには大きな工事が必要になることを知りました。せっかくシャッターの良さを理解していただいているお客様に対して、なんとか手軽に装着できる商品を提供できないかと、開発をスタートさせました」(YKK AP住宅商品企画部シャッター商品企画室・瀬口さん)
従来、シャッターを後から付けるには、窓の上にシャッターボックスを収めるスペースが250ミリ必要でした。また、雨戸があると戸袋が邪魔になって設置できませんでした。そのため、窓ごと取り換えるなどの大きな工事が必要になり、費用も日数もかかってしまうのが一般的でした。
その点この『かんたんマドリモ シャッター』は、窓の上に80ミリのスペースがあればよく、雨戸の戸袋があっても問題なく設置できるので、工事も1日で済みます。
窓用シャッターは、防災だけでないメリットがあるといいます。
「まずは防犯ですね。空き巣の侵入経路の第1位は『窓』で、全体の約60%を占めています。その中でも約95%が、シャッターがないか、あっても閉めていない窓でした。逆に、シャッターが閉まっていた窓からの侵入は2%に過ぎませんでした。シャッターをきちんと閉めていることで、防犯効果が高いことが数字からもわかります。そして、生活の快適性アップにも貢献します。快眠のためには外部からの音を40dB以下にすることが望ましいとされていますが、窓とシャッターを閉めることで外部からの音を30dB下げることができます。また、外部からの光を99.9%遮ることができるので、間接照明などで自分の好みの明るさに調整することもできます」(瀬口さん)
『かんたんマドリモ シャッター』には電動と手動の2タイプがあり、シャッターの形状には普通のシャッターとスリットシャッターがあります。スリットシャッターは隙間を作ることができ、目隠し効果を得ながら光を取り込んで「すだれ」のように使うこともできます。
「電動シャッターは、リモコンはもちろん、専用アプリを使えばスマホなどからも操作できます。一つひとつのシャッターを別々に動かすことも、すべてのシャッターを一度に開け閉めすることも可能です。アプリの便利なところは、シャッターの決まった動作をあらかじめ設定しておくことできる点で、「毎日、日の出時間にシャッターを開ける」といったことができてとても便利なんです」(瀬口さん)
増水時に水の浸入を防ぐ、簡易止水シート
文化シヤッター「止めピタ」
『止めピタ』(開口幅〜3000mm)134,500円(工事費・運搬費込み、簡易見積り金額)
台風などの大雨で河川が氾濫したり、ゲリラ豪雨で雨水の排水が追いつかなかったりして、洪水になることがあります。そんなときに、一時的に浸水を食い止めるのに効果的なのが土のうです。
しかし、一般家庭で土のうを用意しておくのはなかなか難しいもの。そこで便利なのが文化シヤッターの「止めピタ」です。土のうの10倍の止水性能をもつ簡易型止水シートで、約5分で設置できます。浸水時の水圧によりシートが建具に密着し、シンスを最小限に食い止めます。また、軽量でコンパクトなパッケージは収納にもメリットがあります。
お問い合わせ/文化シヤッター
災害時には飛来物から窓を守る防犯向け窓用フィルム
ノムラテック『透明ガラス専用防犯フィルム』(2枚入り)
40×90cm オープン価格
もともとは防犯用の窓ガラスフィルムで、窓ガラスがかんたんに割れないように保護します。厚さは206㎜μのフィルムで、カナヅチなどでたたいても割れにくくなっています。防犯フィルムのサイズは、大きいもので40×90cmで、これで窓の全面を覆うことができれば、防災にも効果があります。台風などで窓ガラスが割れるのは、風そのものよりも飛来物がぶつかっておきることが多く、フィルムを貼っておくことでそれを予防できます。
お問い合わせ/ノムラテック
これまでの想定を超えた災害は、今後は当たり前なことになろうとしています。自分たちの生活は、自分たちや、住宅そのもの、その設備で自衛すること必要になってきました。最新の住宅であれば、最新の対策が施されているケースが多いですが、従来の住宅であっても、あとから付け加えられる頑丈な設備があれば安心です。今回紹介したような、手軽で効果の高い設備を選ぶことが大切です。
(最終更新日:2019.10.05)