ARUHI スーパーフラットなどをご利用のお客さま向けに提供しているARUHI団体信用生命保険のプランが改定されました。団信プランが5つに増えて、保障内容が拡充されました。また、ワイド団信の取扱いも始まり、これまで健康上の理由で団信に加入できなかった方も加入できる場合があります。また、プランによっては、セカンドオピニオンサービスなど付帯サービスを受けることもできます。新しくなったARUHI団信のプランについてその内容をみていきましょう。
団信とは? 団信に違いってあるの?
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者が死亡もしくは高度障害となった場合に住宅ローンが完済される保険です。民間住宅ローンの場合、ほとんどの金融機関で団信に加入することが必須となっており、保険料は金融機関が負担します。
【フラット35】では、団信への加入は任意となっています。団信に加入する場合には、金利に保険料相当分を上乗せして支払うことになります。
(参考記事:【フラット35】の団体信用生命保険の商品性が大きく変更。FPが詳しく解説)
団信には、保障内容を拡充したものもあります。がん保障特約がついた「がん保障特約付き団信」に入っていれば、住宅ローン契約者が、死亡、高度障害に加えて、がんになった場合に保険金が支払われ、ローン残高が相殺されます。その他、3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)を対象にした「3大疾病保障付き」、3大疾病に加え、高血圧症・糖尿病・慢性膵炎・肝硬変・慢性腎不全といった重度慢性疾患が対象となる「8大疾病保障付き」といった団信もあります。
団信は、金融機関ごとにさまざまなプランがあり、保障内容もそれぞれ異なっています。長い住宅ローン返済期間中は、病気や怪我など、さまざまなリスクが考えられますので、どんな保障があると安心か、しっかり検討したいところです。そのためにも、住宅ローン選びにあたっては、ローンそのものの特徴だけでなく、団信の保障内容についてもよく調べておくことをおすすめします。
どこが変わった? 5種類になったラインナップをご紹介
金融機関ごとにさまざまなプランが提供されている団信ですが、この6月からARUHI団信のプランが大きく変わりました。これまでの死亡・高度障害に対応する一般団信には、リビング・ニーズ特約(余命6ヶ月以内)も新たに追加になりました。この他に、ワイド団信、がん団信(がん50%保障プラン)、がん団信プラス(がん100%保障プラン)、生活習慣病団信<入院プラスα>の4プランが加わり、保障の幅が大きく広がっています。それぞれのプランについて説明しておきましょう。
なお、この新しいARUHI団信は、現在、ARUHIスーパーフラットとARUHI変動Sを主な対象としています。ARUHIフラット35をご利用のお客さまは機構団体信用生命保険(機構団信)になります。
(参考記事:全期間固定金利【フラット35】より金利が引き下げられる? 新商品「ARUHIスーパーフラット」とは)
(参考記事:銀行の当初10年固定に引けを取らない金利で全期間固定の新商品「ARUHIスーパーフラット9」とは?)
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一般団信
死亡または所定の高度障害になった場合、余命6ヵ月以内と判断された場合に、住宅ローン残高に相当する保険金が支払われ、ローン残高が0円になります。
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ワイド団信
一般的な団信よりも引き受け条件が緩和された団信のことで、保障内容は一般団信と同様です。たとえば、高血圧症、糖尿病、うつ病等の持病があるなど、健康上の理由でこれまで団信に加入できなかった人でも加入できる場合があります。
通常、保険会社は住宅ローン申込者の告知内容に基づいて、引受審査を行いますが、一般的な団信と比べるとワイド団信は引受基準が緩和されています。
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がん団信(がん50%保障プラン)
一般団信と同様の保障に加えて、がんと診断された場合にその進行度合いに関わらず、住宅ローン残高相当額の50%が保険金として支払われるプランです。がんと診断された時点での住宅ローン残高が1/2※になります。
※返済期間短縮のみの取り扱いとなります
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がん団信プラス(がん100%保障プラン)
一般団信と同様の保障に加えて、がんと診断された場合に、その進行度合いに関わらず、住宅ローン残高相当額の100%が保険金として支払われます。つまり、がんと診断された時点で住宅ローン残高が0円になるプランです。さらに、お見舞金として100万円も支払われるため、治療費や生活費に充てることもできます。
がんには、血管やリンパ管を超えて全身に転移する可能性のあるがん(悪性新生物)と、転移の可能性がない上皮内がんがあります。一般的ながん保障では、上皮内がんや皮膚がんは保険金支払いの対象になりません。ですが、ARUHIのがん団信プラス(がん100%保障プラン)では、保険金とは別に、上皮内がん・皮膚がんと診断された場合でも50万円の診断給付金が支払われます。
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生活習慣病団信<入院プラスα>
一般団信と同様の保障に加えて、がんと診断された場合、および10種類の生活習慣病(糖尿病、高血圧性疾患、腎疾患、肝疾患、慢性膵炎、脳血管疾患、心疾患、大動脈瘤および解離、上皮内新生物、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん)で継続して180日以上入院した場合に、住宅ローン残高が0円になるプランです。
がんと10種類の生活習慣病の11疾病がカバーされるため、3大疾病保障や8大疾病保障に比べて保障範囲が広くなっています。また、がん団信プラス(がん100%保障プラン)と同様に、保険金とは別に、がん(所定の悪性新生物)と診断された場合には100万円、上皮内がん・皮膚がんと診断された場合には50万円の診断給付金が支払われます
その他、病気やけがで入院が連続して5日以上となった場合には、10万円の入院一時金が支払われます。さらに、入院が連続して31日以上となった場合には、月々の住宅ローンの返済額が保障されます。20代や30代の人でも、骨折などのけがで入院する場合があるので、こうした保障があるのは安心といえるでしょう。
付帯サービスも充実
がん団信(がん50%保障プラン)、がん団信プラス(がん100%保障プラン)、生活習慣病団信<入院プラスα>に加入している場合、「セカンドオピニオンサービス」や「24時間電話健康相談サービス」の2つの付帯サービスも利用できるのも特徴です。
「セカンドオピニオンサービス」とは、各専門分野の「総合相談医」と面談し、現在の診断に対する見解や今後の治療方針・方法について意見を聞くことができるものです。セカンドオピニオンを受けることで、新たな治療法の提示など、よりよい治療方法にたどり着ける可能性が高くなります。何よりも、他の医師の意見を聞くことで安心感を得やすくなるといえるでしょう。
次に、「24時間電話健康相談サービス」ですが、これは、医師、保健師、看護師などが24時間年中無休体制で、健康・医療・介護・育児・メンタルヘルスなどに関する電話相談に対応してくれるものです。団信加入者本人とその家族(配偶者と被扶養者)が利用することができます。
<団信プランと保障内容>
団信プラン |
一般団信/ワイド団信 |
がん団信(がん50%保障プラン) |
がん団信プラス(がん100%保障プラン) |
生活習慣病団信<入院プラスα> |
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死亡・高度障害の場合 |
ローン残高を保障 |
○ |
○ |
○ |
○ |
余命6ヵ月以内と診断された場合 |
○ |
○ |
○ |
○ |
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がんと診断された場合 |
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○ (50%保障) |
○ (100%保障) |
○ (100%保障) |
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生活習慣病で継続して180日以上入院した場合 |
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○ |
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がんと診断された場合 |
給付金 100万円 |
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○ |
○ |
上皮内がん・皮膚がんと診断された場合 |
給付金 50万円 |
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○ |
○ |
病気・けがで連続して5日以上入院した場合 |
給付金 10万円 |
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○ |
病気・けがで連続して31日以上入院した場合 |
月々のローン返済額保障 |
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○ |
付帯サービス |
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1.24時間電話健康相談サービス 2.セカンドオピニオンサービス |
連帯債務の場合はどうなる?
もうひとつ確認しておきたいのが、連生団信です。
ARUHI団信では、新たに主債務者と連帯債務者の2人で団信に加入することができるようになりました。一般団信の場合は連生団信を、がん団信プラス(がん100%保障プラン)の場合は連生がん団信を選択することができます。
連生団信は、連帯債務でお借り入れのどちらかが死亡・高度障害状態になった場合や余命6ヶ月以内と診断された場合、連生がん団信に加入していれば、さらにがんと診断された場合にも、保険金が支払われ、住宅ローン残高は0円になります。
【フラット35】のデュエット(夫婦連生団信)の場合、夫婦で連来債務者になる場合しか利用することができません。また、余命6ヶ月と診断された場合の保障とがん保障もありません。ARUHIの連生団信、連生がん団信の方が範囲が広いと言えるでしょう。
費用負担はどれくらいかかるの?
加入する保障プランによって金利が異なります。それぞれどれくらいの負担になるのか、一覧にまとめておきますので参考にしてください。
<金利負担一覧>
団信プラン |
融資金利 |
一般団信の毎月返済額に上乗せされる額(借入金額1,000万円あたり) |
がん団信(がん50%保障プラン) |
一般団信+年0.05% |
約240円/月 |
がん団信プラス(がん100%保障プラン) |
一般団信+年0.15% |
約710円/月 |
生活習慣病団信<入院プラスα> |
一般団信+年0.25% |
約1,180円/月 |
ワイド団信 |
一般団信+年0.30% |
約1,420円/月 |
(参考:最新の住宅ローン金利はこちら)
まとめ
上でも説明したように、ここで紹介した新しい団信は、原則としてARUHIスーパーフラットとARUHI変動Sを主な対象としています。
充実した団信プランから自分に合った保障を選べるのはメリットです。住宅ローンを選ぶ上での選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
(参考:ARUHI団体信用生命保険の商品ページはこちら)
(最終更新日:2021.11.24)