住宅は大きな買い物です。何をきっかけにしてどんな基準で購入を考えれば良いのかと悩む人も多いことでしょう。そんな場合は、他の人が住宅を購入した理由を知れば、悩み解決のヒントになるかも知れませんね。そこで今回は、住宅購入者、購入予定者600人を対象に行ったアンケート調査結果を基に、独身と既婚者で住宅を購入した(または購入を検討している)理由について、ARUHIマガジン編集部が考察しました。
【調査結果】住宅を購入した“一番の理由”は? ライフステージ別
“独身者”の約4割が「老後のため」に住宅を購入。不動産投資目的も?
<未婚(独身者)のケース>
「ライフステージという観点から、住宅を購入した(購入を検討している)“一番の理由”」を聞いたところ、独身者の回答で最も多かったのは「老後のため」でした。
住宅購入者の37%と購入予定者の40.0%がこの項目を選択していることから、平均すると独身者の約4割が「老後のため」に住宅購入を希望していること分がかります。これらの人の自由回答では、「後々転売を考えているから(32歳/女性)」「資産運用(40歳/男性)」という意見が挙がりました。
ローンを払い終えれば、老後に自分の住む場所が確保できるだけでなく、将来的に売却して住み替えたり、賃貸物件として貸し出したりすることも可能です。このような不動産投資の可能性も視野に入れて、購入に踏み切る人がいるようです。
この他、独身の購入者が選んだ回答は、「親の介護のため」と「仕事の都合のため」が14.8%、「結婚したため」と「子ども、家族のため」が5.6%で続きました。
親などの家族の状況や、過去の結婚などをきっかけに住宅を購入した人が多いようです。
一方で、購入予定者の理由を見てみると、「仕事の都合のため」22.9%、「社宅・寮を出るため」10.0%といった個人的なものが高い数字となっています。
独身者が住宅の購入を検討する段階では、自分の置かれた状況を重視することが多いようですが、実際に購入に至るまでには周りの家族や将来設計が影響しているといえそうです。
“既婚者”は子どもや家族が最優先?
<既婚者のケース>
一方、既婚者の理由を見てみると、「子ども、家族のため」が最も多く、購入者で57.7%、購入予定者で60.0%でした。
自由回答では「間取りが合わなくなってきたから(38歳/男性)」などという意見が挙がっています。結婚をすると家族の人数に見合った広さの居住空間が必要になります。
また、自分の職場へのアクセスだけでなく、子どもの教育環境や通学距離なども考えなくてはいけません。そういった“家族のこと”を優先的に考えて住宅の購入を検討する人が多いようです。
また、「老後のため」という理由も住宅購入者で19.5%、購入予定者で23.9%と高い数字になっています。自由回答を見ると、「老後にお金がかからないようにしたい(44歳/男性)」など、結婚後、子どもの学費などでまとまった費用が必要になる前に住宅を購入して、将来的な負担を抑えたいと考える人が多いようです。
共通しているのは“家賃がもったいない”?
独身者と既婚者が住宅を購入する理由は、相違点ばかりではありません。「経済的理由という観点から、住宅を購入した(購入を検討している)“一番の理由”」を聞いたところ、どちらも「家賃がもったいない」という意見が最多となりました。
独身者の約4割、既婚者は約5割の人がこの項目を選択しています。ファミリータイプのマンションや、戸建て住宅の家賃はシングルタイプより高いため、独身者より既婚者の方がより高い数字となっていると考えられます。
自由回答を見てみると、「マンションの家賃が高く、ローンを払っていい所に住みたいと考えていたところ、いい土地があった(31歳/女性)」という意見が上がっており、これらの人がより良い条件の場所が見つかったタイミングで住宅の購入に踏み切っている様子がうかがえました。
まとめ
今回の調査から、独身者は老後の住まいの確保と資産の形成のため、既婚者はライフステージの変化に伴う出費や負担に備えるために住宅を購入している様子がうかがえました。いずれも住宅を購入することによって「将来的な負担と不安」を減らしたいと考えており、賃貸の家賃が「もったいない」と感じている人が多いようです。一般的には結婚後に住宅を購入するケースが多いですが、独身の人も自身の将来設計を早めに立て、資産を得るために購入を検討してみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入者、購入予定者の20代から60代の男女
調査期間:2017年6月26日~28日
有効回答数:600サンプル