住宅を購入するにあたって、一番の課題はやはり購入資金の問題でしょう。自力で購入資金を用立てることができれば問題ありませんが、多くの人が金融機関から借り入れをすることになります。そこで役に立つのが国や地方自治体の住宅購入支援制度です。
では、国や地方自治体の住宅購入支援制度にはどのようなものがあるのでしょうか。
地方自治体が行う支援制度
近年、地方自治体では住宅を購入する人に対して、さまざまな支援を行っています。たとえば、「高齢の方・障がいのある方のための住宅購入・リフォーム融資制度」や「バリアフリー等住宅改造資金融資制度」などのほか、「高齢者住宅改修補助事業」など、高齢者や障がいのある方と暮らす家族向けの支援が数多くあります。
このほか、「木造住宅耐震改修等補助事業」や「住宅エコ改修補助事業」、「太陽光発電設備設置補助金」といった、災害対策や地球環境問題に関する支援も見受けられます。実際の支援額は自治体によってさまざまで、支援を受ける条件も支援内容も自治体によって異なります。
しかし、日本の少子高齢化を反映して、高齢者と同居する世帯に対するバリアフリー改修工事費補助などの支援は、多くの自治体で実施されています。
子育て世帯向けの住宅取得支援制度とは
政府は日本の少子高齢化に歯止めをかけようと必死になっていますが、なかなか目に見えた効果は上がっていないのが現状です。そんな中、各自治体では子育て世帯向けの住宅支援制度を積極的に設けており、自治体によっては要件を満たした新築物件を購入・申請すると、一定額の補助金がもらえる場合もあるようです。
どの地方自治体でも若い世代の定住者を集めようとさまざまな制度を設けていますが、その中のひとつが子育て世代に向けた住宅関連の支援制度です。
子どもを持つ若い夫婦に対して住宅購入やリフォーム資金の一部を支援するもので、各自治体がこのような制度を設ける背景には、若い労働力の流出を阻止したいという目論見があります。このような支援制度を設ける自治体の中には高齢化が進んだ地域も多く、小学校以下の子どもを持つ夫婦に対して最大で200万円まで支援する自治体もあります。
ただし、支援額には限度があり、予算額に達すると年度末を待たずに募集を停止することもあります。同じ子育て世帯向けの支援でも、首都圏では少し状況が異なります。たとえば、埼玉県では多子世帯向けの支援制度を実施していますが、その条件は他の自治体とはかなり異なるものとなっています。
埼玉県では、「18歳未満の子が3人以上の世帯」または「18歳未満の子が2人いて3人目を希望する夫婦で、夫婦ともに40歳未満の世帯」に対して「多子世帯向け住宅取得等支援制度」を実施しています。つまり、埼玉県の場合は、家が狭いために希望するだけの子供を持てない夫婦のための環境づくりを支援する制度なのです。これは、首都圏以外の自治体にはあまり見られないものです。
このほか、全国の地方公共団体では、地域に根ざした住まいづくりを進めるための支援制度が多くあります。こちらのページから調べることができます。
新築住宅購入に関する補助金・給付金
新築住宅購入資金の補助金・給付金にはいろいろな種類がありますので、その中からいくつか紹介しましょう。なお、これらの給付金の中には年度ごとに予算のあるものもあり、予算限度額に達すると適用期間中でも募集停止となることがあります。
・地域型住宅グリーン化事業
国土交通省が管轄する、木造住宅を増やすことを目的とした事業です。対象となる木造住宅は長寿命型、高度省エネ型、優良建築物型の3種類あり、条件に一致する建物であれば最大で165万円の補助金が支給されます。
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・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業
住宅の年間エネルギー(自然エネルギー)消費量がゼロとなる住宅(ZEH:ゼッチ)を目標とした事業です。経済産業省が管轄しており、2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」に基づいて行われている事業です。
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・【フラット35】子育て支援型
子育て支援や地域活性化に積極的な自治体と連携し、住宅取得に対する借入金利を一定期間引き下げる制度です。若い子育て世帯や親との同居のための新築住宅取得を支援するものです。この制度を利用すると、金利引き下げ幅-0.25%(当初5年間)が適用されます。
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(最終更新日:2019.10.09)