子どもへのお年玉はいくらがベスト? もらったあとの管理や取り扱いは?

お正月といえば「お年玉」。子どもが楽しみにする風習ですが、大人にとっては、お年玉をいくらにするか、もらったお年玉をどうするかなど、気になる点も多いものです。あげる立場、もらった立場から、「お年玉」とのつきあい方を考えてみましょう。

お年玉の「相場」はいくら?

まずは、お年玉を「あげる」立場から考えてみましょう。

わが子のお年玉はもちろん、親戚や知人の子どもにあげるお年玉でも、子どもの年齢・成長に見合う金額はいくらなのか、大人同士のつきあいも考えるといくらにしたほうがいいのか、などと迷うことは結構あるのではないでしょうか。お年玉の「相場」が気になる方が多いせいか、お年玉についてはさまざまなアンケート調査が行われ、公開されているものも多いので、参考にされるのもよいでしょう。

たとえば、住信SBIネット銀行の「2019年・お年玉に関する意識調査」によると、小学生未満は「1,000円以下」、小学校低学年は「1,001円~3,000円」、小学校高学年は「3,001円~5,000円」が最多となっており、中学生は「3,001円~5,000円」「5,001円~10,000円」に二分され、高校生以上は「5,001円~10,000円」が最多となっています。

画像は、住信SBIネット銀行の「2019年・お年玉に関する意識調査」より引用

また、同調査によると、「甥・姪へのお年玉を親戚同士で相談する」人の割合は4割強。親戚の子どもに毎年お年玉をあげたり、わが子にもらったりするのであれば、事前に相談して金額やルールを決めておけば、悩みの種が一つ減りますね。

お年玉をいくらあげるか、そもそもお年玉をあげるかどうかも、決まりがあるわけではないので、アンケート結果はあくまで「参考」ですが、子どもが喜び、大人も負担に感じることのない「お年玉」をあげられるとよいですね。

どうする? もらったお年玉の管理と取り扱い

次に、子どもがお年玉をもらった後のことを考えてみましょう。

バンダイこどもアンケートレポートvol.201によると、小中学生がもらうお年玉の総額は平均24,424円(平均封数は5.0封)と結構な金額になります。特に子どもが小さい内は、もらったお年玉の管理や使い方への親の関わり方が気になりますね。

【表1 小学生のお年玉の平均金額】

  全体 小学1~2年生 小学3~4年生 小学5~6年生 小学生全体 中学生全体
お年玉の平均金額 24,424円 19,581円 21,025円 23,539円 21,382円 30,507円

バンダイこどもアンケートレポートvol.201 2018年1月30日より

また、金融広報中央委員会のアンケート調査(子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度調査)によれば、もらったお年玉の取り扱いについては、小学生では「家の人に渡す」「銀行や郵便局などに貯蓄(預金や貯金)する」との回答が多いのに対して、中学生・高校生では、「お小遣いとして管理し、不足する部分にあてる」が最も多くなっています(下記図表2参照)。

自分自身で管理したり、使い途を決めたりするのが難しい間は親が関まとまった金額の管理には親が関わり、中学生・高校生になると、お金を管理することも自分の意思で使い方を考えることもできるだろう、できたほうがいいだろうと、本人にまかせるご家庭が増えるのではないでしょうか。

【図表2 お年玉の取り扱い】

データは金融広報中央委員会 第3回子どものくらしとお金に関する調査(2015年度調査)より。グラフは筆者作成

「お小遣い」「お年玉」でお金とつきあう練習を

「もらう」「使う」「貯める」「殖やす」「稼ぐ」「借りる」・・・、一生続く「お金」とのお付き合いは、大人になってもなかなか難しく、迷うことも多いものです。お年玉やお小遣いは、子どものうちから始まる「お金」とのつきあいです。大人になっても上手にお金とつきあっていくために、お年玉やお小遣いを「もらう」「使う」「貯める」ことの練習の機会として活用できるといいですね。

中高生のアンケート結果に多かった「お小遣いとして管理し、不足する部分にあてる」ようなお年玉ならではの使い方は、大人が日常生活費を給料でまかない、大きな支出にはボーナスを充てたりするのにも似ていますね。また、銀行に口座を開いてお年玉などを預金すれば、銀行の役割や預金の仕組み、利用方法についても知る機会を持つことが出来ます。

なお、親として預かっておいた子どものお年玉は、預かって貯めておいたお金を子どもが管理できるようになってから子どもに渡したり、将来の教育資金に充てたり、家計がピンチのときには借りたり、ご家庭によってさまざまなやり方があると思いますが、親子で納得したやりかたをとりたいものです。

よかれと思ったやり方でも、自分の知らないうちに自分のお金が使われていたりしたら、大人でも子どもでもいやなものでしょう。子どものお金(お小遣いやお年玉)についても、子どもにかかるお金(教育資金や進学資金等)についても、家計に関わるお金についても、子どもの成長に合わせて、親子で話し、納得して、貯めたり使ったりしていけるとよいですね。

(最終更新日:2019.10.05)
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