家族旅行を実際に手配するときに悩むのが、航空券やホテルをどうやって予約をするかということ。今回はツアーと個人手配の違いやそれぞれのメリット・デメリットについて、子連れ旅行専門のトラベルライターが詳しく解説します。
ツアーは面倒な手配を全部お任せできる
ツアーで申し込む場合、航空券からホテル、現地での過ごし方まで自分でいちいち手配しなくてもいいのが最大のメリットです。旅慣れていない方、この旅先を初めて訪れる方、忙しくて検討・下調べする時間がとれない方はツアーのほうが安心でしょう。また現地で何かトラブルが起きても、旅行会社のサポートを受けることができますね。語学に不安があるなら、こういった面でもメリットを感じられるはず。
気になる子ども料金は、旅行会社やプランによって大きく異なっており、航空券の座席を必要としない2才未満なら大人料金の1/3〜1/4程度、2才以上12才未満で添い寝の子どもが大人料金から数万円引きになるケースが多いよう。中には大人と同額で割引のないプランもあります。しかも大人2人につき子ども1人しか子ども割引が適用されない場合もあるので、旅行会社の案内をよく確認することが大事です。
現地でのオプショナルツアーを予約時に申し込めるのもツアーの大きな特徴。ただし、子連れ旅行では事前でなく現地申し込みのほうがおすすめです。子どもが、旅先で体調を崩すことはよくありますし、遊びすぎて疲れてしまい子どもの気分が乗らないことも考えられるからです。現地にあるツアーデスクなどを利用し、様子を見ながら申し込むといいでしょう。
価格は少し高め。スケジュールに融通がきかないのも難点
ツアーのデメリットは、なんといっても価格面。手配をお任せするということで、個人手配に比べてどうしても割高になってしまいます。子ども料金も思ったほど安くはないため、子どもが2人、3人になると家族単位の旅費は大きくなってしまいがち。
また、スケジュールがたいてい固定されているため、子どもの体調や興味に合わせることが難しいのもデメリットのひとつ。プランによってはホテルや航空会社が旅行直前まで決まらないこともあります。さらにホテルのビュー指定やグレードアップ、座席の並び指定には通常追加料金がかかり、旅行代金を押し上げる一因にも。
個人手配は最安値を選べて、旅行代金を抑えられる
一方で、航空券とホテルを自分で予約するのが個人手配。ほとんどのケースでトータルの旅行代金が安くすみます。特に海外の場合、ホテルは11才・12才以下の子どもでベッド追加不要であれば無料というケースが大半。添い寝できる年齢の子どもがいるなら、同じホテルでも個人手配するほうが安く泊まれる確率が高そうです。航空券もホテルも価格は変動しますが、夏休みや年末年始など繁忙期は時期が近づくほど値段が上がるので、予定が決まっているなら早めに予約を。
万が一キャンセルする場合も、航空券の種類やホテルのキャンセルポリシーにもよりますが、約1ヶ月前から取消し料がかかるツアーより最小限に抑えられる可能性が高くなります。
飛行機のバシネットは、個人手配のほうがリクエストしやすい
赤ちゃんを連れた旅行なら、フライト中にバシネット(機内専用のベビーベッド)を使いたいところ。バシネットは1機につき数台しか設置できないため(機材によってはバシネットがないものもあります)、赤ちゃん連れが多いハワイ、グアム路線などでは争奪戦です。実はインターネット申込みでバシネットを予約することはできず、航空会社のサイトを経由して航空券を手配したのち、電話で問い合わせて初めてリクエストを入れることができます。それでも確約ではなく、あくまでリクエスト。ツアーだと旅行会社を通してリクエストを入れることはできても、実際に確保できる確率はかなり低くなります。
安さを重視しすぎるとトラブルに巻き込まれることも
個人手配の場合は比較的料金を抑えられますが、特に子連れだと格安航空券、格安ホテル、Airbnb(民泊)の利用はおすすめしません。格安航空会社はフライトが急にキャンセルになったり、搭乗ゲートが空港の端にあって移動が大変だったり、座席が狭かったりと、安いなりのリスクが伴うものです。安いホテルも同じで、エレベーターがついていない、バスタブがない、シャワーが出ない、街中へのアクセスが大変などで、せっかくの旅なのに苦い思いをすることも。話題の民泊は、子どもがNGだったり、「子どもが家具や備品を破損した」など、旅行後に身に覚えのない請求をされるケースもあるため、あまり旅慣れしていない人にはハードルが高そうです。
行く場所や時期、選ぶ航空会社、ホテルによって差はあるものの、全体的には個人手配のほうが子連れには向いている、というのが私の結論。せっかくの家族旅行、後悔のないように、自分に合ったプランが見つかるといいですね。
(最終更新日:2019.10.05)