新築やリフォームに合わせて家具やファブリックも新しく購入する場合、気を付けてほしいポイントがあります。一般的にリビングダイニングスペースに必要と言われるダイニングセット、ソファ、センターテーブル、テレビボードなどを全て購入するとなると、価格が高額になる可能性もあるので、購入してから「こんなはずでは…」などと後悔はしたくないものです。そこで失敗しない家具選びのコツを、インテリアコーディネーターとして活躍中の村上良枝さんに教えてもらいました。
樹種や木目を意識する
家具を買う際にデザインや色にとらわれがちですが、まずは床や建具に使われている木の種類「樹種」や木目、色、質感に注目してみましょう。床材によく使われている樹種にはオーク、アカシア、パーチ、スギ、ヒノキ、ウォルナットなどがあります。これらの樹種に加え、木目、色なども大切です。特にテーブルや椅子、ソファの脚部分は床に直接接しているため、床材となじむ素材の家具にすると違和感がありません。また、ドアなどの建具に使われている樹種との相性も大切です。木材・ステンレス・アイアン・ガラスなどの素材はもちろん、マット・光沢といった質感を合わせることも大切です。なお無垢のライトな木色は年数が経過するに従い、徐々に色が濃くなる場合がありますので、確認しておくと良いでしょう。
ファブリックの質感も考慮して
新築やリフォームなどを機に新調される家具はダイニングセット、ソファ、センターテーブル、テレビボードが多いかと思います。最近はLDKで過ごす時間を大切にする傾向があるため、LDKのインテリアに統一感を持たせると、全体的にまとまったイメージに仕上がります。具体的な例を挙げると、ダイニングチェアの座面のファブリックとソファのファブリックの色や質感を合わせると統一感が出せるでしょう。
またダイニングチェアは2脚ずつ樹種・色・デザインのいずれかを変えると遊び心を感じさせるワンランク上の空間になるおすすめのテクニックです。
ソファのファブリックも進化
布のソファは汚れるのが心配と敬遠する人も多いのですが、最近では撥水加工が施されているものや、ドライクリーニングや洗濯、取り換えがしやすいカバー式になっているタイプも多く出回っており、選択の幅も大きく広がっています。一方、ここ数年、若い世代を中心にヴィンテージスタイルのインテリアが好まれる傾向があり、それに伴い革や合成皮革の素材も注目を集めています。床が薄い色の場合、ソファ下にひくラグマットをミディアムカラー以上の色でコーディネートすると全体的に室内が落ち着いた印象になります。また家具がシンプルなデザインの時には取り換えやすいラグマットを多色使いやデザイン性のものにするとインテリアに個性を出すこともできるのでおすすめです。
サイズ感は新聞紙で確認すると「こんなはずでは…」の防止に
天井が高く広い店内で見るとさほど大きさを感じなかったのに、実際に部屋の中に入れると思った以上に大きかったということもあります。そんな失敗を避けるためにオススメしたいのが新聞紙を使う方法。お店やカタログで見た家具の大きさと同じ寸法に新聞紙を折り、床に広げてみましょう。高さもメジャーなどで測りしっかり確認します。こうすることで思っていた以上に大きい、小さいなどの失敗を防げます。特にソファは奥行きの深い大きいサイズのものが増えているのでしっかりと確認すると良いでしょう。
図面で確認する場合も、ソファは壁にぴったりとつけずカーテンとソファの間は最低でも300㎜は空けておきたいところ。またベッドとベッドの間、ベッドと壁の間も500㎜はあけておかないとベッドメイキングをする際に不便なので気を付けておきましょう。
ソファ感覚で兼用できるリビングダイニングセットもおすすめ
生活スタイルによっては、リビングダイニングテーブルを選ぶのも選択肢の一つ。「リビングダイニングタイプ」とは通常のダイニングテーブルよりも高さが低い630㎜程度のもので、椅子も低めのものを選ぶとのがおすすめです。
例えば、ベンチタイプや、あぐらが組みやすい幅の広い椅子がリラックスしやすいとも好まれています。この場合はソファを置かず、センターテーブルとクッションだけというレイアウトも可能になります。
気に入った家具を長使うことが理想
ダイニングもソファもすべて揃えたいけれど予算がない。そんな時には当面は手持ちの家具を使い、少しずつ買い揃える方法もあります。安価な家具を何度も買い換えるより、本当に気に入った良い物を長く使ってもらうように薦めています。最初はダイニングテーブル、次にソファという具合に、時間をかけて吟味し、手に入れた家具は愛着もひとしおですよ。
(最終更新日:2019.10.05)