ウォールナットとオーク、高級家具に使われる人気木材の魅力・特徴は?

木材は温かみのある木目や優しい風合いがあるため、家づくりには欠かせない建材です。なかでも、ウォールナットとオークは人気が高く、マイホームに取り入れたいと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、ウォールナットとオークそれぞれの特徴や両者の違い、加工方法や活用方法などについて詳しく解説していきます。

ウォールナットの特徴って?

ウォールナットはクルミ科に属する広葉樹で、チーク・マホガニーとともに世界三大銘木に数えられる高級木材です。ただし、家具や建材に使用されるウォールナットについては、クルミ科のブラックウォールナットを指すのが一般的です。

ウォールナットを日本語に訳すと「クルミ」という意味になりますが、日本のクルミ材はブラックウォールナット材とは異なる点に注意しましょう。ブラックウォールナットが主に生息しているのは、アメリカ・カナダの北米大陸です。

高級感漂うウォールナット

樹高は30~40メートル程度、胸高直径は1.2~1.8メートル程度で、樹幹はまっすぐに伸び、廃材率が非常に低いという性質があります。表面近くの辺材はほとんど白に近い色ですが、中心付近の心材は淡い褐色で、伐採のあと時間が経つにつれ暗褐色へと変化していきます。
材質は割れにくく、強度や耐衝撃性に優れているのが特徴。接着性も良好で、乾燥後の狂いが少ないため、加工しやすいという特性があります。
また、木目が美しいウォールナット特有の暗褐色部分には、高級感があります。艶出し材などの吸収率がよく、適度な油分を含んでいるため、未塗装でも艶があり、使い込むほどに風合いが増していきます。

オークの特徴って?

ナチュラルな雰囲気のオーク

オークはブナ科の広葉樹で、白木の代表ともいえる高級木材です。日本ではナラのことを指すのが一般的ですが、日本のナラ材とオーク材とは厳密には異なります。
オーク材はナラ材よりも木目が荒く、白っぽい色合いです。虎斑(とらふ)という独特の模様があるのは、両者に共通した特徴です。耐久性が高く、美しい木目と自然な色合いが人気のオーク材は、古くから家具の材料として親しまれてきました。ヨーロッパでは家具のほか、ウイスキー樽や船の材料などに使われています。

オークは200種以上の異なる種類があり、性質や特徴がそれぞれ微妙に違います。ここでは、オークのなかでも有名なアメリカンホワイトオーク・アメリカンレッドオーク・ヨーロピアンオークの3種類に絞って紹介します。

アメリカンホワイトオーク
アメリカンホワイトオークは、主にカナダからフロリダにかけての北米大陸東部に生息しています。樹高は24メートル程度、胸高直径は1メートル程度です。辺材はほとんどなく、心材は黄色から黄褐色となっています。非常に高い強度を持ち、加工性にも優れているのが魅力です。湿気や虫害への耐性も良好で、屋外での使用にも適しています。木目が美しく、汎用性の高い良質な木材といえるでしょう。

アメリカンレッドオーク
主に北米大陸の東部が原産地の木材です。伐採後の乾燥に時間がかかり、人工乾燥・天然乾燥にかかわらず、性質が劣化しやすいという特徴を持ちます。辺材は白色で、心材は淡い桃茶色から赤褐色です。辺材と心材の色味がかなり違うので、境界がはっきりしているのが特徴です。

強度に関しては全体的に優れていますが、木材を蒸すなど熱を加えて軟らかくして曲げる「蒸し曲げ」の耐性が特に高いので、蒸し曲げ加工に適しています。塗料の吸収も良好なので、艶出し加工によって表面を美しく仕上げることが可能です。しかし、繊維の構造上、酒樽などの液体を貯蔵する材料としての利用には向いていません。

ヨーロピアンオーク
ヨーロッパのほぼ全域に生息し、東アジアの一部にも分布しています。樹高は25メートル程度、胸高直径は1.5メートル程度まで生育します。伐採後の乾燥に非常に時間がかかり、乾燥中に割れが起こりやすいという特徴があります。

辺材は薄い黄褐色、心材は黄褐色となっているため、辺材と心材の境界はあいまいです。硬度もあり、蒸し曲げにとりわけ高い適正を持ちます。ただし、耐衝撃性と剛性が少し低いという弱点もあります。表面が緻密で美しく、加工性もそれなりなので人気のある木材です。

ウォールナットとオークの主な違い

ウォールナットとオークの大きな違いは、木材としての色です。ウォールナットは重厚な褐色系の色味が特徴で、強い存在感を示します。対して、オークはナチュラルな明るい色味を持ち、どんな雰囲気にも溶け込みやすいのが利点です。

また、2つの木材は経年変化も異なります。ウォールナットは濃い褐色から淡い茶色へと変化していき、その様子は「色が褪せていくようだ」と表現されることもあります。一方、オークはナチュラルな色から褐色へと変化し、色味の濃さと深みが増していくのが特徴です。

色や経年変化を比較すると、2つの木材は真逆の性質を持っているといえるでしょう。一般的に、高級感を求める人にはウォールナット、クセのないナチュラルな雰囲気を重視する人にはオークが好まれます。

材木の加工方法で仕上がりは異なる!

同じウォールナット材やオーク材でも、加工方法によって強度や風合いが異なります。木材の主な加工方法には、「無垢材」「集成材」「合板」などがあります。

無垢材
使用する形状で丸太から切り出されたものを指します。形状を整えるという最低限の加工しかされていないため、天然木本来の風合いを楽しめます。

集成材
木材の板を層状に接着してブロック材にしたものを指します。任意のサイズに成形可能で、アーチのような湾曲した形状にすることもできます。

合板
木材を薄くむいて板状にし、繊維の向きが直交するよう交互に接着させた板材のことです。縦横の強度が均等になるため、膨張・収縮を軽減できます。

加工だけじゃなくて仕上げも重要!

加工だけでなく、木材は仕上げ方法によっても風合いや強度、さらに触り心地が変化します。木材の主な仕上げ方法には、「オイル」「PU」「ラッカー」などがあります。

オイル
木材の表面にオイルを浸透させて仕上げます。木材の呼吸を妨げない優しい塗装方法であり、無垢材に適した仕上げ方法といえます。

PU
ポリウレタンを用いて塗装を行う仕上げ方法です。塗装部分に弾性があり、傷が付きづらいのが利点です。

ラッカー
ラッカーを用いて塗装を行う仕上げ方法です。塗膜が薄いので、木の質感を残しつつ表面になめらかな光沢を生み出すことができます。

ウォールナットやオークはどんな風に活用できる?

ウォールナットやオークの活用方法として多いのが、インテリア家具です。高級感のある色調や美しい木目を活かすことで、家のなかを自分好みに演出することができます。また、丈夫で耐久性もあるので、収納家具としても優秀です。強度も十分なため、塗装を工夫することで床材としても活用できるでしょう。

重厚感のあるウォールナットのダイニングテーブル

ウォールナットやオークを選ぶ際の注意点

家具や床材としてウォールナットやオークを選ぶ場合、高価になりやすい点に注意しなければいけません。ただ、価格が高くなるぶん、材質の面では値段に見合うだけの価値を持つのは事実です。理想の家づくりにおいて必要と考えるなら、導入を検討してもよいでしょう。

ナチュラルテイストが好きな人にぴったりなオーク ※写真はイメージ

好みの特徴がある建材や家具を選ぶ!

ウォールナットとオークは、どちらも魅力的な高級木材です。そのため、建材や家具にウォールナットを選ぶべきか、またはオークにすべきか迷ってしまう人もいるでしょう。そういう場合は、それぞれの木材の特徴をしっかりと理解し、10年後、20年後の状態を想像しながら、自分の好みに合うほうを選ぶようにしましょう。

(最終更新日:2020.07.09)
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