4Kテレビ市場が好調です。電子情報技術産業協会(JEITA)の調査によれば、2017年の4Kテレビ市場は、前年対比122.5%と、絶好調。その勢いは今年2018年1月以降も毎月前年対比約110%から約125%を維持。衰える気配は全くありません。
4K映像は、これまでのハイビジョン映像に比べ4倍も緻密な高精細さが最大の特徴であり、60型以上の大画面でも美しく、奥行き感のある映像を堪能できます。例えばサッカーのような大きなフィールドで展開されるスポーツでは、それぞれの選手の動きを鮮明に映し出しそのスタジアムにいるかのようなリアルな観戦を満喫できます。
6月に行われた2018サッカーワールドカップロシア大会をはじめ、2019年は日本で開催されるラグビーワールドカップ、そして2020年にはいよいよ東京オリンピックも開催されることを考えれば、「今のうちに4Kテレビを手に入れておこう!」と、考える人も多いでしょう。 でも、本当にそのテレビで大丈夫? 本当に満足できます?
いよいよ始まる4K8K放送。その全容を公開!
この6月1日、都内のホテルで『新4K8K衛星放送開始半年前セレモニー』が開催されました。
いまから年末が楽しみです。
今ある4Kテレビだけでは、4K放送は楽しめない!?
先のセレモニーでは、4K8K推進キャラクターの深田恭子さん、そして放送事業を管轄する野田聖子総務大臣も出席して行われました。
このセレモニーに登壇した野田聖子総務大臣のスピーチでは、放送事業社に対し、4K8Kならではの魅力的な番組の提供を要望しつつ、こんな発言もありました。「市販されている4Kテレビだけでは、4K放送は試聴できません。今後、周知徹底をお願いしたい」そう、本格的な放送開始はこの12月から。しかし、その放送は、今ある4Kや8Kテレビだけでは視聴できないのです。なぜ?
4K放送視聴の要、チューナーの登場は少し先の話。さらにパラボラアンテナも必要
年末にスタートする4K放送を視聴できない理由は大きく2つの理由があります。4K放送を視聴するには、そのデータにかけられた暗号を解くための、チップが必要になります。ところがこのチップは今現在、開発途中なのです。つまり現在販売されている4Kテレビには、4K放送を受信できるチューナーが内蔵されていません。今後、各社から発売が予定されている4Kチューナーを別途購入する必要があります。これでは折角の薄型テレビなのに、少々残念な気持ちになります。
そしてもうひとつの理由がアンテナです。4K放送はBSとCSの2種の衛星を使いますが、一部のチャンネルはこれまでとは異なる電波を使用するため、全チャンネルを受信するためには、新方式に対応したパラボラアンテナを設置することが必要になるのです。野田総務大臣の発言は、この状況に釘を刺した形です。
4Kチューナー内蔵4Kテレビの登場は、いつ?
では肝心の4Kチューナー、または4Kチューナーを内蔵したテレビはいつ登場するのでしょうか。4Kチューナーに関してはすでに東芝が製品を発表(発売は秋の予定)、シャープも開発を明言しています。これらの実勢価格は3万円前後とみられています。本体もかなりコンパクト。対応のテレビにHDMI端子で接続し、操作性は従来のテレビと変わりがありません。
またチューナー内蔵テレビは6月20日現在、東芝だけが発表しています。それも、4K放送を視聴するために必要なチップはまだ搭載されていません。後に送付されるチップをテレビに装着し。対応のソフトをダウンロードして始めて4K放送が視聴できるようになります。しかし東芝以外のメーカーからはまだ正式発表、発売の動きはありません。4Kテレビが出そろうまではもう少し時間がかかる?
あるメーカーの担当者は、こうこっそりと話してくれました。「放送開始時期は既に決定済み。チューナーも出来ています。しかし商品化のために必要な検証がまだ行われていません。私たちは、まだ実施されていない試験放送の開始を待っている段階です。正式な商品化はそれからです」
もちろん商品化は間違いありません。ただし私たちが家電量販店などで直接目にするのはもう少し先。その時期はずばり、秋以降。そこまで夏のボーナスを確保するもよし。待望の4Kテレビが出そろったら、液晶か有機か、方式やその他の便利機能もじっくり品定め。放送開始の12月。考える時間はたっぷりあります!
(最終更新日:2019.10.05)