日本のトイレは和式から座る洋式へと変わったことで、トイレでの居心地は良くなりました。それでも、ニオイや清潔さでは、リビングと同等などとはとても言い難かったのですが……。それも今や昔の話になろうとしています。トイレの“居住性”が格段に向上しているのです。トイレは日本を訪れる外国人にとっても関心事の一つだと言われています。そんな進化し続けるトイレの最新事情をレポートします。
東京都がトイレの洋式化を推進中
東京都の小池百合子都知事は「誰もが優しさを感じられるまちづくり」を進め、2020年度までに、都営地下鉄の駅や公立小中学校トイレの洋式化を目指す政策を掲げています。災害時には避難所になることが多い小・中学校などのトイレを洋式することで、高齢者や障害者の方など、誰もが使いやすいトイレを目指しています。また、今後、訪日外国人の増加も想定し、トイレの洋式化は必要不可欠。東京都は37.6億円の予算を投じて、トイレの洋式化を進めています。
一般家庭においては、1980年代には温水洗浄便座を装備した洋式トイレも増え始め、内閣府の調査結果(平成29年3月)によると現在の普及率は約80%だそうです。温水洗浄便座もほぼ普及したと言えるでしょう。
しかし、トイレの進化は、留まるところを知りません。なんと、非常に清潔で快適な場所になりつつある!? そんなことを実現する、2つの商品に注目します。
除菌・消臭でトイレを快適な空間に! しかもエコ!?
シャープの天井設置型プラズマクラスターイオン発生機『ニオワンLEDプラス』は、LEDライトを搭載。トイレ内の照明として使いながら、天井から「プラズマクラスター25000」を放出。床に付着している菌や室内にこもるニオイを除菌・消臭します。
「プラズマクラスターイオンには、ニオイの元となる付着『ニオイ原因菌』を除菌する効果があり、トイレなどの不快なニオイに対しても効果を発揮できる。しかもライト型であれば、電源が取りにくいトイレでも使用できると思ったことが開発のきっかけになりました。」(シャープ広報)
一般的な電球と同じE26口金形状を採用。電球のように、手軽に取り付けられるようにしました。そのことにより、スペースの問題も解消しました。
さらに人感センサーも搭載し、LEDライトの「入・切」とプラズマクラスターの運転を自動で切り替えできるようにしました。トイレに人が入ればライトが点灯し、プラズマクラスターイオンも「弱運転」をON。退出すると、ライトは消灯し、プラズマクラスターイオンは一定時間、「強運転」する仕組み。除菌・消臭を効率良く行い、同時にエコも実現しました。
「清潔性」「空間価値」「情報化」で、トイレがさらに進化!!
そしてトイレ自体も進化しています。パナソニックは「ナノイーX」と「オゾンウォーター」を搭載した新商品、全自動おそうじトイレ『アラウーノ』L150シリーズ(2018年8月21日より受注開始)は泡で洗うアラウーノを進化させ、清潔性やインテリア性によりトイレ空間を向上させた商品です。
「ナノイーX」はトイレの壁に染み込んだニオイまで脱臭、空間全体を清潔に保ちます。
さらに「オゾンウォーター」を洗浄ノズルや便器に散布することで、便器内の汚れの元になる菌などを抑制し、汚れやニオイを抑えてトイレ空間を快適にします。「汚れの原因のひとつである菌を抑制することで便器内を、またノズルに噴射することでノズルも清潔に保つことができます。常に清潔さを保つことができるからお手入れが更に楽になりました。これがこの商品の大きなポイントです」(パナソニック広報)
便ふたも、ホワイトだけでなく、家具のようなインテリア性を追求した6柄をラインアップ。インテリア性も強化しました。さらに「アラウーノアプリ」により、スマートフォン操作で洗浄位置などの各種設定や、健康をサポートするお通じ記録、使用状況確認による見守り、電気・水道代金(目安)などの確認操作が可能になります。
今やトイレは単に用を足す場所ではなく、家の中でも快適に過ごす、個室として進化しています。
「今後、単なるトイレではなく、リビングや寝室と同じ、ひとつの部屋のような居心地の良い場所にしたい」(パナソニック広報)
進化し続けるトイレの動向に今後も注目です!
(最終更新日:2019.10.05)