住宅を購入すると家賃の支払いはなくなりますが、代わりに管理費や税金の支払い、ローンの返済などが必要になります。賃貸の“家賃”と購入住宅の“住居費”では、どちらの方が高額なのでしょうか。また、賃貸と購入住宅で生活費にも差が出るのでしょうか。
今回は、住宅購入者・購入予定者600人を対象に行ったアンケート結果を基に、住宅にかかる家賃と居住費の違いや、住宅購入前後の生活費について、ARUHIマガジン編集部が調査しました。
住宅購入前の家賃と、購入後の住居費。いずれも全体の約7割が10万円以下
Q.購入前(または現在)の住居の家賃を教えて下さい | |
第1位 | 「8万以上10万円以下」28.7% |
第2位 | 「6万円以上7万円以下」23.3% |
第3位 | 「1万円以上5万円以下」17.0% |
第4位 | 「実家なのでなし」13.3% |
第5位 | 「11万円以上15万円以下」11.7% |
第6位 | 「16万円以上20万円以下」4.2% |
第7位 | 「21万円以上30万円以下」1.3% |
第8位 | 「31万円以上」0.5% |
「購入前(または現在)の住居の家賃を教えて下さい」と聞いたところ、最も多かったのは「8万以上10万円以下」で28.7%、次いで「6万円以上7万円以下」が23.3%でした。6万円〜10万円の人が過半数を占めていることがわかります。さらに、「1万円以上5万円以下」が17.0%と続き、家賃が10万円以下の人は約7割に上ることがわかりました。
また、「実家なのでなし」という回答も13.3%と目立ちました。この項目を選んでいるのは大半が住宅購入者で、住宅ローンという負担が増えても購入に踏み切っている様子がうかがえます。特に50歳代・60歳代が多いことから、高齢になって一人で古くて広い実家に住むのが大変になり、コンパクトなマンションや、子どもとの二世帯住宅を購入しているのではないかと考えられます。
そのほか、「11万円以上15万円以下」が11.7%、「16万円以上20万円以下」が4.2%、「21万円以上30万円以下」が1.3%、「31万円以上」が0.5%という結果になりました。
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第1位 | 「8万以上10万円以下」31.2% |
第2位 | 「1万円以上5万円以下」24.7% |
第3位 | 「6万円以上7万円以下」18.2% |
第4位 | 「11万円以上15万円以下」16.7% |
第5位 | 「16万円以上20万円以下」4.7% |
第6位 | 「21万円以上30万円以下」2.5% |
第7位 | 「31万円以上」が2.0% |
それでは、住宅購入後の住居費はどのくらいかかるのでしょうか。「住宅購入後に毎月支払っている金額(住宅ローン返済・管理費・固定資産税等を含める)はいくらですか(いくらまでが許容範囲ですか)?」と質問したところ、こちらも最も多かったのは「8万以上10万円以下」で31.2%でした。
続いて「1万円以上5万円以下」が24.7%、「6万円以上7万円以下」が18.2%という結果になっています。この上位3項目を選んだ人の割合は、全体の74.1%に上りました。このほか、「11万円以上15万円以下」が16.7%、「16万円以上20万円以下」が4.7%、「21万円以上30万円以下」が2.5%、「31万円以上」が2.0%となっています。
しかし、住宅購入者と購入予定者に分けた結果を見てみると、10万円以下の結果に大きな違いがあることがわかりました。「8万以上10万円以下」の購入予定者は40.4%であるのに対し、購入者は22.3%とかなり少ない結果となっています。
一方、「1万円以上5万円以下」の購入予定者は15.7%でしたが、購入者は33.7%と2倍以上に上りました。このことから、居住費のボーダーラインを10万円と考えていたが、実際の支払いは想定より安く済んだという人も多いのではないかと考えられます。
【調査結果】住宅購入後の食費・生活費に変化はあった?
全体の2割が、住宅購入前と生活が変わる(変わった)と回答
余裕を持った生活を送るためには、食費や光熱費といった住居費以外の出費がいくらかかるのかも知っておきたいところです。そこで、「住宅購入前と後で、“毎月の食費や生活費”に変化はありましたか(変化はあると思いますか)」と質問したところ、住宅購入者の80%が「変化はない」と回答しました。多くの人は住宅の購入前後で生活費の違いを感じていないようです。
しかし、少数ですが「出費が増えそう/出費が増えた」14.0%、「出費が減りそう/出費が減った」7.8%という人も存在しました。具体的にはどのような部分で出費の増減があったのでしょうか。
【出費が増えそう/出費が増えた】
・「光熱費が増えた」(55歳/男性)
・「電気ガス水道代が上がった」(36歳/女性)
・「家賃とローンの差額や税金」(32歳/女性)
・「家賃補助がなくなった」(31歳/男性)
・「食費等生活費。物価が高い」(55歳/男性)
・「新居なので生活に必要なものを揃える必要があるから」(36歳/女性)
・「前は戸建てだったが今はマンションなので、管理費が増え、新しいのと大都市なので固定資産税が高い」(60歳/女性)
・「管理費、修繕積立金」(68歳/男性)
“光熱費”が増えるという意見は目立ちました。住居が広くなり部屋数が増えると、エアコンやファンヒーターなどの台数も増え、費用がかさむ可能性が高いようです。また、地域によって物価に違いがあるため、ガス代や水道代が上がることもあるようでした。食品の値段や固定資産税なども地域によって変わるため、注意した方が良さそうです。
そのほか、会社から単身(一人暮らし)用の住宅補助が出ていた場合、補助を受けられなくなることもあるようでした。
【出費が減りそう/出費が減った】
・「家賃分だけ減るので」(55歳/男性)
・「ソーラーパネルなので光熱費がほとんどない」(28歳/男性)
・「オール電化になったので生活費は少し減った」(38歳/女性)
・「光熱費がぐっと下がったから」(33歳/男性)
・「休日の昼食を家で食べることが増えた」(33歳/女性)
オール電化で太陽光発電システムを設置している人は、住宅設備の向上によって光熱費が減っているようです。また、家が綺麗になったことで休日も自宅で過ごす時間が増え、食費の削減に繋がっているという意見もありました。
まとめ
住宅購入前の“家賃”と購入後の“住居費”については、ともに「10万円以下」がボーダーラインとなっているものの、購入者だけの意見をみると「5万円以下」に収まる人が最も多いことがわかりました。住居費以外の“食費・生活費”には変化がない人が大半ですが、住む場所を大きく変える場合には、物価や税金が上昇するリスクもあるため、事前にしっかりとリサーチする必要がありそうです。また、住宅の設備や性能も生活費に影響してくるので、ローンの返済だけでなく、毎月の光熱費もシミュレーションしたうえで住宅の購入を検討した方が良いかもしれませんね。
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入者、購入予定者の20代から60代の男女
調査期間:2017年6月26日~28日
有効回答数:600サンプル