最近、話題のテレビといえば高精細映像に対応した4Kテレビや、自発光方式により液晶より薄く、高画質を実現した有機ELテレビなどがあります。しかし、せっかく最新のテレビでスポーツや映画を視聴しているのに、臨場感がイマイチだと感じたことはありませんか? その問題は「画」でなく「音」にあるのかも知れません。
薄型テレビの音質は低下する傾向?
先日、友人が4Kテレビを購入しました。その後はさぞ楽しいテレビライフを送っているかと思い、友人に様子を聞いたところ、「画質は期待通りにすばらしい。その場に実際にいるような気分になるよ。しかし最近のタレントは滑舌が悪いね。セリフが何をいっているのか聞き取れないときがあるのは残念!」とのこと。そのタレントたちの名を聞くと、ベテランで人気の方ばかりで、滑舌が悪いとは考え辛いのです。
そのとき、以前聞いた家電メーカーの方の話を思い出しました。
「現在のテレビは薄型大画面化が追求されてきましたが、その一方で、内蔵スピーカーにとっては決して良い環境とはいえません。音質を向上させるためにはスピーカーボックスを大容量化する必要があります。この点が薄型テレビの状況と相反するものがあります」
つまりテレビの場合、薄型化を追求すると、音質は低下する傾向にあるということなのです。友人のいう「最近セリフが聞き取りにくい」のはタレントのせいではなく、テレビに内蔵されたスピーカーの問題ということが大いにありうるわけです。
(たしかにブラウン管テレビの時代は音質がまだ良かった……)
そこで友人に改めて「サウンドバー」を勧めました。これはテレビ用の外付けスピーカーで、近頃、家電量販店でも売り上げは上々だといいます。
「現在、サウンドバーの売り上げは3年前と比べ、約2倍まで伸びてきました。先のサッカー、ワールドカップなどのビッグイベントを高画質・大画面テレビで観るなら、音にもこだわりたいという方は多いです」(ビックカメラ広報・IR部の細山祐一さん)
テレビにとって映像と音声は一対。迫力の高画質映像は、やはり迫力のある高音質で楽しみたい。それでも、テレビの薄型を損なわないで欲しい。そんなこだわり派にとって、サウンドバーは、置き場所も省スペースで、コスパも高いとなると欲しくなるのは必然です。設置はテレビとHDMIケーブルで接続するだけ、で簡単です。人気のモデルは1台の左右のスピーカーと重低音再生用のサブウーハーも内蔵下オールイワンタイプ。低音は地鳴りや爆発音など、「響き」の演出に効果的です。アクション映画の臨場感もUPします。売れ筋の価格帯は1万円台から3万円台。そこで、ビックカメラで人気のサウンドバーを揃えてみました。
『ウォークマン』で培った高音質技術を搭載
ソニー『HT-S200F』オープン価格(実勢価格約2万8,000円)
デジタルミュージックプレーヤー『ウォークマン』にも搭載されている独自のデジタルアンプ「S-Master」を搭載。音質劣化を抑え、原音に忠実な再生を実現してくれます。また高精度なデジタル音場処理技術により、仮想的にサラウンド音場を再現。通常、サラウンド再生は後方にもスピーカーが必要ですが、このモデルは本体のみで豊かな音の広がりを実現しました。映画、ライブ映像、ゲームに最適です。幅約58×高さ6.4×奥行き9.5cm、2.3kg。
セリフやナレーションを自動で調整。クリアに再生
楽器メーカーとしてのノウハウが組み込まれたモデルです。薄型テレビのスピーカーの弱点でもあった、人の音声に対する音質向上を図っています。セリフやナレーションなど音声と他の音を自動的に判別。人の声だけをボリュームアップさせることができます。またバーチャル3Dサラウンド技術を搭載し、前方と後方、左右と高さ方向の音場も再現して、映像と音声が一体化し、映像に対し、高い没入感を得られます。本体の四隅が丸みを帯びたデザインを採用。テレビの下に置くほか、壁掛け設置も可能です。幅89×高さ5.3×奥行き13.1cm、3.2kg。
多才なサウンドモードを搭載。映像ソースに応じた好みの音質を満喫
JBLのハイエンドモデルの高音質技術をコンパクトなボディに収めた商品。同社のこだわりが詰まったパワフルな重低音が魅力的。アクション映画で視聴してみましたが、暗闇で何者かの足音が響くシーンでは、恐怖心をリアルにあおられました。スタンダード、ムービー、ミュージック、ボイス、スポーツの5種類のサウンドモードを搭載し、視聴する映像コンテンツのジャンルに合わせてサウンドを選択できます。幅約61.4×高さ5.8×奥行き8.6cm、約1.4kg。
まだまだあります! サウンドバーの凄ポイント!
また多くのサウンドバーはBluetooth接続に対応。スマホやMP3プレーヤー、PNなどとワイヤレスで接続することで、オーディオとして音楽再生も満喫できます。普段はイヤホンやヘッドホンでしか聴くことのないお気に入りの音楽を、スピーカーを通して楽しむことは、何より新鮮です。こんな1台2役という使い方ができるのはとても魅力的ではないでしょうか。
(最終更新日:2019.10.05)