整理収納のプロに聞く、“散らからないリビング”の収納アイデア術

家族が長い時間を過ごすリビングですが、それだけに様々なモノが溢れて散らかりがち。常に片づけたいという思いにかられ、一方で片付かないとイライラするのはストレスのもと。いつもきれいに片付いているリビングにはちゃんと理由があるのです。片付けのプロフェッショナル「整理収納&お掃除アドバイザー」の道久礼子先生にスッキリと住まうためのノウハウを教えてもらいました。

自分がどんな暮らしがしたいのか、今一度考えてみよう

あなたはリビングをどのように使いたいですか? またパートナーや家族はどのように思っているのでしょう。ある人はお客様が来るのでいつもきれいにしていると快適、ある人はリビングを趣味に没頭できる場所として使いたいと考えているとします。前者は常に片付いているリビングが、後者は趣味のための道具が常に手に届く場所にある方が快適だと感じることでしょう。

このように、住まう人によって「快適なリビング」のスタイルは違います。まず自分や家族がリビングでどのように過ごしたいか、暮らしたいかを考えてみましょう。

インテリア雑誌に載っているような、モノが少なくスッキリとしたリビング=快適なリビングだという概念にとらわれず、「どう暮らすか」に重点を置いて考えてみましょう。家族でTVや映画を見たり、ゲームをしたりする時間が楽しければ、それらがリビングにある方が快適に暮らせるはずです。目的を明確にし、どういう使い方をしたいのか具体的にイメージすれば自ずと自分の理想の暮らしが見えてきます。

家具を購入した時、どのように使いたかったのかを思い出してみる

例えばリビングにある「ソファ」はモノを置く場所ではなく、家族がテレビを見たりするために座る場所…テーブルは家族揃って美味しい食卓を囲むため…とその家具を購入した時に持っていたイメージを思い出してみてください。

ソファの上に常に洋服が山積みではその目的が叶っていないことになります。リビングでどのように過ごしたいか明確にイメージしてみましょう。

例えば家族で楽しむDVDとゲームソフトはいつも取り出せるように引き出しに、などです。そして、使った場合は必ず元の定位置に戻すようにします。それ以外のモノはリビングに定位置を作らず、定位置のないモノを持ち込んだ場合には各自の部屋に持ち帰るようにします。新たに加えるモノがあればまず定位置を確保してから。既にモノが溢れていて置くことができない場合にはモノの数を減らすか、リビング以外の場所に定位置を決めます。散らかっているのは位置の定まっていないモノが溢れている状態なのです。管理できないほどモノが増えれば当然片づけることが困難になります。

管理できる適正量までモノを減らして収納しておくと、必要な時に慌てて探す時間もかからず、モノが少ければ掃除時間も短縮できてストレスの軽減に

リビング=共有スペースの意識を幼い頃から徹底

学校には学校の、社会には社会のルールがありこれにより秩序が保たれています。家族にもルールがあり、共有するスペースであるリビングにも家族が気持ちよく過ごせるためのルールが必要です。それがなければ無秩序となり混沌とした状態になることでしょう。

お子さんには小さい頃から社会と同じく家にも「公的スペース」「家事的スペース」「私的スペース」があることを伝え、その意味や役割を教えることも必要です。個人の持ち物は置きっぱなしにせず一日の終わりには各部屋に持ち帰ることを習慣にすれば毎日「片づけなさい」と怒ることもありません。

空の引き出しスペースが1つあれば慌てない

不意のお客様の来訪に慌てないためにもリビングに一つ、スペースがなければリビングに隣接する部屋に一つ空の引き出しスペースを確保しておきます。

リビングで作業していて来客があった時に出していた物をしまう、外出の際の着替え、帰宅したら着る予定の洋服なども、一時的にしまっておけばリビングは常にスッキリ。ただし一日の終わりには空にしておくようにします。人間の管理できるモノの数は限られていて無限ではありません。管理しきれないほどのモノを増やさないような工夫も大切です。一つ買ったら一つは処分するなど自分なりのルールを決めてモノの数をコントロールしましょう。

洋服などは衣替えの時が見直しポイント。クリーニングから戻ってきたまま1シーズン着ることのなかった洋服は思い切って処分してもいいかもしれません。必要なモノを見極め、使ったら定位置に戻す、モノの量をコントロールする。この3つが快適なリビング作りのポイントです。

一次的なモノの避難場所として便利な“空”の引き出し
【まとめ】快適なリビング作りのポイント
必要なモノを見極める
使ったら定位置に戻す
モノの量をコントロールする
(最終更新日:2019.10.05)
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